2011年 師走15日 本年10大ニュース

 某新聞社による、本年10大ニュース読者web投票に参加しました。国内は63項目、海外は48項目(更に其々投票者が任意に選択できる「その他」が二項目づつ)の中から10項目づつ計20項目を選択し応募、と言う形。私は国内・海外其々以下のものを選択し応募しました。
 尚、ただ列記するだけではつまらないので、一応其々私見・感想等を添えさせて頂きました。

∴国内∵
●東日本大震災発生
被災された方々に謹んでお見舞い申し上げます。
被災地でのDV(ドメスティック・ヴァイオレンス)の事例やアルコール依存症となる被災者の方が増加しているそうです。DVは自宅や職を失った不安・ストレスから夫が妻に対し行う傾向が多く、アルコール依存症は家族を失った喪失感や先行きへの不安から飲酒に走る場合いが多いそうです。飲酒はDV、鬱、孤独死との関連も強く、被災から時が経ち個人個人での復興度合いの差が目立ち始めると、遅れを感じる被災者の方がアルコール依存をより強めることが懸念されているとか。被災直後は無力感が大きかったスポーツ、芸術、芸能の世界が今こそ力を発揮する時期かもしれません。

●福島第一原発事故発生
被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
福島の多くの方々同様、多くの動物達のことも気になります。「ペット」と呼ばれるイヌ、ネコ達等だけでなく、「家畜」と呼ばれるウシ、ブタ達等なども被災された方々にとっては家族同様の存在。東電及び政府は事故被害に遭った動物達の保護施設を作って頂けないでしょうか。「ペット」と呼ばれる動物達については、保護団体の警戒区域内への条件付立ち入りが許可され一歩前進しましたが、もう一歩踏み込みウシ、ブタ等「家畜」と呼ばれる動物達も殺処分を行わず、終生面倒を見られるような施設を建設して頂けないでしょうか。

●小笠原諸島、平泉世界遺産登録
観光資源としての利用に水を差す気は毛頭御座いませんが、世界遺産に登録されると言うその基本は、その保護・保全に関し、国際的に責任を負うということ。日本人の財産が人類の財産になると言うこと(自然は人間の所有物と言う訳ではありませんが)。食い潰すことなく、誇りを持って伝えて行きたい。そして、行ってみたい。なぁ...。

●大関魁皇史上最多1047勝達成
素晴らしい。琴奨菊、稀勢の里両大関には琴欧州、日馬富士、把瑠都共々、魁皇を超える名大関或いは横綱を目指して頂きたい。私は唯良い取り組みが見られればそれだけで良いので、大関・横綱が外国人力士ばかりでつまらない、等とは全く思いませんが、上位力士に日本人が少なくて面白くない、と言う方がいらっしゃるのも確か。相撲人気回復のためにも是非、新大関二人には切磋琢磨して上を目指して頂きたい。是非。

●「なでしこジャパン」世界一
BSが観られないので早朝ラジオで結果を知りました。低血圧の私も一気に目が覚めました。おめでとう!でも、皆が意外と「ナデシコ」(和名:カワラナデシコ.極東地域に広く分布.秋の七草の一つ)そのものを知らないのでガッカリ。
選手はCMやバラエティ番組出過ぎ、と言う意見も有りますが、女子サッカーを底上げするには絶好のチャンス。慣れないお仕事も多く大変でしょうが、TV出演もサッカーの内、と思って頑張って頂きたい(無理の無い範囲でね)。

●小松左京氏死去
雑誌「アニマ」連載の「はみだし生物学」が小松さんとの出会いでした。多岐にわたる博識・見識に生物学者でもないのにスゴイなこの人は、と思ったのが最初。SF作品のお初は、TVドラマ「ぼくとマリの時間旅行」で知った「時間エージェント」でした。R.I.P

