うづまクリニックブログ

栃木県栃木市で内科・外科・小児科の病気全般の治療を行っている「うづまクリニック」のブログです。

2014年01月

網膜剥離、失明危機あった

医師としても参考になる記述がちりばめられてあります。

gooニュース記事より

網膜剥離のウーマン中川、失明危機あった 相方・村本が明かす

ORICON STYLE2014年1月26日(日)21:02

網膜剥離のウーマン中川、失明危機あった 相方・村本が明かす
(ORICON STYLE)

 お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔が26日、都内で行われた『NSC・YCC・YOEC全国合同学院説明会』に出席。相方の中川パラダイスが網膜剥離の入院・手術のため、一時休養中とあって、中川の近況を聞かれた村本は「めちゃくちゃあぶなかったです。あと3日遅かったら失明していた」危険性があったことを明かし、報道陣を驚かせた。
 村本いわく、中川は「(昨年)12月のはじめくらいに『目の上が黒い』。『日に日に大きくなっていく』と言ってた」という。しかし、昨年末の『THE MANZAI 2013』優勝を機に一気にブレイク。多忙なスケジュールの影響で発覚が遅れたと、村本は説明した。

 中川が患った網膜剥離はストレスが原因とされており、報道陣から「村本さんが原因?」と突っ込まれると「そうかもしれない」と否定せず、「退院してきたら、またダメ出ししてやる」とお馴染みのゲス顔で笑わせた。

 この日の説明会で村本は、お笑いコンビ・トレンディエンジェルと座談会形式でトークを展開。会場に駆けつけた250人のお笑い芸人を目指す若者を前に村本は「人生は1回しかない。好きなことやらなければダメだ!」と熱い芸人論を語り、激励していた。

「特殊清掃」の現場を見た

孤立死が増えればこういった仕事も増えることになるのでしょう。

gooニュース記事より

腐った遺体、大量のハエ、ゴミ屋敷…「特殊清掃」の現場を見た

産経新聞2014年1月25日(土)17:05

腐った遺体、大量のハエ、ゴミ屋敷…「特殊清掃」の現場を見た
(産経新聞)

 事件や孤立死では、かなりの時間が経過してから遺体が見つかるケースがある。遺体は傷み、手つかずの部屋は朽ちるように荒れ果てる。そんな室内を清掃・消毒して原状回復し、遺品整理も請け負う仕事が「特殊清掃」だ。大阪では昨年5月、「おなかいっぱい食べさせてあげられなくてごめんね」とのメモとともに母子が衰弱死しているのが発見され、同11月には餓死とみられる30代女性の遺体も見つかった。いずれも死後数カ月が経過していた。誰もその「死」には気づかなかったが、時間の経過とともに漂う異臭が“現場”を教えた。都会の喧噪の中にもかかわらず、誰にも気づかれずに息絶え、長期にわたって発見されることもない孤独な死者。そんな不条理と向き合う特殊清掃の作業に同行した。


 ■ゴーグル、マスク、防護服で作業

 昨年11月下旬の早朝。「SCS特殊清掃・ケアサービス」(大阪市天王寺区)のスタッフは社内にある神棚に手を合わせ、静かに目を閉じた。作業に向かう際にいつも行っている「作法」という。現場は大阪府内のある賃貸マンション。この1室で数日前、身寄りのない高齢女性が死亡しているのが見つかり、オーナーの依頼で室内の原状回復を図るのだ。

 マンションに到着し、女性の部屋のあるフロアに足を踏み入れると、まだ廊下なのに強い臭いが鼻をついた。スタッフたちは玄関前に立ち、手を合わせて深々と一礼した。ドアを開けて入室すると手早く手袋、ゴーグル、マスクを装着し、フード付の白い防護服に身を包んだ。亡くなった人が生前、どんな病気にかかっていたか分からない。感染症予防の対策だった。

 遺体が見つかったのは浴室。室内に殺菌・消毒薬や殺虫剤を散布してから浴槽の清掃にとりかかる。遺体はすでに運び出されているが、浸かっていた風呂の水はそのままだった。

 スタッフらが電動ポンプで水をバケツにくみ上げていく。そのまま排水すればいいのにと思ったが、水回りの配管にまで臭いが残ってしまうのだという。

 浴槽が空になると、特殊な薬剤を使って洗浄し、丹念に磨き上げていく。黒ずんでいた浴槽は見違えるような白さを取り戻したが、さらにその上から薬剤を散布するなど、入念な作業が続いた。

