2005年02月26日

第3回打ち合わせ[建築家とついに契約!]

 

今日は3週連続土曜日の第3回目建築打ち合わせ。

先週と同じく14:00にツツイ事務所(正式名称:筒井紀博空間工房)へ向かう。

 

今日のイチバンの山場は、

「建築設計・監理業務委託契約」。

要するにわれわれ施主は建築家ツツイ氏に家の設計

および建築現場の総監督をおねがいします、という内容。

 

・・・なんだけど、この契約書・・・長い・・・全部で20ページくらいあり、

これを読み合わせた。ツツイさんが条文を読みながら、

われわれにわかるように説明してくれる。

 

最初は、“ンー、なるほど例えばこんなこともあるんですねぇ”、

なんて想定されるあらゆる条件にうなづいていたが、

内容の3分の1も読み合わせおわったころ、

そろそろわれわれの条文キャパシティはイッパイイッパイに。。。

 

(「大体こんな感じで、あとは家で読んでおきます・・・」とおもわず

小声でいいだしそうになる衝動をこらえ・・ちらり横に視線を送ると、

Oちゃんのまぶたもショボついている。

(・・・いやいや、これは家を建てるという一大事・・・!

条文も読み合わせも儀式なんだっ・・・施主!がんばるんだ・・・)

と押し寄せてきた頭のヨドミをむりやり押し返し、また読み合わせ。)

 

そして最後まで読了!

ツツイさん、最後までわかりやすく説明してくださってありがとうございました。

この修行のおかげで、施主としての徳もなんだかあがった気が致します!?

(いや、本当に大事なんです、契約というものは・・・)

 

その後、打ち合わせ

本日の打ち合わせ内容は、

・住宅のネーミングについて
 (プロジェクト名)
・修正プランについて
・門について
・各収納について
・仕上げについて(床・壁・天井)
・ユニットバス・トイレについて
・照明について
・キッチンについて


一番初めに書いてある住宅のネーミングについては、一番最後に検討をした。

ツツイ氏:「やはり四合院の門をモチーフにしたから、中国のニュアンスを

      何かいれたいですよね。」

Oちゃん:「中華の「華」に「門」で「華門(はなもん)」なんてどうでしょう?」

ツツイ氏:「その音いいですねぇ、はなもん、ちょっとかわいらしい!」

わたし  :「では『華門のある家』?ちょっと長いですねぇ。」

 

なんて国語辞典、とりだしてやっていたのだが、結局最終候補はみつからず、

この日は自宅に帰ることとなった。

 

帰宅後わたしは早速ネットで「シソーラス類語」をひく。

「家」といれると・・・たくさん出てくる。「寓居」これいいんじゃないだろうか?

「華門寓居」なかなかよい・・・しかし中国語にすると音がイマイチ。

そして寓居は何となく「仮住まい」のような印象があるのもしっくりこない所だ。

 

(私が北京で一時期住んでいた大学の寮も「新松公"寓″」という名前だった。

 

やっぱり「寓居」却下。

そしたら、何にすればいいだろう・・・。

 

やはり仮住まいではなくて、本住まい、ゆったりできる、楽しい我が家!

た、たのしい・・・コレダ!!!

 

『華門楽家』!!!

 

楽は「楽しい家」のほかに「音楽のある家」と読める。

ツツイ氏にもさっそく報告!いいですね、と返信をもらう。

 

やった!これでプロジェクト開始だ!!!
  

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2005年02月19日

第2回打ち合わせ[構造の強度]



重量鉄骨

 

本日は第2回目のツツイ事務所打ち合わせ。

今回は建物の強度についてお話をきくために、

構造家の小倉さんにもご参加いただく。

 

 [↑H鋼という重量鉄骨↑]

そうそう、前回の第1回打ち合わせの内容を、すっかり興奮して忘れていたけれど、

思い出しました。そう、最終選択肢に残っていたセキスイハイムとの協業の可能性

をツツイ氏とセキスイハイムのK氏に打ち合わせしてもらい、探ってもらったのです。

 

セキスイハイムの優れた点はユニット工法で、事前に工場でボックス単位で構造体を

作っておいて、現場に持ってきたときには、一日で躯体を組上げてしまうというものです。

その工法をもってすれば、4月に着工したとしても7月には入居できる、とのことでした。

そして耐震性、対候性についても事前のプレゼンでよい印象をもっていました。

 

専門家の打ち合わせの結果、今回はやはり技術的な問題で、この協業は難しいと

いうことがわかりました。ユニット工法は規定の大きさのユニットを工場でつくるため

一定の品質と、工期を実現できるのがメリットです。しかし一方、その分対応できる

デザイン、構造には制限がでてきます。これは当然のことです。

しかし、検討をして頂けたことで、何よりも私たち夫婦は納得することができました。

 

そこで、本日の第2回打ち合わせです。

今回の主な打ち合わせ事項は、

 

・構造、小倉氏の顔合わせ、兼、構造見解について
・断熱、設備について
・融資について
・近隣挨拶について
・プラン修正について
・今後の流れ
  
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2005年02月11日

第1回打ち合わせ[顔合わせ!]

