四日市市立U小学校4年生の児童約60名を対象に、出前講座を開催いたしました。

内容は以下の通りです。

【日時】11月21日 5時間目と6時間目
【主催】四日市市立U小学校

視覚障害および聴覚障害の当事者である北澤講師と聴覚障害の藤本講師が登壇しました。

5時間目
北澤講師が登壇しました。講師は目と耳が不自由(=盲ろう)で、お話しも初めての方には聞き取りにくいため、通訳介助の方々と触手話(手話を手で触って意思疎通する方法)での連携プレーで授業をしました。

講義の中で、目が見えなくなった経緯や苦労したこと、コミュニケーションの大切さ、周りの人々や便利なツールに助けられた話をしていました。すると、児童の皆さんから沢山の質問があり、時間が足りなくなるほどでした。

北澤講師はこれまで何度も壇上に立ち、講師の経験も豊富でしたが、「障害が原因でいじめられたことはありますか」という質問を初めて受けて、とても驚いたとのことでした。しかし、「いじめてくる子もいたけど、気にしないことにしていた。またその子とは最終的には友達になれた」と答えていました。
IMG_1904
北澤講師(左)と介助の方々
6時間目
藤本講師が登壇しました。聴覚障害の当事者であり、児童の皆さんとコミュニケーションをとるために、ノートテイク支援者(相手が言っている事や周りの音をノートに書く人)と共に授業をしました。

児童の皆さんはその様子を非常に興味深そうに観察しており、講師が質問すると我れ先にと手を挙げ、休み時間には皆んなが前へ出てきてコミュニケーションを取りにくるなど、非常な積極的な様子でした。 

また、アイスブレイクのための講師のユーモアある小ボケにも嬉しい反応を見せてもらえたおかげで、一気に児童の皆さんとの距離が縮まりました。その結果、講義中も会場全体の雰囲気がとても穏やかだったことが印象的でした。
IMG_1905
自身の障害について説明する藤本講師
まとめに代えて
今回の学校は前年度に引き続き2回目の訪問でした。そのため、講師のことを覚えていて、声をかけてくださる方もおられました。児童の皆さんにとっては数ある総合学習の授業の中の一つかもしれません。にも関わらず、覚えてもらえているということは、皆さんの心の中に残るものがあったということだと確信しています。

講座の依頼も少しずつ増えてまいりました。今後も、皆さんの印象に残る講座を展開できるよう、日々邁進していきたいと思います。


IMG_1907
司会者と児童の皆さん