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三重県内の市町の新人180名に、職員研修をさせていただきました。
同じ内容で5日間(9時半~16時半)行いました。
内容は以下の通りです。

【日時】8月1日(木)から5日間
【主催】三重県市町総合事務組合

 障害当事者や現役の行政職員などを講師として迎えて、県内の市町で働く行政職員に対して、配慮が必要な方への窓口対応やユニバーサルデザイン(以下、UD)に関する講義を展開しました。


 1講座目
 理事長の石山より、接遇についての話をしました。その際、相手をいかに理解、尊重し、要望に応えるかが重要であると伝えました。
 
 例えば、『相手にはこういう障がいがあるから、こういう対応をすればいいだろう』というのは適切ではありません。100人いたら100通りの要望があるのです。

 障害の有無や特性に囚われず、目の前の相手を一個人として捉えてコミュニケーションをとりながら、相手に合わせた的確な支援やサービスを提供する必要があるということを強調していました。


 2講座目
 県庁職員より、自治体職員に求められるUDに即した対応についての話がありました。ここでは、UDの歴史や身近にあるUDにまつわるものの紹介がありました。

 その中で、UDは単なる設備などの有機物を指すだけでなく、接客をはじめとする対人関係の中でも求められる考え方であるということを職員に訴えかけていました。

 さらに、職員がそれぞれの職場に戻った際にUDについて考えるきっかけになるように、県が作成したUDイベントマニュアルや、職員対応要領が配布されました。そこには、県がイベントを行う際にどんな形でUDに即した配慮をしているかといった具体例が示されていて、大変参考になるものでした。


 3講座目
 元気じるしの石山講師より、高齢者福祉の概要について話がありました。その中で、介護保険や生活支援サービスなどの制度の紹介がなされました。
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 4講座目(聴覚)
 聴覚障害の当事者である藤本講師が登壇し、自分が障害者になったときの率直な思いを伝えました。また、それをきっかけに外に意識を向けたことで得られた気づきや、職員にお願いしたいことについて話しました。

 そのうえで、たとえ聴覚障害があっても、健常者と同じ精度で情報を受け取る権利があり、それをいかにして実現させるかということに目を向けて欲しいとメッセージを送りました。
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 5講座目(視覚)
 視覚障害の当事者である井上講師の講義で、実際の窓口対応を寸劇形式で紹介していました。窓口対応の良い例と悪い例を寸劇で表現することで、どのような点に配慮したら視覚障害者も利用しやすい窓口になるかや、改善すべきポイントなどについて受講者自らが考えられるように工夫がなされていました。

 実際、寸劇が受講者にとっても非常に印象的だったようで、研修最後の振り返りでも井上講師の講義についての前向きな感想を述べる職員が多くみられました。
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 6講座目(肢体)
 肢体不自由者とのコミュニケーションについての講義で、障害当事者の講師が登壇し、自身の体験談を紹介しました。講師は日によって異なり、畑中講師と中山講師、畑中講師と柳田講師、笠井講師と宮村講師が担当しました。
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 そもそも、障害の有無にかかわらず、人は皆それぞれ性格が異なります。これを踏まえて、それぞれの講師が相手の要望を正確に把握するためにはコミュニケーションが必要不可欠であると訴えかけていました。

 例えば、窓口対応の際に目の前の相手を誤解してやたら幼稚な言葉で話しかけたり、介助者とだけ会話をしようとしたりするような光景がみられます。しかし、これはあまり気持ちのいい対応とは言えません。それならば、『あなたは何ができますか』と直接聞いてもらった方が心地よい会話ができると受講者に伝えました。


 この講座の中では、車椅子介助体験もしました。受講者が実際に人が乗る車椅子を押し、どういった支援をしたら当事者が安心して窓口を利用できるかについてのディスカッションを行いました。
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【受講者の感想】
・「本人への声掛け」の話が印象的だった。
・今日初めて車いすに触れた。今後の業務や自分の生活において、いつ車椅子を使うことになるか分からない。今日の経験を大切にしたい。
・つい介助者に声をかけている自分に気づいた。障害のある人に悲しい思いをさせていないか反省した。

 今回の研修では、職員が直接当事者から話を聞いたり体験したりしたことで、新たな発見があったこと思います。今後、ご自分の職場で活用していってくださいね。