今日はプランを受け取ってから初めての打ち合わせ。

今後、最少でも2社を訪問することになるだろう。

それがネットハウスコンペの基本的な掟(オキテ)だ。

 

午前中ハウスメーカーのセキスイハイムに寄って、

夕方から、ツツイ事務所を訪問することになった。

(この時点ではセキスイハイムがOちゃんの希望で最終候補として残っていた)

 

セキスイハイムのK氏と何度目かの打ち合わせを行い、ついに最終的な見積もりをもらう。

ん〜、ぎりぎり手が届かない範囲ではない・・・のか?

しかし、わたしはもうコンペ作品に完全にココロが向いている。

  

K氏にしてみたら、今までのハウスメーカープレゼンの中で、ダントツ残ってきた実績がある。

そして自社の製品にも自信を持っている。(K氏自身も建築士の免許をもっている研究職

出身である)ここで、仕事をとれないはずはない・・・!くらいの意気込みだったと思う。

実際、K氏は話をしていても信頼のおける、実質のあるタイプの人だったし、私たちは二人

とも彼自身にはおおいに好感を抱いていた。)

 

それを、「この数ヶ月話をしてきた御社よりも、まだお会いしたことはありませんが、

直感でガキィーンときたこちらの建築家さんに決めたいです。ありうるとしたら、御社の

技術でこの建築家さんのプランを建築してもらうという協業パターンくらいでしょうか。」

・・・なんて言われたら、たぶんK氏も仕事とは言え、プライドの問題もあったことでしょう。

 

案の定、数日後、自社の建築のいかに優れているか、また私たちが建築家の作品の

独創性にばかりにとらわれていないか、もう一度再考してほしいと綿綿とつづられた

手紙がポストに投函されていた。

・・・わかるけど・・・・・・これにはちょっとギョッとしてしまった。。。

それはともかく、このK氏もわたしたちの建築奮闘記の中では忘れられない登場人物の

一人となったことは確かだ。

Kさん、本当にありがとうございました。たくさんの事教えていただきました。

 

さて、夕方19:30〜ツツイ事務所に向かう。

この日はあいにく?の雪だった。

普段はボディも屋根もレーシンググリーンの愛車MINItartan(名前は帯一[タイチ]号)

ルーフが今日は真っ白になっている。

「クーパーになったぁ!」なんていいながら、ボンネットに雪で二本線をつけようとする私。

(そうする間も、モクモクと屋根の雪を下ろすOちゃん。性格の違いか・・・)

 

「車、きれいにしなくちゃね。ツツイさん、見にくるかもしれないよ!」といいながら、

(でも、夜だし・・・そんなに見えないか・・・)とそのまま出発する。

 

(なんといっても、ツツイ氏は元MINI乗りなのだ![今はアルフィスタだそうです]

しかもおなじ95年式。しかも同じDINKS。しかも自宅は三鷹付近。

“しかも”尽くしで、思わず勝手に「運命では!?」とか思ってしまう[プラス思考])

 

道中、ツツイさんってどんな人だろうねぇ〜と、話をする。

「今日はあなたが話の主導権もってよ」といわれ、ちょっとドキドキする。

うーん、どんなお方なんでしょう。

あんな繊細で素敵なslowhouseを作ってしまうヒトですよ。ゲージツ家ですよ,ゲージツ家。

しかし雑誌で拝見した感じだと、しかめ面でガッツ感あるイメージだったが、、、う〜ん!?

わたしがひとりでウンウンいっている。

 

いざ、事務所について・・・「こ、ここか!!」

駅からちかいステキな角地にある。すぐ下はなにかバーみたいなところ。

わたしがあこがれている、翻訳家の納村さんの四谷の事務所にちょっと似ている。

 

(納村さんの事務所は3人か4人でシェアされているのだが、一階の入り口を入ると、

今まであがったことがないくらい、超〜急勾配な階段があり、その横には今にもくずれ

そうな本たちがうず高く積まれている。どことなく「トキワ荘」チック・・・ツツイ氏の事務所

はそれとはまた違うが、とてもいい雰囲気です。)

 

ドアをツゥーっと開けると、、、(あっ写真で見た人と違う!)

