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INTERVEW

「メルセデス・ベンツらしさとライフスタイル」

高級セダンを得意とするメルセデスが造るSUVにはメルセデスらしさは有るのか?
気になる人に贈るQ&A

この方に聞きました。
メルセデス・ベンツ中野 サーティファイドカーセンター
所長 小木曽 薫氏

●メルセデス・ベンツといえば高級セダンとのイメージがありますが、昨今ではSUV系モデルの人気が高いようです。そこでお聞きしますが、まず、セダンにおけるメルセデス・ベンツらしさとは、どの様なものとお考えですか?

小木曽氏(以下O)「メルセデス・ベンツは、点と点を結ぶ移動手段であり、道具だと思います。道具としてのクルマの中で、いかに運転しやすいクルマであるか、疲れないクルマであるか、乗員をいかに安全に守れるクルマであるかを重要視してきました。そのことは、メルセデス・ベンツの長い歴史の中で展開されてきた弛まぬ技術開発とその成果が如実に物語っています。それらにプラスして、ボタンを少なくすることで操作のしやすさを向上させたり、シートを硬くして長時間乗っても疲れないようにするといったことも昔から実践してきました。ユーザーにこれまでに述べたさまざまな要素が高級感として捉えられてきたともいえますね。
IMG_5119現在はインテリアのマテリアルとしてナッパレザーなどを採用するようになり、他ブランドのクルマも高級になってきたので、メルセデス・ベンツもスピーカーをより上質なものにするなど、高級車らしさをアップさせています。いまでもセダンはメルセデス・ベンツの中における一番のメイン車種なので、そのスタンスの中でよりよいものを造ろうとして高級感を出していますが、他ブランドの輸入車も多様化し、先ほども述べたように高級になってきていますので、メルセデス・ベンツの上級クラスはIWCの時計を採用するなどしてさらに高級感を出しています。さらなる高級感を出しつつ、安全に移動できないといけないという基本的な理念は一切ブレていないので、そのあたりの大前提が揺るいでいないことが「セダンにおけるメルセデス・ベンツらしさ」のひとつだといえるのかもしれません。
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●SUVモデル需要の高まりを感じますか?そして、SUVモデルにメルセデス・ベンツらしさは有ると思われますか?

O「以前は、ひとりのお客さまが数台を所有する事例が多かったといえますが、現在は2台ぐらいが平均になってきていると思います。以前の数台を所有、の内訳は、セダンとオープンモデルのSLクラスをご購入したお客さまが3台目としてワゴンを買うといったようなケースです。

この場合、ファーストカーとしてセダンを購入していたということです。それが時代の変化というかライフスタイルの変化で、愛車をひとつにまとめて一台にしようというのが最近の動向で、そのような状況の中でセダンではなくSUVが一番メリットを感じられるクルマである、というのが現在のユーザー心理になっています。そして、実際にセダンからSUVに移行していく流れがあり、SUVをお求めになるお客さまが多くなっています。

登録台数が増え、街中で見かける機会が多くなってくると、お客さまがみんなと異なる個性的なクルマを求めるようになり、ひとえにSUVといっても大人数で移動できるクルマや荷物をたくさん積めるクルマなどがラインナップされています。そのため、皆さん、それぞれ自分にとってベストだと思ったクルマをチョイスし、キャンプをはじめとするアウトドアライフや充実したカーライフを楽しんでいます。
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セダンの話に戻りますが、セダンはどのメーカーも基本的なクルマとして位置付け、重視しているので、こちらもバリエーションを増やしています。実は、現在、セダンのトランクスペースが以前よりも狭くなっており、荷物をたくさん積めなくなってきているのですね。ゴルフバッグが4つ載らないセダンもあります。日本では4名でゴルフに行くことが多いので、セダンにもゴルフバッグを4つ積めないといけないのですが、ドイツでは2名で行くことが多いので、セダンにはゴルフバッグを2つ積めればいいという話をヨーロッパで聞いたことがあります。そういったこともあり、トランクスペースに余裕があるSUVが人気なのかもしれません。
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そして、すでにメーカー側もセダン=ファミリーカーではなく、法人で使うといったニーズを考慮し、そのように仕向けていっているのかもしれません。セダンはセダンで世相に合わせて確実に進化していますが、お客さまのニーズが多様化し、メルセデス・ベンツの車種もこれだけ増えてきたので、すでにSUVもモデルバリエーションだけでなくグレードも充実しています。
もちろん、安全に移動できないといけないという基本的な理念は、SUVにもしっかり受け継がれています。これはセダンにもSUVにも当てはまる話ですが、クルマの姿勢が常に安定しているメルセデス・ベンツは走ったときにドライバーにスピード感を感じさせません。フロントガラスが大きいとか、車体の剛性が高いとか、さまざまな理由がありますが、メルセデス・ベンツはスピード感が希薄です。ですから、ドライバーが恐怖心を抱くことなく運転できるので、ゆとりが生まれるわけです。それが安全につながっているといえるでしょう。
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なお、メルセデス・ベンツはEクラスが基準なので、SUVもGLEを基準として、ガレージの寸法をチェックしてみたり、使い勝手のよさを考えるといいと思います。GLEは大きいと思うかもしれませんが、ハンドルがよく切れるので、あらゆるシチュエーションで使いやすいです。GLEより、もっとボディが小さいほうがいいのであれば、GLCもラインナップしています。まずは、ご試乗していただきたいですね」

●輸入車の頂点に位置するメルセデス・ベンツ、今後もその地位は守れると思われますか?
IMG_0738O「メルセデス・ベンツは、その歴史を見ても明白なように、安全に関するさまざまなことを考えて進化してきているので、今後も輸入車の頂点としての位置を守れると思います。常に2〜3年後を見据えた商品開発をしていますからね。どの自動車メーカーもそうですが、メルセデス・ベンツにも蓄積してきた膨大なデータがあります。現在、本当はメルセデス・ベンツも自動運転ができるようになっていますが、それを完全に安全なものとしてお客さまに提供できるようになるまでは採用しないわけです。いまはデータを蓄積している段階ですが、今後も独自の優れたデータを蓄積していけば、ずっとこのままトップの座をキープできると思います。
先ほども述べましたが、メルセデス・ベンツ中野サーティファイドカーセンターでは、メルセデス・ベンツの基準であり、最先端の安全技術が搭載されているEクラス/GLEをオススメしています。65歳以上の高齢運転者による衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進等抑制装置が搭載された安全運転サポート車の購入等を補助するサポカー補助金がありますので、こちらに該当する年齢の方はご活用いただいてもいいでしょう」

●本日は、ありがとうございました。
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PROFILE

小木曽 薫 / Kaoru Ogiso
1965年生まれ、東京都出身。日本における外車、輸入車の黎明期を経験しベテラン領域に達するメルセデス・ベンツ販売歴30年の経験を生かした知性派として知られる。現在メルセデス・ベンツメガディーラーである宮園輸入車販売株式会社に於いて認定中古車センター拠点長を務める。