●大型台風記録的被害typhoon15b
被災された方々には、謹んでお見舞い申し上げます。
私の近所の雑木林・公園・大学構内等でも、15号による強風で折れた或いは倒れた大木を幾本も見ました。根こそぎ倒れた木等生まれて初めて見る経験です。あわや民家直撃、という倒木もありました(画像.国立市南部の某公園.根こそぎ倒れた先に民家)。ここ東京の平野部は、台風による倒木発生など滅多にない(道路が風の通り道になり易い為か街路樹では時に発生)ので、行政も対応が追いつかないのでしょう、流石に倒れたまま、というのは一部私有地内を除き公園等ではもう見ませんが、未だ鋸で小分けにされただけでその場に置かれたままというのは、時々見掛けます。

●ニュートリノ光速越え(?)観測
この世の根本に関わる問題故、発表された方々(名古屋大等による国際研究チーム「OPERA」)も慎重な態度ですが、御尤もと思います。否定的論文も多く発表され、俄然興味が強まる。慎重な検証を望みます。
数々実証されてきた特殊相対性理論が否定する光速越え。もし本当なら、どうなるの?

●北杜夫氏死去
少年時代、私を文学或いは読書の世界へと導いてくださった大恩人。「どくとるマンボウ航海記」がはじめだったかな。その他所謂”マンボウ”ものでは「昆虫記」、「青春期」、「途中下車」も大好きでした。後には「少年」、「牧神の午後」、」「幽霊」、「夜と霧の隅で」、「楡家の人々」等へも読み進み、私の文学世界の扉が開かれて行きました。R.I.P

●プロ野球ソフトバンク日本一
私はジャイアンツ・ファンですが、ホークス及びファンの皆さんおめでとう。'04・'05年はリーグ一位、'00年はリーグ優勝したにも拘らず、日本シリーズに出ることすら叶わなかったものね。ホントにおめでとう。

∴海外∵
●チュニジア独裁政権崩壊。エジプト、リビアにも「アラブの春」
カダフィ氏の最期は残念な形でした。歴史は日々作られている、と言うことを改めて見る思いです。「今」も「歴史」になって行くのですね。
「春」と呼ぶには余りに過酷な季節の只中に有るシリアのことも気に掛かります。

●ニュージーランド地震発生
被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。
間を置かず同じ太平洋プレートで起きたということで、東北太平洋沖地震との関連性を考える研究者の方も居られます。昨年のチリ地震も含め環太平地域で地震活動が活発化しているとの見方も有ります('04年のスマトラ島沖地震も含める場合も有る.地球物理学的時間スケールで言えば数年の違いは「同時」と大差ない)。日本も含め少なくもここ暫くは何時大きな地震が発生しても不思議は無い状態です。油断は禁物です。

●ドイツ、イタリア等欧州で脱原発加速
よく言われることですが、人類の文明は今まさに岐路に立たされ、我々は大きな決断を迫られています。今後のエナジー政策を如何するのか。此処を転機に核エナジーを離れ自然(再生可能)エナジーへとシフトするのか。温暖化による気候変動の問題とも大きく関わる事柄ゆえ、大変重要な選択です。
2011年は人類のエナジー政策にとって大きな転換点であった、と後年記述される日が来るでしょうか。
(宇宙の何処かに我々の先輩が若し居たら、アドバイス頂きたいですね。どの様に核を含めエナジーの問題をクリアしてきたのか)

●南スーダン独立
アフリカ最長と呼ばれる内戦を経て、多くの方々の望みが叶えられたことを心より祝福致します。
経済基盤となる石油関連施設の不足や、公共施設、国の機関、インフラなどの整備が遅れているそうなので、是非日本政府には、環境面を配慮した形での支援を強化して頂きたい。

●スペースシャトル最後の任務終了
天文少年だった私は、最初に宇宙へ行ったコロンビアが帰還するとき、早朝(4時くらいだった記憶がある)まで起きてTV中継見ていました。チャレンジャーの事故も、コロンビアの事故も大きなショックを受けました。感慨深いです。お疲れ様。

