ヤングタイマーのロングタームテスト

「車 市場」が購入したヤングタイマーを 担当スタッフが普段使いして長期リポート。


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前回は、カングー
1では「お馴染み」となっているメカニズムの代表的な弱点を、「サンク」のメカニックがひとつひとつ検証しながら対策していく過程を取材して報告しました。で、車両の購入代金は、その納車整備代と税金などの諸費用をプラスして、合計775810円(消費税込み)だったわけです。4.8kmという少なめの走行距離を考えると、安く上がったと思うのですがいかがでしょう。細かいところまで手が入ったのですから、まぁ、これでしばらくは平穏無事に走ることができます。いや、走れるはずです。で、若干調子に乗った担当者は、ちょっとした装備品を交換するだけで、見た目と実用性が格段に向上するプチ・カスタマイズを実施。今回はそのリポートをお届けします。

最初に行ったのがフロアマットの交換です。
古いマット










この車両に敷かれていた純正のマットは、すでに泥にまみれ、本来はどんな素材で、どんな色だったのかも分からないほど(たぶんクリーム色)、酷い状態でした。そこで、クルマ好きにお馴染みのマット「KARO」に交換。チョイスしたのは、特殊化学繊維をループ織りに仕上げてあるFLAXY(フラクシー)です。「KARO」には、カングー1用のマットが用意されており、もちろん運転席マットにはストッパーも付きます。ご覧のように、マットを交換するだけで室内の雰囲気はガラリと変わります。見事にポンコツ感が消えるのです。我がカングーもご覧のように明るくクリーンな室内に蘇りました。フロアマットはやはり中古車の「いろはのい」ですね。価格は、運転席、助手席、後席×2で、33,200円でした。

マット1














マット2







マットを交換するだけでも室内がパリっとします。


プチ・カスタマイズ:その2は、ステアリングホイールです。

古いハンドル










純正品は、いかにも商用車チックなまったく飾り気のないもの、しかもキズや汚れで、これまた酷い状態でした。

ハンドル










そこで、「サンク」がオリジナルで販売している本革への巻き替えをオーダー。ご覧のような仕上がりになりました。ちなみに、革の色は、上部・下部・サイド、それぞれに
30色以上が用意されていて、担当者は、明るいブラウンとフレンチブルーの組み合わせとし、さらに、トリコロールカラーのワンポイントを付けてみました。装着後、「ヤラカシた!」派手過ぎた! と思っていたのですが、娘たちに印象を聞くと、次女:「いいんじゃない。いつも紺かグレーのスーツで地味なおじさんなんだから、ハンドルくらい明るくても」、三女:「そうそう、クルマくらいお洒落にしないと終わってるからね」とのこと。なんと……、聞かなきゃよかった。まっ、とりあえず、年頃の娘たちが「お洒落なモノ」と認識してくれたということで、こういうカジュアルなステアリングホイールも、カングーだから「あり」かな、と思っている次第です。料金は、工賃込みで28,716円。日本製の革だからでしょうか、すごく安いと思います。


プチ・カスタマイズ:その3は、オーディオです。

カングー1_ステレオ










カングー1には、古典的な、というか、機能も音質もすごく「ショボイ」、これまた商用車チックなオーディオ(ラジオ+CD)が装着されています。長距離移動の多い担当者は、これでは間が持ちません。カングーは、レーシーな排気音を奏でるわけでもないですし……。ということで、「サンク」の店主に相談したところ、「新しいキットを作ったから、第1号車としてやってみる?」との誘いを受け、実施を決断したわけです。そのキットとは、カングー2の純正オーディオに換装するための配線のセット。ただし、本体は自分で仕入れてこなければなりません。担当者は『ヤフオク』にて、11,880円で調達。「サンク」オリジナルの配線キットが16,500円ですから、かかったコストは合計28,380円でした。

ステレオ配線










で、仕上がりはご覧のようになります。カングー
2の純正オーディオを取り付けることで得られるメリットは主に2つあります。まずは、音質が格段に向上すること。少なくとも、近代的なサウンドになります。そして、二つ目が、USBの入力端子が付いていること。いまどき、車内にCDを持ち込むのは少数派、ほとんどの方はスマホで音楽を聴いているはずです。私のようなおじさんだってそうなのですから間違いありません。ゆえに、このUSB端子は非常に便利。ケーブルでスマホにつないでおくと、充電しながら音楽を聴くことができます。さらに、「Bluetooth」も付いていますし、もちろん、ステアリングの裏に付いているサテライトスイッチもそのまま使用することができます。
カングー2_ステレオ