 リビングは古新聞が散乱し、カレンダーは10年前のものがそのまま張り付けてあった。ブラウン管型のテレビはほこりをかぶったまま放置され、置き時計の針は動いていなかった。この部屋だけ、時間が止まってしまったかのようだ。

 テーブルは女性が使っていたとみられる大量の塗り薬や綿棒、つまようじで乱雑に埋め尽くされていた。傍らに手紙の束もある。ずっと読み続け、昔を懐かしんでいたのだろうか。赤茶色に変色してしまっている。

 特殊清掃では遺品の整理も行うが、今回は女性の遺族らを探している最中ということもあり、スタッフらはこうした品々には手を触れず、部屋を後にした。


 ■「故人が浮かばれない」

 同社は、大阪を中心に近畿各地で特殊清掃を手がける。約15年前、社長の川上哲司さん(43)が中心となって立ち上げた。大阪市生野区の葬儀会社が実家で、家業を手伝っていた20代のころ、遭遇した1人の男性の孤立死が特殊清掃を始めたきっかけだったという。

 「父親が死んだのですぐに納棺を済ませてほしい」

 ある真冬の夜、実家にこんな電話がかかってきた。切迫した様子だったため、すぐに駆けつけた。目の当たりにしたのは腐敗し切った男性の遺体だった。

 アパートの1室には強烈な異臭が立ち込め、大量のハエが飛び回っていた。通常、冬は気温が低いため遺体の腐敗速度は遅い。しかし、男性の遺体はこたつに入っていたため激しく傷んでいた。骨まで露出した状態だったが、遺体を洗い清め、死に装束を着せて納棺を済ませたという。

 男性は生前、この部屋に一人で暮らしていた。別居していた親族とは、ほとんど交流がなかったという。男性の死亡に気づいたのはアパートの隣人が異臭について苦情を申し立てたからだった。

 「これでは、あまりにも亡くなった方が浮かばれない」。痛切に感じ、特殊清掃の道を選んだという。


 ■希薄なコミュニケーション

 死後数カ月が経過してミイラ化した遺体が見つかった部屋、天井までごみで埋まるいわゆる「ごみ屋敷」…。清掃に赴く現場はどこも極限状態にある。過酷さに耐えられず、すぐに辞めてしまう社員も少なくないという。

 だが、30代の男性スタッフは「現場に行けば行くほど、命のありがたみを感じる」と話す。以前はトラック運転手をしていたが、東日本大震災で救援物資の搬送に携わり、「人の役に立つ仕事をしたい」と転職したのだという。

 孤立死といっても、死者は高齢者ばかりではない。自分と同世代が亡くなった部屋を担当したこともあり、そのたびにいたたまれない気持ちでいっぱいになったという。最期の別れができなかった家族の嘆きを聞くのも数知れない。

 男性スタッフは「長い時間が経過した遺体は変わり果て、別れすら十分にできなくなる。手遅れになる前に、親族や友人らは存在に気付いてあげてほしい」と語る。

 川上さんは何度となく現場に足を踏み入れた経験から、孤立死が後を絶たない現状に、現代社会の「コミュニケーションの希薄さ」を感じているのだという。

 「隣人であっても、どんな人が住んでいるかすら知らない。社会全体が『自分は一人で生きている』と思い込んでしまっている。地域コミュニティーを復活させていかなければ悲惨な孤立死はなくならない」

 きょうもどこかで、命の灯がひっそりと消えているかもしれない。やがて臭いを放つまで誰にも気づかれることもなく…。

インフルエンザ拡大、全国で患者66万

当地域ではまだ流行が始まっているという実感はありません。いまだに予防接種を希望されて受診する方がいるぐらいですから。。。

gooニュース記事より

インフルエンザ拡大、全国で患者66万人 前週の倍

朝日新聞2014年1月24日(金)20:11
 インフルエンザの流行が広がっている。国立感染症研究所が24日発表した調査によると、全国5千カ所の定点医療機関から報告された患者数は、最新の1週間(13〜19日)で計5万8233人。1医療機関あたり11・78人と注意報レベルの10人を超えた。全国の推計患者数は約66万人。

