八回線 2―楔

 鎌倉街道を進み、水野線3号直下に達し仰げば、まあなんと厳(いか)つい。

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水野線3号(標高66.1m)
幅を1/3にすれば四角錐か

 こんな鉄塔初めてだ。四角錐でもない、ガントリー(門型)でもない。両者を折衷したようにも見えるが―。楔型或いはドアストッパー型とでも言っておこうか。一応。

 鉄塔敷は、砂利を敷き詰め、囲うものは何一つ無い。
 有難く入らせて頂く―、と思ったが、その前にプレートをゲット。結界フリーに浮かれて、忘れてしまうと大変である。

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3号

 埼玉では青文字になる大プレート(東京は黒文字)の他に、併架(へいが)された四路線八回線の架線場所の略式図がある。でも、小プレートが幾ら探しても見当たらない。
 略式図を子細に、見てみよう。

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3号併架略式図

 西側(画面左側)上段に水野線、下段に東大和線が架けられ、東側上段に川越線、下段に膝折線が架けられている。どちらも外側が1号線、内側が2号線となっている。鉄塔本体も描かれているが、褪色はげしくほぼ見えない。

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3号回線札
左、水野線・東大和線2号線 右、川越線・膝折線1号線

 複数の路線が併架された鉄塔は随分見て来たが、こんな親切に路線の表示がなされている鉄塔はお初にお目にかかる。この表示は私の様な鉄ヲタの便宜の為のものではなく、送電線管理の為のものであるから、管理関係者の方々も、この鉄塔は分かり難いということなのであろう(と思う)。

 少プレは気になるが、そうそうゆっくりもしていられないので、結界見上げを。

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3号

 初めて見る景色。鋼管型で部材が少なく、いやにスッキリとしている。横幅も広いので、妙にスカスカ。等辺山形鋼により構成された四角錐鉄塔(こちら)とは大分と異なる。個性的で、よろしい。

 鉄塔敷に入れるのは、滅多にない機会、360度じっくりと拝見。

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左、南西 右、東北

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左、南東 右、西北
3号

 鉄塔は、東は鎌倉街道、北は建設会社さんの資材置き場、そして南と西は休耕地的な空き地にそれぞれ面している。

 脚下部に被せられた、細長い鉄板が目に付く。

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昇塔防止装置

 昇塔防止装置、であるのだろうけれど、初めて見るタイプ。確かに、昇り難そうではあるが、裏側(主脚の反対側)は無防備である。大丈夫なのだろうか。

 鉄塔敷を歩き回っていて気付いたのだが、この3号鉄塔の脚基部にはいやにカマキリが多い。オオカマキリやハラビロカマキリだが、なぜかぽつりぽつりと彼方此方にとまっている。日向ぼっこか?それにしては今日は暑い。神無月も終わりに近いが、暑い。パンツは七分丈で丁度良かったが、トップスはロンTに半Tを重ね着してきたのだけれど、半T一枚で充分であった。空き地向こうの林からは、真夏の如く元気なアブラゼミの声も聞こえて来る。

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カマキリと影

 画像の個体は、前脚に黄色いぽつぽつもあるし、前胸が短く全体にぽっちゃりしているので、ハラビロカマキリ(Hierodula patellifera)であろう。腹部末端(オシリ)を見ると、♀である様に見える。可也警戒されてしまい、この直後部材の後ろに隠れてしまった(ゴメンナサイ)。

 3号の結界から北を望むと、2号鉄塔と変電所のマイクロ波塔が重なって見える。

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水野線2号とマイクロ波塔

 行ってみよう。

 3につづく

2019年霜月23日
(取材は10月下旬)

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・取材の際はマナー遵守を心掛け十分配慮しておりますが、もしご近隣の皆様にご心配及びご迷惑をおかけしておりましたら、お詫び致します

・この鉄塔の建つ場所は狭山市大字加佐志、最寄り駅は西武新宿線入曽駅です

*回線札:通常送電線は二回線なので、二つの回線を1号線、2号線と区別し回線札で表す
*カマキリ:関東で普通に見る緑色のカマキリは、オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリ辺り

鉄塔に昇るのは非常に危険です。絶対にやめましょう

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