それにしても、カングー1のダッシュパネルはシンプルです。

ただし、取り付けてみると、上部がほんの数ミリですがはみ出してしまうのです。やはり、カングー
2に比べると、カングー1は機能がシンプルなだけに、本体や配線を収めるためのスペースが小さいのでしょう。カングー2のオーディオを突っ込むと少しだけ出っ張ります。でも、上からのぞいて分かるくらいのものです。少なくとも、僕は気にならないのでそのまま使用していますが、余裕ができたら対策を考えたいと思います。


さて、今回のプチ・カスタマイズにかかった金額は、フロアマット33,200円+ステアリングホイール28,716円+オーディオ28,380円、合計:90,296円でした。

室内はご覧のようになりました。決して安いコストではないですが、これで我がカングー1の室内が美しく、さらに実用性も向上したことを考えると、大成功だったのではないでしょうか。なんて、自我自賛している次第です。

 室内










ところで、第2回のリポートで、エンジンのヘッド部分を移植する作業を報告し、前回、それを含めた購入代金などをお知らせしたわけですが、多くの読者や関係者より、「エンジンを丸ごと載せ替えた場合の目安となる料金を教えてほしい」との質問を受けました。そこで、「サンク」の店主に追加取材を行いましたので、その詳細を報告します。

以下、エンジン本体の交換工賃です(価格に本体の購入代金は入っていません)。

・エンジン脱着(中古でエンジン単体がある場合):117,000

・補器類(オルタネーターやパワステポンプ、エアコンコンプレッサー等)脱着18,000

・他の補器類(タイミングベルトやウォーターポンプ)脱着9,000

ドナーとなるエンジンがどの様な状態で来るか、また補器類の状態などによって変わってきますが、工賃だけでも140,000円くらいはかかるわけです。プラス、中古エンジン本体の代金、また、常識的に考えるといくつかの補器類は新調することになりますから、その部品代も合わせ、それなりのコストがかかってしまいます。最低でも、300,000円くらいはみておいたほうがいいのではないでしょうか。
さて、次回は、さっそく関西出張に引っ張りだし、長距離を走っていますので、その報告を行いたいと思っています。果たして、何事もなく東京に戻ってこれたのでしょうか。お楽しみに!
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前回のリポートでは、エンジントラブルにより不動車となっていたカングー
1に、仕入れてきた中古エンジンからヘッド部分を移植して復活させるまでの2日間にわたるメカニックの作業に密着、その詳細をお届けしました。18時間以上にもおよぶ移植手術となりましたが、我がカングー1の心臓部はリフレッシュして見事に蘇ったわけです。果たして、2004年式、走行4.8kmのカングー1は、都市部の渋滞の中を這い回り、さらに長距離の移動も多い担当者の過酷な普段使いに耐えられるのか。ただし、元気に走るためには、まだやることが残されています。若干のコストはかかってしまいますが、それはカングー1に発生する「お約束の不具合」に対処する納車整備の実施。第3回のリポートは「納車整備編」となります。
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手前がたまたま点検に入っていたデカングー、奥が長期テスト車の子カングー。

今回の作業も、移植作業を慣れた手つきで行ってくれたメカニックの「伊藤さん」が担当してくれました。まずは、「主治医」となる彼がクルマの状態を検証して、部品交換などの作業メニューを作成。そのメニューに沿って、納車整備は粛々と進行することになります。

最初にとりかかったのは、お約束「その1」となるオルタネーターのプーリー交換。この部品は経年劣化で硬化して必ず割れるので対策品に交換します。

お約束「その2」は、カングー1に採用されているリアのドラムブレーキです。内部に装着されているホイールシリンダーが固着により漏れて効きが甘くなっています。ホイールシリンダーを交換してドラム内部をクリーニングします。

ホイールシリンダー1










お約束「その3」、パワステのプレッシャースイッチ。パワステの付いたクルマは、ハンドルをきると負荷がかかりエンジン回転が落ちますので、それを補助しエンジン回転を安定させる役目のパーツです。カングー1は年数が経つとプレッシャースイッチからオイル漏れが起こることがあります。交換です。

パワステプレッシャースイッチ







これがパワステプレッシャースイッチ。
マフラーフリゴム











お約束「その4」、見事に割れていたマフラーを固定する吊りゴム。交換です。


お約束「その5」、TDCセンサーをチェックします。このパーツは、点火タイミングの基準となる1番シリンダーの位置を把握して、すべてのプラグに点火指示を出すのが役目。カングー1はこのTDCセンサーの接触不良により、不整脈、またはエンジンを始動できなくなるケースが多発しています。この車両は接点をしっかりハンダ付けし対策を施してありましたのでOKです。ちなみに、TDCセンサーは対策品も販売されていますが、交換の必要はないと判断しました。