黒い服のケンチク家ツツイ氏がにこやかにそこに立っていたのでした。

 

その日打ち合わせしたことは、エート・・・なんだったっけ。。。

やはりほとんどOちゃんが話の主導権をとってくれたような気がするのですが、

わたしは興奮してたくさんしゃべった記憶だけで詳細はよく覚えていないのでした。
  
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2005年02月10日

ネットでハウスコンペ[ついにプラン提出日!]

四合門


 


バイク便の音が徐々に近づいてくる・・・
今、配達員が降りた・・・足音が近づく・・・来た!










 [写真:北京四合院の門]



その日・・・一番最初に手にとった作品は。
今まで見たことがない大きなファイルに入っていた。

受け取り印を押す手ももどかしく、
ようやく茶色の厚紙に包まれたそれを手にする。

とるものとりあえず、厚紙をもいだ。
その中からのぞいた文字・・・

                『門のある家』


・・・どくン、どくン・・・鼓動が早まり、急速に興奮していくのを自分でも感じる・・・

門---今回わたしは生活に必要な設備の要望の他に、

    ある個人的な思い入れをお願いをしていた。

    できれば、「北京四合院(*後述)にある『門』を現代風に

    アレンジして取り込んでほしい」と。

 


その作品タイトルから少し上に目を移すと、

背景には四合院の写真がセピア色にして映しこんである。

間違いなく、あの「門」だ。。。

 

企画書の表紙、薄紙を開け、いよいよ・・・!と頁をめくると、

「計画分析」と「コンセプト」が書かれていた。

 

はやる気持ちを抑えて、じっとそれを読むすすむ。

(わたしは本でも説明書でも「前書き」を読むのが好き。前書きには筆者の意気込み、

思いのたけが詰め込まれている。あとがきは結構、みなさま有難うございました的な

筆者もほっとしたであろう要素が強い。)

 

その中の、ある一文が目を引いた。

「多数の門の要素をもった仕掛けを設ける。

それらを通り過ぎる度にプライバシーが高まる空間構成となる」

ちょっとクラっときた。

 

この人、四合院勉強してきてる・・・と一瞬にして感じた。

そう、四合院における門とは、まさにプライバシーの入り口。

そして、さらに「門」とは、空間の次元を分けるもので、国によっては

“魔的”ともいっていいほどの強い要素を担っている。

 

そしていよいよ、意を決して、2ページ目!

・・・間取り図・・・ときたか。うーむなるほど、間取りの希望はOK。。。

!?あ、あれ、そこに入り口くるのーーー!そ、そして、そこに中庭ーーーー!!!

驚きはまだまだつづく。

 

3ページ目。

ついに外観図!!

 

「ううううううーーーわわわわわーーーああああああああーーーーー!!!!!」

 

そのまま電話のところに走りより、目をカッ開いたままOちゃんの携帯を鳴らす−−−。

留守電だが、かまわない。

 

「おおおおおおお、Oちゃぁああああああーーーーー!!

す、す、す、す、す、ごいのがきたっ。すごいのがきちゃったよぉぉぉぉーー。

どうしたらいいんだぁぁー感動だよぅーー。

あ、あ、あのね、門がね、も、も、も・・・▲×@&●*¥+□〜〜〜!!!

と、とにかくいますぐココにきてほしいっ。ガチャッ!・・・ツーツー・・・」

 


あとから「なんだか分からなかったけど、すごかったらしいね」とOちゃんからの

電話があった。わからなかったが、この感動は実況中継できたようだ。

 

電話を切った後も、興奮は冷めやらず。

「すごい・・・わ、コレ。」:30回は間違いなく言った。

「きちゃったよ・・・コレ。」:同じく30回は言った。

「はぁーーーーーーーアイヨ〜・・・」:その後2日間ずっとこのタメイキ。。。

 

 

・・・・・こんなに、こんなに、、、人をしあわせにしてしまう

                 プレゼンテーションってありますか・・・・・・?