●タイで洪水
被害を受けた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
日本の洪水とは大分と様相が異なっていましたね。広大な平野を持つタイでは、高低差が少ない為上流域に降った大雨が都市部に達するまで大分と時間差があったようです。ネコと暮らしている方はご存知でしょうが、所謂「ネコ缶」の魚系のものは大多数がタイ産です。我が家でもタイ産ネコ缶にはお世話になっているので、その辺りも気になったりします。

●ユーロ危機深刻化
ユーロ安は相対的な円高、と言うことですよね。ドル安なら穀物や大豆が米国から安く輸入できるメリットも有るけれど、欧州(EU)からは一次産品は余り輸入が無く医薬品や自動車などが多い。この辺りの(日本への)影響は如何なのであろうか。欧州からの輸入(58,210億円)は米国からの輸入(59,114億円)と左程違いは無いけれど、輸出は米国向け(103,740億円)に比べて欧州向け(76,158億円)は大分と少ない。欧州との貿易自体、貿易全体の一割程度(10.5%)と多くは無い。という事は、(日本への)影響は余り大きくはないのであろうか。う〜ん、ユーロ危機・ユーロ安、(日本経済に)どのような影響が及ぶのか、余りよく解らない。困った。
(数字は総て財務省貿易統計2010年分(年分))

●世界人口70億人突破
子どもの誕生は、基本お祝いを述べたい出来事だけれど、人類の抱える問題の多くが人口問題に起因していることを考えるとこの数字には正直暗澹たる気持ちになる。人口増加率は年々低下しているのでやがて(今世紀後半といわれている)は人口は減少に転じるでしょうけれど、それまでの数十年、食料、水、エナジー、資源、環境或いは貧困、飢餓、紛争等などの問題はどのようなことになるであろうか。長寿、乳幼児死亡率の低下、これ自体個々にとっては喜ばしい事柄ですが、これ等が生んだ現実は重いものでした。

「その他」として以下二項目を挙げ投票しました
●ゾウ密猟増加
ケニアでは今年度1〜5月、ゾウの密猟件数は史上最悪だったそうです。経済発展著しい中国での象牙需要の高まりが原因と指摘する声もあります(日本も象牙需要多いんですがね)。合法的な象牙流通も勿論ありますが、象牙には「本物」「偽物」といった違いが無い為、違法象牙が合法象牙に混入し、密猟を助長する可能性があります。密猟の背景には貧困や政情の不安定など様々なものが有るので、根絶は非常に難しい問題です。最近では象牙の大きなオスが密猟で減ったためメスも標的にされるようになり、メス中心で構成されるアフリカゾウの群れがリーダー(大人のメス)を失い殺されなかった他のゾウ(子どもや若い個体)も大きな影響受けるパターンが増えています。象牙問題は我々日本人も決して無関係ではないので注目したい問題です。

●西クロサイ、ベトナムのジャワサイ絶滅
IUCN(国際自然保護連合)はアフリカに生息し2006年に確認されたのが最後だったニシクロサイ(クロサイの一亜種)が絶滅したとしました。またWWF(世界自然保護基金)などは、ベトナムに生息していたジャワサイの絶滅を発表しました。共に密猟と保護体制の欠如が主な原因とされています。中国、東南アジア特にベトナムでは近年、薬(がん治療薬.科学的・医学的根拠は現在のところ無い)としてのサイ角の需要が高まっており、それを受け密猟が増加していると見られています。ベトナムは現在、サイ生息数が多くよって密猟も多発する南アフリカ共和国との間で、密輸取締りの法規制強化に取り組んでいるそうです。根本的な需要削減の為の努力も望まれるところです。
「絶滅」というのは悲しい言葉ですね。来年は聞きたくないな。


 以上ですが、この中から何れか一つ最も大きなニュースを選べと言われたら、矢張り、東日本大震災、ということになります。直接被災された方々とは比ぶべくもありませんが、受けた衝撃の大きさは、私にとっては、嘗て経験したことのないものでした。これから先どの様な事柄が(世間に於いても個人に於いても)起こるか定かではありませんが、私の「人生」10大ニュースに、確実に入る出来事と思います。