TDCセンサー










お約束「その
6」、スラッジが溜まりフラップの閉じが甘くなっていたスロットルボディをクリーニング。

スロットルボディ











そして、最後に残った修理が、お約束「その7」、シートベルト警告灯です。このカングー1もやはり点灯しません。どうやら年式により不具合が起きるようです。走行に支障はないのですが、ご存知の通りこのままでは車検が通りません。バルブ交換で簡単に直ったのは大昔のクルマ。カングー11.6は、非常に小さいLEDがハンダ付けされている構造で、点かなくなると、なんとパネルのアッセンブリー交換になってしまうのです。シートベルトの警告灯が点かないだけでインパネを丸ごと交換!? ありえません。そこで、センサーからの配線を引き直し、新たにインジケーターを増設します。仕上がりはご覧のようになりました。ちょっと違和感はありますが、まっ、気になるレベルではありません。

シートベルト












シートベルト2










あとは、バッテリー、エアエレメント、ワイパーブレード、エンジンオイルなどを交換します。で、納車整備にかかった費用は、合計
86400円。この金額は、走行10km以上、もしくは初度登録から10年以上経っている車両に対して、「サンク」が設定しているメンテナンスのセットメニュー額で、「松・竹・梅」でいうと、最も高額な「松コース」となります。でも、このあたりの部品交換・整備代をケチると、カングー1は後々ひどい目にあうことになりますので、万全を期して行ったわけです。それにしてもメカニックの伊藤さんはカングー1のメンテナンスに慣れています。すべての作業を2時間ほどで完了させました。これぞ、経験豊富なスペシャリストの技です。

 

購入代金は、納車整備+諸経費込みで775810

 

さて、このカングー11.6AT)の購入代金は、車両本体価格が59万円、それに諸費用や納車整備費用などをプラスして、合計775810円(消費税込み)でした。エンジンのヘッド部分を中古品に換装し、補器類などを新品に交換する大きな作業を行ったわけですから、それがインクルードされていることを考えれば納得できる金額です。これで壊れずに走ってくれれば、安い買い物だと言えるでしょう。

ところで、気付いたことがあります。ご存知のとおり、カングーは基本的に商用車です。だから、部品のひとつひとつがとても安価なのです。普通のお父さんのお小遣いでなんとかなります。「お約束」のパーツを交換し、自分なりに仕上げながら、通勤や仕事に、またファミリーカーとして使うヤングタイマーとして、ちょうど良い存在なのかもしれません。大衆車なのに不思議な世界観を持っていますから、所有する喜びも味わえます。

ところで、トランスミッションの「AL4」は大丈夫でしょうか。走行を重ねるとどうなるか? 逆に楽しみのひとつでもあります。

ということで、いよいよ、2004年式・走行48,114kmの「ルノー カングー11.6」がスタッフカーに加わることになりました。弊社には、走行17kmを誇る「ランチア イプシロン」という大先輩が君臨していますので、まだまだ「ひよっこ」ですが、負けずに、どんどん走行距離を伸ばしていきたいと思います。

長文となってしまいましたので、ステアリングホイールやフロアマットなどを交換したプチ・カスタマイズの話は次回のリポートに送ることといたします。お楽しみに!

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前回のリポートは、カングー
1との出逢い、また不動の理由となっているメカニズムの状況などを中心にお届けしました。今回は、復活までの作業を密着取材したいと思います。

修理する前から長期テスト車として導入することを決めたこのカングー11.6。担当者としては直してもらわなくてはこまるわけです。搭載しているエンジンは、タイミングベルト周辺部品の破損によりコマ飛びをおこし、バルブタイミングがくるって、吸排気バルブとピストンが接触してしまった個体。ご存知のとおり、このような状況になると再始動は不可能です。応急処置なんてものもありません。

で、復活させるための大手術に執刀してくれたのは、フランス車専門ショップ「サンク」のメカニック「伊藤 武」さんです。この道20年以上のベテランが、頼れる「主治医」となってくれたわけです。

同氏との手術前の打ち合わせで、僕が出した条件は「このカングーをできるだけ安く買いたい」、それだけでした。そして彼は、中古エンジンからヘッド部分を移植する方法を選択します。果たして、その大手術はAM10:00開始となりました。


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1.一見、重大トラブルを感じさせないエンジンルームですが、すでにエンジンは息絶えています。