 感染研によると、昨年10月下旬から13週連続で増加し、前週から2倍以上に増えた。都道府県別では沖縄が36・74人と最多で、警報レベルの30人を超えた。次いで宮崎19・58人、岐阜19・13人、大分17・57人、福岡16・31人、熊本16・03人、佐賀15・00人、滋賀14・66人、大阪14・23人、愛知14・18人などと続く。全都道府県で前週を上回り、関東では栃木を除く1都5県で注意報レベルを超えている

 厚生労働省によると、休校や学年・学級閉鎖をした保育所や幼稚園、小中高校は全国で698施設にのぼり、前週の15施設から急増した。

まじめすぎるのは終末期医療の大敵

この人にとって良い事は何か、そのために何ができるか、毎日考えながら医者をやっています。

Yomiuri Online記事より

まじめすぎるのは終末期医療の大敵…医療者編

皆さん、今年もよろしくお願いします。

 皆さんは今年の目標は決まりましたか?

 「まだ決まっていない」そんな皆さんは、ぜひ「肩の力を抜いて、まじめすぎないようにする」という目標を立ててみるのはいかがでしょうか。

 皆さんは、日本人はまじめだと思いますか?

 そう思う、という方もいらっしゃれば、そうでもないとおっしゃる方もいるでしょう。

 しかし世界平均でいうと、どちらの答えでもまじめかもしれません。

 私の経験です。ムバラク政権が崩壊する前のエジプトに行った際、寝台列車を待っているときに隣にいた現地の方がポツリと「たまに列車が来ないことがあるからね」と言いました。

 「遅れる」ではないのです。「来ない」のです。事前連絡もなく、突然来ないこともあるのだとか…。

 一方、日本。私が住んでいる東京では、電車が数分遅れても、頻繁に「申し訳ありません」とアナウンスが入ります。気の毒なくらいです。時間ピッタリに来るのが当たり前であります。日本人は世界平均からするとちょっと変わっているのかもしれません。


「穏やかに逝かせてほしい」と願うのに…

 医療に関しても、そんなところがあるのではないかと思っていました。

 とりわけ患者さんが「もう穏やかに逝かせてほしい」と願い、はた目にも回復がまず不可能なのにもかかわらず、「血圧を下げるわけにはいかない」と昇圧剤を使用し、なぜかを伺うと「命を縮めるわけにはいかない」と言う医師。

 意識が低下して苦しくなさそうなのに頻繁に管を口から入れてたんを吸引しようとして、逆に患者さんを苦悶くもんの表情にさせてしまい、「痰が詰まったら死んでしまうから吸引しなくてはいけないんです」と言う看護師。

 患者さんが苦しがって、ご家族も苦痛がないようにしてほしいと願っても、鎮静薬で呼吸を弱めてしまえば「死に近くなってしまう」からと絶対にそれを使わない。そんな例もありました。


強すぎる善意、医療現場の障害に

 終末期医療の場において、医療者として一分一秒でも命を縮めるようなことがあってはいけないという気持ちが強すぎると、患者さんやご家族の気持ちや思いとかけ離れてしまう場合があるところに問題が起きていると感じました。

 終末期においても延命的治療に力を注ぐことがしばしば医師の利益追求がためと誤解されますが、けしてそうではありません。誠実さや責任感から「絶対に命を縮めない」ためにできる医療行為をできるだけしようとすることが、誤解を招いている時があると感じたのです。

 アメリカの医療現場を知っている神戸大学教授の岩田健太郎先生が書かれた『絶対に、医者に殺されない47の心得』でも、日本の一部の医師の強すぎる善意について指摘されています。

 『日本の医者のハートは、世界的な目で見ると一○○点満点。比較的低い給料で、朝も晩も週末も働き、勉強し、あれやこれやの要求に応え、クレームに対応し、患者の苦痛と苦悩に対応します。(略)とはいえ、日本の医者の善意は必ずしもよい結果を患者にもたらしません。いや「自分はこんなに患者に尽くしているのに」という熱い気持ちは、「だから自分のやり方につべこべ文句を言うな」というメンタリティーに容易に変化します』(p132〜133)とあり、これは鋭い観察です。

 また医師ばかりでなく、厳しい労働環境で頑張っているのは看護師も同様です。けれども「私が一番患者さんのことをわかっている」というところから、患者さんを巡って医療者同士が代理戦争のようになってしまうこともあります。これはやはり皆がまじめで熱く、善意に満ちあふれているがゆえのことなのですが、現場は混乱し、うまく共同作業を構築できない原因にもなります。

 いずれにせよ現場は利益度外視で、一定のレベル以上の医療機関では多くのスタッフが善意にあふれているからこそ、それぞれの思う最良を全力で為そうとするがゆえに、時に医療者同士が対立したり仲違いをしたりということがあるのです。


治療の目標、はっきりと

 どうしたら良いのでしょうか?

