ワンステップ研修をさせて頂きました。
昨年度より新型コロナウィルスによる延期や中止を乗り越えて、漸く実現しました。
受講者が市町の新人職員の方達ということで、セミナーの目的を次のように設定し、障害当事者が講師となって、直接どのような対応が望ましいかをお伝えしました。
【目的】
・ 職員対応要領を踏まえた合理的配慮の必要性を知って頂く事
・ 来庁した障害当事者に失礼のない対応、悲しませない対応をして頂く事
講師自らが体験したことを基にした内容なので、多くの方に大切な事が伝わったと思います。
以下に、研修の様子をご報告します。

【ワンステップ研修Ⅲ 概要】
  • 研修日程:令和3年8月4日(水)~6日(金)・令和4年2月15日(火)~16日(水)(いずれも9時30分~16時30分)
  • 研修目的:福祉体験を通して幅広い行政の仕事や役割について認識する
  • 研修会場:三重県自治会館 4階ホール
  • 研修内容:(どの日でも内容は同じ)
    ①高齢者福祉の概要
    ②三重県差別解消条例(略称)に基づく職員の対応に関する要領と「UD概論」
    ③「肢体不自由者とのコミュニケーション」~行政サービスへ当事者が望む事~
    ④「視覚障がい者とのコミュニケーション」~行政サービスへ当事者が望む事~
    ⑤「ろう、難聴者とのコミュニケーション 」~行政サービスへ当事者が望む事~
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①全体の様子と 元気じるし株式会社 代表取締役 石山純 講師による「高齢者福祉の概要」
会場全体石山講師

②三重県職員による「三重県差別解消条例(略称)に基づく職員の対応に関する要領」と伊藤順子 講師による「UD概論」
三重県保健福祉部 楠見講師伊藤講師

  ③ー1 当事者による「肢体不自由者とのコミュニケーション」~行政サービスへ当事者が望む事~
   1日目 柳田幸樹 講師(ZOOM)
   2日目 伊藤孝通 講師
   3日目 笠井真人 講師および宮村孝博 講師
柳田講師伊藤孝通講師
笠井講師宮村講師
   ③ー2 神谷暁子講師による車椅子介助体験
神谷講師

  ④ 当事者による「視覚障がい者とのコミュニケーション」~行政サービスへ当事者が望む事~
    上田幹男 講師
    中垣裕行 講師
上田講師 PXL_20220216_050100292.MP


  ⑤ 当事者による「聴覚障がい者とのコミュニケーション」~行政サービスへ当事者が望む事~
    田中雅幸 講師
    田中美希 講師
    北澤真紀 講師(お写真が無くてすみません)
田中雅幸講師田中美希講師


【受講者のアンケートから】
1.研修内容について
⑴ 研修内容は理解できましたか。その理由をお聞かせください。
その人の立場にたって考えてみる(想像してみる)ということをもっとしていかないといけないと思いました。当事者の人の話があったのでよく理解できた。また同じ障がいであってもその病状や困っている程度は異なることがよく理解できた。
障がいをお持ちの方々と接するときに、どうすれば喜んでいただけるのか実際に思いを知ることができてよかったです。
福祉サービスを提供している人の話と、受ける側の話のそれぞれの視点から話を聴くことができたから。
講師の方がそれぞれの専門に基づいて話をされていたのでとてもわかりやすいと感じました。
 
⑵ 使用テキスト、配布資料はいかがでしたか。その理由をお聞かせください。
スライドがそのまま資料になっていたので書き込みやすく、すぐにメモを取る事ができました。
冊子やプリント等が分かりやすく帰ってからもまた見たいと思った。
ガイドブックやマニュアルがカラーで見やすかった。絵も多くイメージしやすい。
障害を持つ方の視点からそのご意見がきけて良かったです。「みなさんへのメッセージ」もとても参考になりました。窓口における配慮マニュアルは実際の場で使えるもので大切にします。職場で共有したいです。
 