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2.
この小さなプーリー(テンショナー)の不具合がエンジンをダメにした元凶です。経年劣化によるベアリングの不具合に、これまた経年劣化したカバーが耐え切れなくなって部品の一部が割れたわけです。で、その欠片が可動しているタイミングベルトに挟まり、こま飛び、最終的にはすべてのバルブの息の根を止めたというわけです。まさしく負の連鎖。

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3.
イグニッションコイル、インテークマニホールド、ヘッドカバーを外します。


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4.
左側が吸気バルブ、右側が排気バルブ。真ん中は点火プラグです。


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5.
カングー11.6DOHCですから吸気・排気バルブは、1気筒(シリンダー)あたり2本ずつあります。4本×4気筒ですから16バルブです。ススが付いて黒くなっている吸気バルブをご覧ください。8本ともシリンダーとの接触により軸が曲がり、完全に閉じることができなくなった状態です。前述した小さな部品の破損が連鎖して、このようなかたちで瞬時に心臓部の息の根を止めてしまう重大トラブルにつながるわけです。やはりタイミングベルトって怖いですね。

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6.
ドナーとなるエンジン(走行約5万km)のヘッド部分を徹底クリーニングします。バルブなどに付着しているススを取り除き、ガスケットはすべて新品と交換。地道な作業が続きます。


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7.
お約束でウォーターポンプも交換。

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8.
取付部位を徹底クリーニングした本体側と、オーバーホールに近い作業を行ったドナーのヘッド部分を合体します。ヘッドボルト、オイルタペット、カムシャフト、タイミングベルト、ヘッドカバー、ブローバイガスチャンバーをクリーニングして取付けます。

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PM11:00、この日の作業終了。

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9.
翌朝、AM9:30、作業開始。

カムプーリーを取り付け、新品に交換したタイミングベルトをマーキングして基準の張りに調整していきます。さらに、インテークマニホールド、電装系の配線、スロットルボディ、ファンベルトを取り付け、いよいよ仕上げに入ります。

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10.PM13:30見事に一発始動!ついにエンジンに火が入りました。


エンジン・ヘッドの交換作業に要した時間は、細かい調整作業まで含めると約18時間。まさに、大手術といえるでしょう。この作業を、黙々と確実に進めたベテラン・メカニックの伊藤さんに尋ねると、「ウチはなるべく低コストで、より多くの人にちょっと古いフランス車を楽しんでいただきたいので、今回のような大がかりな作業も、自社の工場で行っています。だから、慣れているんですよ。でも、もう普通のショップさんではやらないかもしれませんね。儲からないですから」と笑う。大掛かりな修理は外注が主流の昨今、クルマ選びはショップ選びから、やはり、いつの時代もこれがクルマ好きの「いろはのい」なのだと思います。
次回は、先送りになっていた購入代金の話と、納車整備、さらにプチ・カスタマイズまで一気にお伝えします。お楽しみに!


 




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そのカングー
1と出会ったのは、たまたま立ち寄ったルノー専門ショップ「サンク」のストックヤードでした。ピカピカに輝く新旧のカングーやルーテシア、メガーヌがぎっしり入っているストックヤードの、奥の一番隅っこに、黄砂と花粉にまみれて佇んでいたブルーのカングー1。「これ動くの?」と尋ねると、旧知の店主は「エンジンのヘッドがダメだから動かない。でも動くようになるよ」と答える。そして、「売るとしたらいくら?」と尋ねてみると「う〜ん、どうしよう……」ときた。観察してみると、ボディの塗装は生きているし、室内もけっこうきれい。で、走行距離は48,114km。ムムム……、これはイケる! それはクルマ好きの感でした。

長期リポート車の増強にあたり、安く買えて、クルマ好きが楽しめるエンスー度の高いクルマを探していた担当者は、「修理しようよ。買うから」とリーチをかけたわけだ。

このルノー・カングーは、20041月登録ですから、いわゆる「カングー11.6」と呼ばれているモデル。ちなみに、このインテンス・ブルーというボディカラーは、当時の日本で2番目に売れたボディカラーだとか。トップはダントツで、レモン・イエローでした。

さて、カングー1は、20038月に実施されたマイナーチェンジで、エンジンを1.4リッター直4から95ps15.1kgmのパワーとトルクを発揮する1.6リッター直4DOHCに換装しています。このクルマはAT仕様ですから、4ATAL4)を介して前輪を駆動します。カングー11.6の「1」は、2009年に登場した現行型と区別するため(現行型はカングー2)、また「1.6」は、1.4リッターエンジンを積んでいた初期型と区別するため業界関係者が呼ぶ愛称なわけです。いっぽうで、フリークたちは、現行型をデカングー、先代型を小カングーと呼ぶようです。

