「ヤミ金業者と話し合うことが疲れた」。こう書き残し、横浜市中区の男性(70)が先月13日、自宅で首をつって自殺した。遺書には、返済に苦しむ心情とともに、東京都台東区の貸金業者の名が挙げられていた。自殺の2日前に男性の自宅を訪れ、5万円の返済を迫った業者だった。「たかが5万円といっても、夫にとって、業者とのやり取りはすでに限界だった」。男性の妻(71)は振り返る。男性をわずか半年で死へと追い詰めた、ヤミ金の実態を追った。【安高晋、馬場理沙】
 ■完済直後に入金■
 男性は妻と2人暮らし。建築会社の社長としてバブル後の不景気も乗り越え、安定した収入を得ていた。暗転したのは2年前。がんで倒れ、仕事を辞めた。蓄えが底をついた昨年12月、初めてヤミ金に手を出し、返しきれない分を他のヤミ金から借りた。
 「数万円なら」と思って借りたが、借入額は膨らむ一方になった。ある業者には、やっとの思いで元本に利息を付けてすべて返済したが、数時間後には勝手に金が銀行口座に振り込まれていた。抗議しても、業者は「金があれば助かるでしょ」と聞き入れない。無理やり貸し付けて利息を取り立てる「押し貸し」の手口だった。
 今年6月までに8社から計80万円を借りた。5万円借りて10日後に6割(3万円)の利息を取り立てられたこともある。法定利息の75倍だった。支払った額は、利息だけで84万円になった。
 「殺すぞ」。毎晩かかる怒鳴り声の催促電話。返済を要求するファクス。自宅があるアパートに向かって、歩道から近所中に聞こえるように大声で「金返せ、金返せ」と繰り返された。身に覚えのない5人前のすしが届けられたこともあった。
 ■やり取り限界■
 今年6月、夫妻は被害者団体に相談。その日のうちに、これまでに借りたヤミ金8社へ「これ以上払わない」と通知を送った。取り立ては減り、男性の心理的負担も減ったかに見えた。
 しかしすべての取り立てが止まったわけではなく、男性は次第に追い込まれていく。7月下旬から、妻に弱気な言葉を度々こぼすようになった。「おれが死ねば丸く収まるかな」。妻は「ずっと真っ暗なわけじゃない。生きていよう、父さん」と励ました。
 自殺の2日前、台東区の業者の「フィナンシャル本部長」と名乗る男が男性の自宅を訪れる。ピンクのシャツ姿で、声を荒らげることなく終始ニヤニヤと見下したような態度だった、と妻はいう。初めのうちは、被害者団体に作成してもらった、違法業者への支払いを拒否する文書を見せて堂々と対応した男性だったが、「(被害者の)会は関係ない。外で話そう」と言われ2人で外に出た。
 30分後、戻ってきた男性は根負けしたように支払いを約束する契約書にサインしてしまう。「ヤミ金に負けてしまった」。男性はそれ以来、何も食べず口もきかなくなった。孤独な死。遺書には「お詫(わ)びと自身の安らぎを考えて死をえらびます」とあった。
 自殺した当日、別の業者から取り立ての電話があった。夫が自殺したことを告げると、業者は「そんなことは関係ない。金返せ」と言った。
 妻の告訴を受けた山手署は、台東区の業者について出資法違反容疑で捜査している。


(毎日新聞 9月7日より抜粋)

借りたお金は返すのが当たり前ですが、闇金に限ってはそれには当てはまりません。

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