(3)この研修は、今後ご自身の役に立つと思われますか。その理由をお聞かせください。
「障がいだから」という理由でなく、全ての人に対して役立つ内容かつ今の自分を見直せたらなと感じました。
車イス介護体験は今までやったことが無かったので、良い機会となりました。
今後の窓口での対応や、広報物の作成等に活かすことができると思います。
どんな障がいを持つ方でも何らかの手段でコミュニケーションを取ることができることを知ることができた。ITCが発展していく中で積極的に活用していきたいと思います。
周囲に気をつけ、適切な配慮ができるよう気をつけようと改めて思った。本人とコミュニケーションをとるというのを忘れないようにしたい。
学んだことを生かしていけるようUDなどをもっと深く学んでいきたいと思いました。
相手の立場に立って接したり、困っている方には進んで声を掛けたいと思った。
実際に自治体の窓口に行った際に感じた事などを話して頂いてハッとした事がいくつもありました。
 
2.講師について​​​​​
・講師の研修の進め方、研修技法、時間配分等はいかがでしたか。その理由をお聞かせ下さい。
各講師のお話をもっと聞きたかった。
1時間に1回休憩があり、聞き取りやすい話し方でよかったです。
実例や実際の当事者の方からのお話を聞けたことは貴重な体験になったと思います
講師の方々は一生懸命お話してくださったので、集中して聞いていました。とても勉強になりました。
テキストを読むだけでなく、当事者の方の話を聞いたり車イス体験を入れてもらってとても勉強になりました。
すばらしい人選だと思います。当事者の方の話で非常に説得力があると思います。中島会長の講演が印象に残りました。
最後に1人ずつ感想が聞けて良かった。
 
3.研修全体について
(2)その他、研修全体を振り返って、どのような感想を持たれましたか。その理由、研修から得たもの、感じたこと等自由にお書きくださいをお聞かせ下さい。
一つ一つ大切な研修であると感じました。各研修の時間が足りないように思いました。何日かに分けて話を聞きたかったです。
障がいを持った方と接する際、コミュニケーションを取る事が最も重要だと感じた。何を必要としているのか察するのではなく、何を手助けすべきかを直接伺うことが大切であり、盲ろうの方でも手の平を作ったり、ICTやアプリを用いることでコミュニケーションが可能であることを知ることができた。
とてもわかりやすく、ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いについて理解でき、誰もが便利で暮らしやすい町づくりに協力していきたいなと思いました。
講師の方々が皆さん「本人に話しかけて欲しい」とおっしゃっていたのが印象的でした。配慮の方法をいろいろと学べて良かったです。分からない時には「どのようにお手伝いしたらよいですか?」と本人にきちんと確認することも大切だと分かりました。
障がいのある方にどう手を貸せばいいのか、手を貸すという行為はむしろ嫌がられるのかな、こちらのおごりかなと思って実行できないことが多かったので、今日聞いたことを実際にやっていこうと思った。中途半端に邪魔しないよう正しい知識を身につけておきたい。
私自身窓口で業務をしている際、介助をしている方を中心に話をしてしまっていたことに気付くことができました。わざわざ窓口に来てくださった方の尊厳を傷つけてしまっていたことを反省し、今後改善していきます。
体験として車いすに乗ったが、旋回の時小さな段差をウィリーで乗り越える時、予想よりも怖いと感じた。今までも車いすをおしたことはあったが、これからおす機会があればこの体験を活かして行動したいと思った。
勇気をだして一声かけていきたいと感じた。これから障がいを持つ方々と出会う機会はたくさんあると思うので、実践していきたい。
障がいのある方が感じる不自由は本人の特性(耳がきこえない、目が見えないなど)によってではなく、そうした特性に合った配慮を用意しない社会によって生まれるものだと思う。
「間違ったことは障害者、階級関係なく間違っていると伝えるということが対等である」という言葉にハッとさせられました。
普段の生活から周囲を意識して見るようにして、困っておられる人を見かけたら積極的に声をかけたいと思います。
障がい者のためではなく、その人とコミュニケーションをとる、お互いのために通訳をしてくれる人や道具があるという言葉がとても印象的でした。
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など、たくさんのご意見を頂きました。
今後さらに良いセミナーをご提供できるよう、努力してまいります。