水俣病と認められていない被害者の救済問題が歴史的な節目を迎えた。

 被害者らでつくる水俣病不知火(しらぬい)患者会(熊本県水俣市)が国などを相手取った熊本地裁の集団訴訟で29日、原告はようやく手にした和解に喜びを表した。裁判外で水俣病被害者救済法による決着を求める被害者団体も、早期救済の実現に期待を膨らませている。ただ、年齢などによっては対象にならない可能性もあり、複雑な思いをにじませる原告もいた。

 同日午後の和解協議開始からまもなく、弁護士らが「基本合意が成立」と書かれた垂れ幕を地裁前で掲げると、集まった約100人の原告から大きな拍手がわき起こった。

 鹿児島県出水市の女性(70)は「(提訴以来)涙も出ない、笑うこともできない時間を過ごしてきた。うれしい。生きていてよかった」と喜びをかみしめた。

 一方、熊本県芦北町の男性(65)は「原告全員が救済されるわけではない。訴訟が長引くと亡くなる原告も増える」と苦しい心境を吐露した。

 和解協議後、原告らは地裁近くで集会を開催。「和解による解決へ大きな一歩を踏み出した。闘いの成果だ」などとする声明が読み上げられると、再び、力強い拍手が起きた。

 引き続き行われた記者会見では、園田昭人弁護団長が救済対象外とされる原告について、医療費を支給する方策を検討するよう、国側に伝えたことも明らかにした。

 国は和解案と被害者救済法に基づく救済策を同様の内容にするとしており、今回の和解合意によって具体的な救済策づくりも大きく前進することになる。

 法に基づき国が示した一時金給付などの救済内容を受諾している水俣病被害者芦北の会(熊本県津奈木町、約300人)の村上喜治会長は「私たちにとってもスタートの日だ」と喜んだ。

 水俣病被害者獅子島の会(鹿児島県長島町、約80人)の滝下秀喜会長も「和解案に合意してもらい、よかった」と歓迎した。

 一方、国などを相手に損害賠償を求める訴訟を起こし、判決での決着を求めている水俣病被害者互助会(熊本県水俣市、原告9人)の佐藤英樹会長は「合意はとても残念。裁判を続けて本当の救済を求めていく」とした。

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