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 本年、個人的には、我が家のネコ、18歳の巴さんが亡くなると言う「重大」ニュースが一件ありました。まだ何とはなく気持ちの整理が付かないのですが、そのうちこの件に関して書くことが有るかもしれません。
 あと、少なくも近所では今まで一箇所を除き見かけなかった、畑の無人販売所における野菜盗難に関する張り紙(盗まないで、という内容)が増えたというのも、私にとっては結構大きなニュースでした(これについてはメルマガ(12月15日号)に書かせて頂きました)。

 世間、個人どちらに於いても、相変わらず良いニュースは少ないですね。本年最後を締め括るに、気の利いた言葉を使いたいのですが、こんな有り触れた言葉しか浮かびません(でも、結局これに尽きますよね)。

 来年は良い年でありますように

では、
arigatou


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*ニュートリノ:中性微子とも。電気的に中性で質量は非常に小さい素粒子の一つ。物質と殆ど反応しない(全くしないわけではない)ので観測が難しい
*プレート:地球の表面を覆う厚さ≒100kmの十数枚の岩盤。海洋プレートと大陸プレートに分れ、両者がぶつかる場ではより比重の大きい海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む運動をし、その際プレート内にたまった歪が開放され大きな地震(プレート境界型地震)が発生する。日本列島は北米、ユーラシアの両大陸プレートと、太平洋、フィリピン海の両海洋プレートの計四枚のプレートが接する場に有る。東北日本は北米プレートに乗り西南日本はユーラシアプレートに乗って押し合い(両プレートの境界が糸魚川―静岡構造線)、フィリピン海プレートはユーラシアプレートと北米プレートの下に沈み込み、さらに太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込むという非常に複雑な地点にある
*アフリカ最長の内戦:スーダンは、1955〜1973年の第一時内戦と、1983〜2005年の第二次内戦と二度の内戦を経験した。第二次だけで死者≒200万人、難民・避難民≒400万人と言われている
*アフリカゾウ:ゾウ目ゾウ科 通常メスと子どもからなる群れをつくり多く最年長のメスがリーダーとなる。オスは単独または若いオスのみの群れで生活する
*クロサイ:ウマ目サイ科クロサイ属 アフリカ大陸に生息する。角を薬(医学的根拠は無い)又短剣の柄にする為密猟の対象とされている。保護により全体としては徐々に個体数は増加しているが、同じくアフリカ大陸に生息するシロサイと共にIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに掲載され、クロサイは「近絶滅種(CR)」、シロサイは「準絶滅危惧種(NT)」(亜種北シロサイについては近絶滅種(CR))に指定されている。近年は高度に組織化された密猟形態が増え対応を難しくしている
*ジャワサイ:ウマ目サイ科に属する小型のサイ。インドシナ半島、スマトラ島、ジャワ島の熱帯雨林に広く生息していた。森林の破壊及び角の薬利用目的の密猟により減少(薬としての効果は科学的には根拠がないとされている)。現在ジャワ島西部に50頭ほどが残るのみ。東南アジアには他に、同じく小型のサイ、スマトラサイがスマトラ島、ボルネオ島及びマレー半島に300頭ほど生息している。此方も密猟の対象とされており絶滅が危惧されている

参考:
・マリンネット東日本大震災義援金募集情報(一部募金終了のサイトがあります) http://www.marine.ne.jp/staff/shinsai/
・緊急災害時動物救援本部(リニューアルしました) http://doubutsukyuen.org/
・福島県動物救護本部 http://www.pref.fukushima.jp/eisei/saigai/kyuugoindex.htm
・Google Animal Finder(動物消息情報) http://japan.animal-finder.appspot.com/
・msnペットサーチ(被災ペットを探す・引取る) http://eastjapaneq.jp.msn.com/petsearch


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