 岩田先生も前掲書で、アウトカム(治療の目標)をはっきりさせることを説いています。それによって、例えば検査値の正常化にこだわりすぎて副作用を出す薬剤を漫然と使用したりなどを避けることができます。一番大切な目標は何かを考えて、それで治療を取捨選択する必要があります。

 そして治療の目的の明確化は、とりわけ高度進行がんの医療や終末期医療で重要となります。

 先ほどの終末期患者さんの血圧に対しての昇圧剤もそうです。死が迫り、血圧が下がる。その際の血圧を上げる昇圧剤の意味はどこにあるのかということです。

 昇圧剤が苦しさを緩和するわけではありません。末梢血管を収縮させる昇圧剤だと、むしろ四肢末端の指が潰瘍を起こしたりすることもあります。死期が数日と考えられる患者さんに、それを行うアウトカムは何なのか、というと「血圧が下がっているから当たり前」「命を医者は縮めてはいけない」であっては、患者さんの幸福につながりません。ましてや「今までもそうだったから」であっては思考の停止になってしまいます。


患者さんの前で唱える「緩和ケアのじゅもん」

 私は「緩和ケアのじゅもん」として患者さんの前で唱えるものとしていくつかを考えました。

 「この方は今、何を望んでいるのだろうか?」

 「この方には、この方自身には、何が最良なのか?」

 検査値やデータにこだわるのではなく、この患者さんにとって何が最良なのかを考え、十分相談し、そうして立てた目標をアウトカムにして治療を行い、また不要な治療を排することが重要だと思います。

 治る病気でしたら治すことがアウトカムになるでしょうが、もはや進行して治らない病気の場合は「それでも治す」ことをアウトカムにするのではなく、残り時間に良いQOL(生活の質)が達成されることにするべきでありましょう。医療は患者さんの残り時間が幸せなものになるように配慮されなくてはいけないと考えます。


大津 秀一(おおつ しゅういち)
緩和医療医。東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンター長。茨城県生まれ。岐阜大学医学部卒業。日本緩和医療学会緩和医療専門医、がん治療認定医、老年病専門医、日本消化器病学会専門医、日本内科学会認定内科医、2006 年度笹川医学医療研究財団ホスピス緩和ケアドクター養成コース修了。内科医としての経験の後、ホスピス、在宅療養支援診療所、大学病院に勤務し緩和医療、在宅緩和ケアを実践。著書に『死ぬときに後悔すること25』(新潮文庫)、『どんな病気でも後悔しない死に方』(KADOKAWA)、『「いい人生だった」と言える10の習慣』(青春出版社)、『傾聴力』(大和書房)、『死ぬときに人はどうなる』(致知出版社)などがある。
大津秀一のオフィシャルブログ http://ameblo.jp/setakan/

 

コラムへの意見・質問などは こちら( t-yomidr2@yomiuri.com )
どの執筆者に宛てたものかをメールのタイトル等に書いてください


2014年1月9日 読売新聞)

働く動機の5段階

役立つことが詰まっています。残しておきたいので、全文引用させて頂きます。

gooニュース記事より

働く動機の5段階〜お金・承認・成長・共感・使命/村山 昇

INSIGHT NOW!2014年1月10日(金)14:01
「人はパンのみに生きるのか?」という問いは古くて新しい。本稿では働く動機を5段階に分け、いかに1段階めの「金銭的動機」の重力に逆らい、動機を外発から内発へ、利己から利他へシフトしていけるかを考える。

◆「働く理由」として大事なもの3つを挙げよ

私がやっている研修プログラムのなかで『「働く理由」自問ワーク』というのがある。なぜ自分は働くのか、日々この仕事をやるのはどうしてか、をあらためて見つめる作業である。あまりにも単純で使い古された問いのように思えるが、実際、研修でこれをやってみると、各自がなにかずっと胸の奥底にくすぶらせていた固まりが一気に噴き出す感じで、皆が実に熱く語り出す。「人はパンのみに生きるのか?」という問いは、いまもって大きく深いテーマなのだ。



