2005年07月10日

銀行のアパートローン専門センター開設

  三井住友銀行はアパートローン専門のセンターを新宿に開設するそうだ(日本経済新聞記事)。大手銀行では初めての試みだ。
 これまで、各銀行では支店窓口とは別に住宅ローンセンターを多く設置し、専門性と事務手続きの迅速さをアピールすることによって、個人や不動産会社の利便性向上を図ってきた。(このローンセンターには、私もいろいろとお世話になっている)
 今回は、不動産会社と情報を交換し、アパートや賃貸マンションの新築あるいは建て替えなどで、資金借り入れを検討している顧客の紹介を受けるそうで、そのアパートローン版専門センターといえよう。
 
 われわれ業者としては、利便性が増すということからすれば歓迎する。
 しかし、バブル経済崩壊後、銀行のアパートローンに対する姿勢はきわめて消極的であった。
 
 


 確かに担保評価は下がり、担価割れ状態、家賃下落や入居率の低下によるキャッシュフローの悪化、給与やその他収入の減少、建物老朽化に伴う維持管理費の増加とメンテナンス不良、取引事例比較法に基づく不動産価格評価手法を重視するあまり、地価上昇に歯止めをかける価格基準がなかった、これらのことが相乗的に重なり合い、不良債権化していったという、痛手を負っていたので致し方ないことかもしれない。
 しかし、バブル期の銀行の融資姿勢は、右肩上がりの「土地神話」と担保主義の健在、収益性重視=貸出残高競争の激化、キャピタルゲイン狙いを前提とする甘いシミュレーションに基づく事業計画などをもとに審査していたので、土地神話の崩壊によって、すべての目論見が狂ってしまったといえよう。

 しかし、銀行も不動産会社も大きな授業料を払い、不良債権処理、地価下落の沈静化、インカムゲインを前提とした事業計画の立案、不動産価格評価手法としてのDCF法の浸透などを背景に、アパートローンに対して積極姿勢に転じたのだろう。

 たしかに、ここ数年銀行は、企業に対する融資残高の減少、住宅ローンの競争激化などから、銀行収益を確保するために、よりリスクの高い個人向け無担保カードローンや中小企業向けローンなどを積極的に取り組んできた。
 そうしたなか、不動産賃貸事業向けのアパートローンもかなり積極的に取り組んでくるようになってきたのも事実だ。しかし、アパートローンは、個別の審査を必要とするため、住宅ローンのように一定の審査基準を設けて、それに満たしていれば自動的にOKとなりにくい側面もある。その分、銀行にとって、それなりの審査スキルや不動産に関する専門知識が要求されるため、支店の融資担当者では荷が重い部分があるのも事実である。

 そうした背景があって、今回三井住友銀行では専門センターを開設することになったのだろう。今後は大阪、名古屋にも拡大させる計画ようで、他の銀行も追随する可能性はあると思われる。

u_property at 18:24│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!不動産投資 

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