 

持って寝ました

 

小さい頃から、わたしは気に入ったものがあると、どんなに大きいものでも

「持って寝る」ことにしている。

 

(後日談:ちなみに、翌日、もう1件「すげぇ!」を連発してしまう作品がとどき、

このコンペのクオリティの高さと仕事の緻密さに脱帽。この人の仕事は完璧だろうな、

と思わせる、ものすごい出来のモックアップでした。

こちらも・・・持って寝てしまいました・・・(白状))

 

その作品以外の7作品も、どれもううう〜〜〜ん!!!!!と力作、はっ・・・とするような

驚きの塊でした。全ての作品を大切に宝物として保管し続けたいと思います。

質疑応答の掲示板の参加いただいたそれぞれ建築家とのやり取りも全て。)

 

しかし、出会ってしまった

これは、もう出会ってしまった。

その後3日間、ほとんどすべての時間を投入してコンペ作品を綿密に検討し

最終的にはマトリックスにもしてみたが、やはりキテしまった。

 

作品を通して“すべての波長が「ガキィーン」”と合ってしまった!というのが

正しいかもしれない。(しかもこちらから一方的に(笑)!)

 

3日後、第一回目の訪問に行った。

 

これが、これからお世話になる 筒井紀博空間工房 である。。。

 

(*四合院とは)

 

 

四合院というのは北京地方の標準的住宅の建て方である。

四角の中庭を囲んで北側に南向きの母屋があり、東側に西向きの、

西側に東向きのそして南に北向きの建物があり四合院を形成している。

筑波大の 藤川研究所 都市ストック評価研究室 というところで

四合院の研究もされている。

(これが筑波大学院の中でも、私などに縁深い「東アジア研究科」とかでなく、

システム情報工学研究科」という、いかにも理系なところで研究されているのは、

やはり四合院を構造物としてとらえているためだろうか。)

学会でも論文が発表されている模様。


谷村秀彦ほか 「伝統的都市の現代化における空間制御技術に関する研究

―北京を事例として」
(『住宅総合研究財団研究年報』26、pp.131-142、2000年3月)


藤川昌樹ほか 「四合院住区の空間構成―

北京市豊盛地区の構成原理に関する研究・その3―」
(『日本建築学会大会学術講演梗概集』E-2分冊、pp.227-228、2000年9月)


 藤川昌樹ほか 「北京市豊盛地区における四合院住区の空間的秩序」
(『日本建築学会計画系論文報告集』555、pp.145-150、2002年5月)
  
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2005年02月01日

ハウスメーカーとネットコンペと[喜びジャンキーの叫び]

わたしたちは同時にハウスメーカーの検討も進めていた。
ハウスメーカーは合計7社検討し、最終的に残ったのは2社。
セキスイハイムとパナホームだった。


そして最終的にOちゃんがハウスメーカーの中で気に入ったのは

セキスイハイムであった。

一方わたしは、ずっとネットコンペ派だった。

ハウスメーカーが説明してくれる住宅の性能には

「うわぁ〜すごい技術なんだねぇ〜、これなら安全そうだねぇ。」と思いつつ、

なぜか「ネットコンペが私の家を作ってくれる!」という妙な直感があった。

 

(「直感」と言えば聞こえはいいが、実は根拠のない「自信」。

いったい毎回どこから来るんだろう?

自分としては、“過去の経験パターンを回帰分析して一定傾向を見出しているのさっ”

 

とわかったような分からないようなことをもぞもぞ言ってみるが、

実はこの自信の80%くらいが単なる「はちきれんばかりの期待感」からきていることは

否めない。

 

期待しすぎてあとでしょんぼり、「だから言ったじゃない」とOちゃんにたしなめられる

確率もかなり高いのである。)

しかし、これが期待した結果が出てきた場合!

あるいは期待した以上の想像もしないものが出てきたとき!

「期待」は最っ高〜のスパイスになる。

 

80%の確率で失望、なんてゼロになっちゃうくらいの喜びと驚きがそこにはある。

まるでわたしは「喜びジャンキー」だ。

だから、そんなときには運命にも似た「やったー、見つけたーーー、めぐり合ったぞーーー」という感覚をもつ。

 

わたし流に言うと、それが『ガッキィーーン!と来た』ということなのだ。

(こんな感覚的な文章を断定的に書く人が、回帰分析なんてできるわけないよ...汗;)


ネットコンペは、申し込みをしてから1ヶ月という時間をプラン作成にかけていただく。

そのため次から次にハウスメーカーからでてくるプランを前に、

その間は「それでもネットコンペがいいよ!」とは言えず、

なんとか「ハウスコンペのプランが出てくるまでは、決めるのは待って!

全部見てからにして!!おねがいだ〜か〜らああああーーー

というのが精一杯だった。

 

次回、「出会ってしまった・・・門の家!!!」
  
Posted by udagao at 12:15Comments(0)TrackBack(0)