このワークに用いる自問シートは次のようになっている。まず左側に働く理由の選択候補をいくつか挙げてある。たとえば、





□ この仕事を行うことによって、生計が立てられるから

□ この仕事を行うことによって、自分は尊敬されたり、頼りにされたりするから

□ この仕事を行うこと自体が楽しいから

□ この仕事を行うことによって、自分を成長させることができるから

□ この仕事は、家族に誇れたり、家族が応援してくれているものであるから

□ この仕事を行うことによって、さまざまな人との出会いが生まれるから

□ この仕事を行うことによって、社会に影響を与えることができるから

□ この仕事を通じて、自分の生き方を表明したいから

□ この仕事を通じて、世の中に残したい何かがあるから

□ その他(              )



これらの理由リストのなかで当てはまるものにチェックを付けていき、それぞれの理由の大事さについて1〜5の数値で重み付けをしていく。そして最後に、最も大事だと思う理由の上位3つを順に自分の言葉で書き出す。



さて、働く理由としてこの上位3つに入るものにどんなものがあるだろうか。私がさまざまな研修現場できいてみると、まずもって「生計を立てるため」、そして「自己を成長させていくため」「いろいろな人と出会うため」などが上位の常連となる。



ではもっと限定して、受講者が働く理由のトップ1に挙げるものは何なのか。これは実施する研修の対象企業、受講者の年次によって多少差が出るが、おおよそ、「お金」を挙げる人が50%、そして「非お金」(=成長や出会いや志の実現など)を挙げる人が50%となっている。働く理由のトップ1に「非お金」を挙げる人は、実は少なからずいるのだ。



もとより、働く理由のトップ1に「お金」を挙げるのが低次であるとか、「非お金」を挙げるから高尚であるという話ではない。お金は大事であるし、不当に安い給料で満足するものでもない。今の時代、経済難はさまざまな形で自分に起こってくるものだから、お金を第一に考えるのは当然のことだ。



◆「お金を得ることは働く目的か?」にどう答えるか

そこで私はさらに下の問いを受講者に投げかけ、討論してもらう。



【問い】

あなたにとって、お金を得ることは働く目的か?

あなたの担当事業(あるいは会社)にとって、利益獲得は事業の目的か?



もちろんこの問いに対する絶対の正解はない。実際、各グループの発表をきいても、おおかた「統一の結論にまとまりませんでした」となる。ちなみに私のほうからは、ある2つの考え方を提示する。まず1つめは、ピーター・ドラッカーの次の見方だ。



「事業体とは何かを問われると、たいていの企業人は利益を得るための組織と答える。たいていの経済学者も同じように答える。この答えは間違いだけではない。的外れである。利益が重要でないということではない。利益は企業や事業の目的ではなく、条件である」。  ───『現代の経営』より



ドラッカーは、企業や事業の真の目的は社会貢献であると他の箇所で述べている。その真の目的を成すための「条件」として利益が必要だと、言及しているのである。



金(カネ)は経済の世界では言ってみれば血液のようなものである。人間の体は、血液が常に良好に流れてこそ健康を維持でき、さまざまな活動が可能になる。ただ、だからといって、血のために私たち人間は生きるのだろうか? 「血をつくるために、日夜がんばって生きています!」という生き方はどこかヘンだ。やはり人間の活動として大事なことは、その身体を使って何を成すかである。血は、肉体を維持するための条件であって、目的にはならない。そう考えると、利益追求が企業にとっての目的ではなく、条件であるとするドラッカーの指摘は説得力がある。───これが1つのとらえ方である。



次はこの2人の言葉である。



○「本質的には利益というものは企業の使命達成に対する報酬としてこれをみなくてはならない」。 ───松下幸之助『実践経営哲学』



○「徳は本なり、財は末なり」。「成功や失敗のごときは、ただ丹精した人の身に残る糟粕のようなものである」。 ───渋沢栄一『論語と算盤』



松下幸之助は、事業家・産業人として『水道哲学』というものを強く心に抱いていた。それは、蛇口をひねれば安価な水が豊富に出てくるように、世の中に良質で安価な物資・製品を潤沢に送り出したいという想いである。松下にとって事業の主目的は、物資を通して人びとの暮らしを豊かにさせることであり、副次的な目的は雇用の創出だった。そして、そうした目的(松下は“使命”と言っているが)を果たした結果、残ったものが利益であり、それを報酬としていただくという考え方だった。



