企業経営の要素として、ヒト・モノ・カネ・情報とよく言います。情報だけ少し特別な気がします。まず、ヒト・モノ・カネも物質として存在しますが、情報だけは形がありません。目に見えないものだけに、その保有量を比べることができません。(表面的な言葉の定義だけで捉えれば、)ヒトは人数で、モノは数や質量で、カネは貨幣価値で比較ができますが、情報だけは他と比較できません。あともう一つ言えることは、ヒト・モノ・カネにはお金を要しますが、情報はお金が無くても得ることができるものです。

 ここで私は思います。情報こそが中小企業にとって容易に差別化できる最も重要な資産だと。
特に資金力に乏しい企業においては、選択肢はここしかないとも言い切れます。

 そもそも私が捉えている「情報」とは何か?についてお伝えしなければなりません。
それは次のようなものです。

 ・得意先や仕入先のニーズや動向の情報
 ・市場や業界の動向の情報
 ・商品・サービスの品質の基準や品質を保つノウハウ
 ・新規の商品・サービスを開発する技術や工夫のノウハウ
 ・売上、経費、利益などの財務的な情報
 ・経営理念・経営方針など、社員やその他ステークスホルダーを統率する情報 など


 私の経験則ではありますが、経営危機に貧している企業ほどこの情報が足りないか、それぞれの情報があってもそれらをうまく関連付けして、事業に有益な情報に変換できていないことが多いです。仕事に関して、取引先に関して真面目に真摯に対応しているつもりなのに、一向に業績が向上せずに、困窮されている、そんな企業の多くはこのパターンにあるような気がします。

例えば、

・下請企業で価格決定権がほぼない立場で、見積の精度が一向に向上せず、利益率が悪い。
・トップセールスマンだけが売上成績がよく、それ以外の社員はどんぐりの背比べ状態。
・年々各商品やサービスの利益率が悪化していく中で対策が打てていない。
・外注依存度が想定しているよりも高い。
・社員のスキルが向上しない。モチベーションが低い。チームワークが悪い。 など

もしこのような状況な場合は、次のことをまず考えてみて下さい。

①情報の収集ができており、対策も分かっているが、実行できていない。
②情報の収集はできているが、対策が分からない。(対策に自身が持てない。)
③大雑把な状況は把握できているが、詳しい情報の収集ができていない。

これを月並みな例であげるとすると、(今度は逆順に)
③は業績が悪化しているのはわかるが、その原因がどこにあるのか分からない。
②業績悪化の原因は、受注量の減少と利益率の悪化にあることが分かったが、その対策が分からない。
①受注量を増やすには営業担当者の営業トークの教育と営業訪問の仕組み化が必要。また利益率利益率向上には正確な見積書の作成が必要であることが分かったが、それを教育できる人も時間もない。

と、(実際はもっと複雑ですが、)例えば上記のように状況を整理して、対策案の検討やどうすれば実行可能になるのかを検討します。そしてその時の最善策を実際に実行に移すことが大切です。もし改善の効果が見られなければ、更に手を加えていくことになります。そうすればいずれ必ず成果が出てきます。

 経営努力しているのに、改善が見られない状態と言うのは、(失礼承知で表現すると)「空回り」している状態と言えます。逆に言えば、何らかの手を打たなければなりません。どうしたら「手応え」を感じられるのか、その答えはその企業にしかなく、会社の今ある情報を整理し、足りない情報は収集して、対応策を検討して、実行することしか実現しないことは、重々ご理解されていることだと思いますが、その中でも私はその元となる情報の収集と活用が企業経営においてとても大事であると考えています。