また、2006年にもマイナーチェンジが実施され、メタリック色はフルカラードバンパーになり、フロントのアームレスト、シートバックテーブル、チャイルドミラー、オンボードコンピュータなどが装着されました。でも、基本的な部分はまったく変わっていません。

ところで、このカングー1のエンジントラブルですが、走行中にタイミングベルトのプーリーカバーが割れて、そのプラスチックの欠片がタイミングベルトに挟まり、バルブタイミングにくるいが生じるいわゆるコマ飛びという現象が起きてしまったようです。吸排気のバルブとピストンが当たってしまったわけですから、エンジンはそこで万事休す。こういうトラブルが走行僅か4.8kmで起きる。だから、「カングー1はリスキーなクルマ」という悪評がたつわけですな。店主に予防法や対策法を訊いたところ、「エンジンは、走行距離ではなく23年くらいを目安に必ず点検を行うこと。タイミングベルト周辺は要注意ですよ」と答えてくれました。特に、渋滞が多く、ストップアンドゴーを繰り返す都市部のクルマは早めの点検とパーツ交換を心掛けたほうがいいようです。

世界に誇るメイド・イン・ジャパンの偉大な商用車「ハイエース」みたいなタフさと耐久性はないけれど、カングーも基本的にはフランスを代表する商用車。定期点検さえ怠らなければ、走行15kmを超えても普通に走れると言います。

さて、このエンジンを、低コストを条件にどのような方法で復活させたのか。ルノー・カングー1の長期テストはその作業のリポートから幕を開けます。次回は、サンク・メカニックによる工場での作業と、「懸案事項」になっていた購入代金の話をお届けします。


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担当者の使命はポンコツ・カングー1をバリモノに変身させること。











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ここ数年の間に、大排気量エンジンを搭載し、ハイパワーで高価なクルマが偉いという
従来からある序列や固定概念が意味をなさなくなった。言わば価値観のリセットが進ん
だといえ、そのような流れの中で本当に『自分に似合うクルマ』を求める人が多くなっ
たといっていい。 

メイクやファッションや髪型などと同じように、クルマも“その人に似合うモノ”は
それぞれだといえるが、「車 市場」では幅広い層にヤングタイマー=若い自動車愛好家
が気軽に買うことができる安価なネオクラシックカー(初度登録から15〜30年ほど経過
しているクルマで、一番旧いモノで80年代後半に発売された国内外の車両といったイメ
ージ)の購入に関しても声高に推奨したいと思う。

当サイトのスタッフによるロングタームテストで明確に打ち出したいテーマは、下記の
ふたつだ。ひとつは、ヤングタイマーを安く手に入れ、各部をリセットして乗ると楽し
いということ。もうひとつは、安価なヤングタイマーをゲットし、イジって乗ると楽し
いということである。

前者では、いまでも人気がある初代ルノー・カングーの不動車(後期型で、内外装こそ
キレイだがエンジンが壊れている)を専門店で見つけ、それを購入し、直して乗るのが
オススメという話を一年間にわたって展開していく。後者では、シトロエン C2 1.6VTR
を購入し、どこをどうイジると楽しいのかをショップと相談しながら決め、それを実践
していく過程を一年間にわたってお伝えしていく(同時に旧いクルマは内外装をキレイ
にして乗ろう!ということも提案)

今回実際にスタッフが購入したカングーとC2は、2台とも車両価格が数十万円だ。
ということで、100万円ちょっとの予算があれば各部の初期化および修理やドレスアップ
/モディファイを楽しめるのである。
そして、シトロエン C2 1.6VTRのほうは、金利が低い信用金庫のローン
(変動金利:年2.80%/諸条件を満たすと年2.60%になる)で購入したので、当座の軍
資金が少なくても気軽に『自分に似合うクルマ』をゲットできることを併せて提案する。
 
一般的にクルマ屋(ディーラーを除く)のローンは金利が高く、銀行からお金を借りる
のも大変というイメージがあるが、信用金庫のローンは非常に簡単な手続きをするだけ
で自動車の購入資金を借りることができる。
 
またマイカーローンを組んでも信用金庫側に所有権が付くことがないので、完済するま
での間にクルマを売ることができる点もメリットだ。信用金庫のローンは、パーツ・オ
プションの購入、取り付け、車検、修理、自動車保険、車庫設置、免許取得などにも使
えるので、どんどん活用してみることをオススメする。

                               車 市場 名車館 
                               編集長 高桑秀典







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