一方、明治・大正期の事業家で日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一は、財は末に来るもの、あるいは糟粕のようなものであると言った。仁義道徳に基づく行為こそが目的であり、その過程における努力が大事であって、そこからもたらされる財には固執するな、無頓着なくらいでよろしいというのが、渋沢の思想である。渋沢は、その活躍ぶりからすれば、「渋沢財閥」をつくり巨万の富を得ることもできたのだろうが、「私利を追わず公益を図る」という信念のもと、蓄財には生涯興味を持たなかった。いずれにせよ、お金・利益を「結果的に生まれる恵み」とするのも一つのとらえ方である。



◆「建物と地盤」

私もこれら3人が指摘したように、「条件」あるいは「結果的な恵み」としてのお金・利益を強く意識している。その解釈イメージを促すために、私は受講者に「建物と地盤」のメタファーを提示する。すなわち、自分たちが働く目的はあくまで何かの建物をこしらえて、さまざまな人に使ってもらうことである。だが、その建物は地盤がしっかりしていないと建たない。お金を得ること、利益を獲得することは、言ってみれば地盤づくりに当たる。



もしその建物が多くの人に利用してもらい役に立てば、その結果の恵みとして、お金が得られることになる。その利益でさらに地盤を固め、土地を大きくしていけば、さらに複雑で大きな建物が建てられる。自己の能力を証明し、人に役立っていくのはあくまで建物を通じてであり、どんなものを建造していくかこそが働く目的となる。地盤づくり自体は目的にはならない(なったとしても、副次的な目的に留まる)。



私は、仕事とは突き詰めれば、能力と想いを掛け合わせて行う「表現活動」だと考えている。お金や利益はその「表現活動」を可能にしたり、発展させたりする機能として効いてくるものだ。だから、お金は血液であり、地盤であるのだ。



◆働く動機の5段階

働く理由・目的についてさらに考察を深めたい。私は「働く動機」を5段階に整理している。それを表したのが下図である。





[段階 ]金銭的動機

動機の一番土台にくるのが「金銭的」動機である。そこには「生きていかねばという自分」がいて、誰しも懸命に働こうとするのである。金銭を動機として働くことが必ずしも卑しいということではない。「食っていくためにはお金がいる。だからきちんと働いてお金を得、生活を立てていこう」とする姿はむしろ尊い。金銭的動機は、個人を労働に向かわせ、社会の規律や秩序を守るための土台として機能する大事なものだ。ただ、金銭的動機は、「外発的」であり、「利己的」である。



[段階 ]承認的動機

誰しも他から自分の存在を認められたり、能力を評価してもらいたいと思う。そこにはたらくのが「承認的」動機である。仕事でうれしかったことをアンケートすると、「上司から褒められた/難しい仕事を任された」「お客様からありがとうを言われた」「ネットに発表した記事が多くに読まれた」など、承認・評価にかかわることが多く出てくる。ソーシャルメディア『フェースブック』の「いいね!」ボタンも、いわばこの承認的動機を刺激するものの一つである。ただし、この動機もどちらかというと「外発的」「利己的」の部類である。



[段階 ]成長的動機

仕事をやるほどに自分の能力が伸びていく、深まっていく、となればもっとその仕事をやってみたくなる。それはその仕事が「成長的」動機を喚起しているからだ。この場合、仕事そのもののなかに動機を見出しているので、「内発的動機」となる。だが、いまだ「利己的」ではある。



[段階 ]共感的動機

仕事や働くことは、一人では完結しない。何かしら他者や社会とつながりを持つものである。 段階目の「承認」より、もっと相互に、積極的に、質的に他者と結びつくことで、やる気が起こってくるのが「共感的」動機である。

自分のやっていることが他者と共感できる、他者に影響を与えることができる、社会に共鳴の渦をつくることができる、そうした手応えは強力な力を内面から湧き起こす。この段階から「利他的」な動機へと変容してくる。



[段階 ]使命的動機

自分が見出した「おおいなる意味」を満たすために、文字通り、“命を使って”まで没頭したい何かがあるとき、それは「使命的」動機を抱いている状態であるといえる。夢や志、究めたい道、社会的な意義をもったライフワークなどに一途に向かっている人はこの段階にある。



ちなみに、使命的動機が段階 として一番上に置かれているのは、その動機を抱くことが最も難しいからである。動機を抱く難度が階段の高さを示していると考えてほしい。逆に言えば、金銭的動機(段階 )は生存欲求からの動機で、最も容易に起こることから一番下に来ているわけだ。



