有効薬使用件数に地域差4倍…脳梗塞救急
脳梗塞(こうそく)の救急医療で最も有効な薬剤の使用件数に、都道府県によって最大4倍近い差があることが、端(はし)和夫・新さっぽろ脳神経外科病院名誉院長ら日本脳卒中学会の研究グループの調査で分かった。
脳卒中の救急医療体制の地域格差が浮かび上がった形だ。25日発行の同学会誌で論文が掲載される。
薬は、血管に詰まった血の塊(血栓)を溶かす「t―PA」。4割近くの患者が、発症から3か月後にほぼ正常な状態に回復する効果がある。国内では2005年10月に使用が認可された。
同学会に製薬会社から報告された市販後調査結果によると、認可から08年9月までの3年間のt―PA使用件数は1万4792件。
3年間の使用件数を、脳梗塞の危険が高くなる65歳以上の人口10万人当たりで換算すると、最も多いのは香川県の103・6件。最も少ないのは岩手県の27・1件で、3・8倍の開きがあった。全国平均は57・6件。
t―PAは迅速な投与が必要で、同じ脳卒中でも脳出血、くも膜下出血には使えない。発症から3時間以内に、医師がCT検査などで正確な診断を行って使うことが条件となっている。
しかし地域によっては、診断・治療ができる脳外科医や神経内科医が不足していたり、救急隊による患者搬送に時間がかかったりして、せっかくの薬剤が使えないケースが少なくない。
国立循環器病センター内科脳血管部門の峰松一夫部長は「t―PAの使用件数は、脳卒中の救急医療の水準を示す一つの指標であり、地域格差があってはならない。都道府県は積極的に救急医療体制作りにかかわるべきだ」と話している。


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