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前回のリポートでは、エンジントラブルにより不動車となっていたカングー
1に、仕入れてきた中古エンジンからヘッド部分を移植して復活させるまでの2日間にわたるメカニックの作業に密着、その詳細をお届けしました。18時間以上にもおよぶ移植手術となりましたが、我がカングー1の心臓部はリフレッシュして見事に蘇ったわけです。果たして、2004年式、走行4.8kmのカングー1は、都市部の渋滞の中を這い回り、さらに長距離の移動も多い担当者の過酷な普段使いに耐えられるのか。ただし、元気に走るためには、まだやることが残されています。若干のコストはかかってしまいますが、それはカングー1に発生する「お約束の不具合」に対処する納車整備の実施。第3回のリポートは「納車整備編」となります。
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手前がたまたま点検に入っていたデカングー、奥が長期テスト車の子カングー。

今回の作業も、移植作業を慣れた手つきで行ってくれたメカニックの「伊藤さん」が担当してくれました。まずは、「主治医」となる彼がクルマの状態を検証して、部品交換などの作業メニューを作成。そのメニューに沿って、納車整備は粛々と進行することになります。

最初にとりかかったのは、お約束「その1」となるオルタネーターのプーリー交換。この部品は経年劣化で硬化して必ず割れるので対策品に交換します。

お約束「その2」は、カングー1に採用されているリアのドラムブレーキです。内部に装着されているホイールシリンダーが固着により漏れて効きが甘くなっています。ホイールシリンダーを交換してドラム内部をクリーニングします。

ホイールシリンダー1










お約束「その3」、パワステのプレッシャースイッチ。パワステの付いたクルマは、ハンドルをきると負荷がかかりエンジン回転が落ちますので、それを補助しエンジン回転を安定させる役目のパーツです。カングー1は年数が経つとプレッシャースイッチからオイル漏れが起こることがあります。交換です。

パワステプレッシャースイッチ







これがパワステプレッシャースイッチ。
マフラーフリゴム











お約束「その4」、見事に割れていたマフラーを固定する吊りゴム。交換です。


お約束「その5」、TDCセンサーをチェックします。このパーツは、点火タイミングの基準となる1番シリンダーの位置を把握して、すべてのプラグに点火指示を出すのが役目。カングー1はこのTDCセンサーの接触不良により、不整脈、またはエンジンを始動できなくなるケースが多発しています。この車両は接点をしっかりハンダ付けし対策を施してありましたのでOKです。ちなみに、TDCセンサーは対策品も販売されていますが、交換の必要はないと判断しました。

TDCセンサー










お約束「その
6」、スラッジが溜まりフラップの閉じが甘くなっていたスロットルボディをクリーニング。

スロットルボディ











そして、最後に残った修理が、お約束「その7」、シートベルト警告灯です。このカングー1もやはり点灯しません。どうやら年式により不具合が起きるようです。走行に支障はないのですが、ご存知の通りこのままでは車検が通りません。バルブ交換で簡単に直ったのは大昔のクルマ。カングー11.6は、非常に小さいLEDがハンダ付けされている構造で、点かなくなると、なんとパネルのアッセンブリー交換になってしまうのです。シートベルトの警告灯が点かないだけでインパネを丸ごと交換!? ありえません。そこで、センサーからの配線を引き直し、新たにインジケーターを増設します。仕上がりはご覧のようになりました。ちょっと違和感はありますが、まっ、気になるレベルではありません。

シートベルト












シートベルト2










あとは、バッテリー、エアエレメント、ワイパーブレード、エンジンオイルなどを交換します。で、納車整備にかかった費用は、合計
86400円。この金額は、走行10km以上、もしくは初度登録から10年以上経っている車両に対して、「サンク」が設定しているメンテナンスのセットメニュー額で、「松・竹・梅」でいうと、最も高額な「松コース」となります。でも、このあたりの部品交換・整備代をケチると、カングー1は後々ひどい目にあうことになりますので、万全を期して行ったわけです。それにしてもメカニックの伊藤さんはカングー1のメンテナンスに慣れています。すべての作業を2時間ほどで完了させました。これぞ、経験豊富なスペシャリストの技です。

 

購入代金は、納車整備+諸経費込みで775810

 

さて、このカングー11.6AT)の購入代金は、車両本体価格が59万円、それに諸費用や納車整備費用などをプラスして、合計775810円(消費税込み)でした。エンジンのヘッド部分を中古品に換装し、補器類などを新品に交換する大きな作業を行ったわけですから、それがインクルードされていることを考えれば納得できる金額です。これで壊れずに走ってくれれば、安い買い物だと言えるでしょう。

ところで、気付いたことがあります。ご存知のとおり、カングーは基本的に商用車です。だから、部品のひとつひとつがとても安価なのです。普通のお父さんのお小遣いでなんとかなります。「お約束」のパーツを交換し、自分なりに仕上げながら、通勤や仕事に、またファミリーカーとして使うヤングタイマーとして、ちょうど良い存在なのかもしれません。大衆車なのに不思議な世界観を持っていますから、所有する喜びも味わえます。

ところで、トランスミッションの「AL4」は大丈夫でしょうか。走行を重ねるとどうなるか? 逆に楽しみのひとつでもあります。

ということで、いよいよ、2004年式・走行48,114kmの「ルノー カングー11.6」がスタッフカーに加わることになりました。弊社には、走行17kmを誇る「ランチア イプシロン」という大先輩が君臨していますので、まだまだ「ひよっこ」ですが、負けずに、どんどん走行距離を伸ばしていきたいと思います。

長文となってしまいましたので、ステアリングホイールやフロアマットなどを交換したプチ・カスタマイズの話は次回のリポートに送ることといたします。お楽しみに!

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