◆動機を重層的に持つこと

ここから最後の重要な点に入っていく。動機の持ち方として望ましいのは、これら5段階ある動機を重層的に持つことである。動機を重層的に持っていれば、仮に一つの動機が失われても、他の動機がカバーしてくれることとなり、働く意欲は持続される。また、動機どうしが相互に影響し合い、統合的に動機が深まりを増すことも起こるからだ。



お金を儲けたいという動機は抱いてもいっこうにかまわない。ただその動機の層だけに閉じこもってしまうと、どうしても利己心・我欲といったものが肥大化して、問題を引き起こす危険性が高くなる。だからこそ、他の動機も重層的に持つことだ。そうすることで、お金に対する不健全な執着から解放されるし、また複合的に湧いてくるエネルギーで長く強く働くことができる。



もちろん私は、働く動機を重層的に持つための内省ワークを研修のなかでやる。そのときに方向は2つある。1つは動機の段階を上げていく方向。つまり動機難度の低いほうから高いほうへと内省を促していくやり方だ。たとえば、「その仕事によってどんな成長が得られますか? あるいは、現状の仕事をどんなふうに変えていけば、自分の成長が起こるようになりますか?」といった段階 の動機を喚起させる問いを投げる。次に、「その仕事を通じてどんな人たちとつながることができるのでしょう?」や「あなたは一職業人として何の価値を世の中に提供する存在ですか?」といった具合に段階 、段階 の問いに上げていく。こうした自問を通して、自分の担当仕事に「非お金」的な動機を重層的に持たせていくわけである。



◆使命的動機の「シャワー効果」

もう1つの方向は、いきなり段階 の動機を見つめさせるやり方である。これは具体的には、段階 の使命的動機に生きた特定の人物をロールモデルとして取り上げ、「おおいなる意味」のもとに仕事を成し遂げる人間がいかに自己を強く開いていけるかを学び取るものである。考察していけばわかるのだが、ひとたび使命的なテーマを見出し、そこに没入していくとどうなるか───



・そのテーマに共鳴する同志との出会いが生まれ深いつながりができる。

 (→動機 が喚起され、満たされる)

・そのテーマを成し遂げるための能力発揮・能力習得・能力再編成が起こる。

 (→動機 が喚起され、満たされる)

・そのテーマの仕事がやがて人びとの耳目を集め出す。

 (→動機 が喚起され、満たされる)

・気がつくと必要なお金が得られていた。あるいは回り出していた。

 (→動機 が満たされる)



そう、つまり、段階 の動機をしっかり抱いて懸命に動けば、他の動機は自然と上から順に喚起され、満たされるのだ。私はこれを、使命的動機の「シャワー効果」と呼んでいる。



これを読んでいる人のなかには、「ともかく自分は正社員の職を得て、生活をやりくりしていくのに精一杯だ。志や使命を描くなど程遠い」と漏らす状況があるかもしれない。しかし、志を立てるのに何のコストがかかるというのだろう。想い描くことは、誰でも、いま、この場で、タダでできることなのだ。想い描くことをしないかぎり、「食うためだけの仕事」という強力な重力に縛り付けられたままになる。



最後に。「人はパンのみに生きるのか?」という問いに対し、私はこう答えるようにしている。───「人は志にこそ生きる。おおいにもがくことになるが、そこでパンを食いそびれることはない」。
ごあいさつ

高齢化が進み、病気とうまく付き合いながら生活してゆくことが、より大切になってきました。また、若いうちから健康を保つ事の重要性が増してきました。

当クリニックは、内科・外科の病気全般とその周辺の病気をもった患者さんを対象とする「よろず治療院」です。特に、かかりつけ医を持ちたい、診察もお薬も一箇所で扱って欲しい、すぐに、またはゆっくり診て欲しい、家族全員を診て欲しい、等のご希望の方々には、ご満足頂けるのではないかと思っております。クリニックを知って頂くため、まずは是非とも足を運んでみて下さい。お待ちしております。

初診時には、保険証、薬や療養の手帳・育児手帳などを持参の上、御来院下さい。予約は要りませんが、予防接種を希望される方やすぐの診察を希望される方は、あらかじめ電話で空いている時間を確認されてから受診されることをお勧めします。
最新コメント
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
記事検索
  • ライブドアブログ