ここ1~2年の間にパート・アルバイトの時給が高騰していることは皆さんご存のところだと思います。私の感覚としては(愛知県一宮市)近隣のパートの求人は以前850~900円が多かったですが、今や950~1,000円が当たり前になりました。また、働き方改革などをきっかけに労働基準監督署の労働時間に関する監督も強化され、中小企業の外部環境はますます厳しくなるばかりです。

 人件費が高騰すれば、当然に利益が減ります。それを防ぐために販売単価を改定できればいいのですが、そうした取組みをしないというか、そうした感覚がない企業が少なくありません。

 ここで簡単な試算をしてみたいと思います。

 中小企業の粗利益に対する人件費の割合(これを労働分配率と言います)は、国の統計上では70%前後となっています。仮に粗利益率が平均70%の製造業とすると、売上高×70%×70%で、売上高の49%が人件費ということになります。一方で、他の統計によると、中小企業の売上高に占める経常利益の割合(これを売上高経常利益率と言います)は3%前後。仮に先のパート求人の時給のように人件費が10%伸びれば、売上に占める人件費の割合は49%⇒53.9%と4.9%増加し、売上高経常利益率約3%を上回るため、赤字に転落します。

 利益を圧迫するのは、人件費だけではありません。中部電力エリアでは、2014年4月に電気料金の値上げがされています。業界によっては円安の影響を受けて材料費や部品代が高くなっているところもあると思います。

 知らぬ間に利益が徐々に減って、茹で蛙のように、会社を蝕んでいく。危機的な状況になる前に、是非考えて欲しいことは、まず販売単価の見直しです。

 単価の価格交渉は容易ではないことは重々承知しております。そのため、年1%程度のちょっとずつでも良いので上げていく努力が必要です。近年では、同業他社が減り、元請企業が発注する先が減少し、売り手市場になりつつある業界もあります。

 価格決定権が自社にある場合には、見積書提出の際に少し多め出してみる。元請企業が価格決定する場合は、自社の状況を説明し、理解を得るなどのちょっとした努力の積み重ねが、会社を強くすることは間違いありません、


 なお、蛇足ではありますが、弊社では適正単価の算出や、取引先の単価交渉資料の作成などのご相談にも応じることができますので、お気軽にご相談ください。