示唆に富む内容が多いと思います。私の見立てが信用できない(と思われる)場合は、遠慮なくセカンドオピニオンを求めて下さい。遠慮なく紹介状を書かせて頂きます。医師の側としても、セカンドオピニオン結果から勉強になることもあると思います。大歓迎です。また、その後も遠慮なく戻ってきてください。

2012年  1月  20日 (金)

2012年 1月 18日  20:12 JST
 

 2008年にCTスキャンでドーナ・ハーウェルさんの骨盤、腹部、脊椎に複数の腫瘍が映し出された時、ハーウェルさんのダラスの医者たちは、卵巣癌の可能性を疑った。卵巣癌は命にかかわりかねない。

 生体検査の結果でははっきりとした結論が出ず、ハーウェルさんは即刻、ヒューストンのMDアンダーソン・キャンサー・センターにセカンドオピニオンを求めた。「ありとあらゆるテストを受けた」とハーウェルさん。それでも医者たちは診断を下すことができなかった。ついに、ハーウェルさんははっきりさせるために外科手術を伴う生検を受けた。結局、卵巣癌ではなく、めずらしい種類のリンパ腫だった。テキサス州コリンズビルに住む馬の調教師である47歳のハーウェルさんは厳しい化学療法を受け、これは昨春に終了した。その後、6カ月目に当たる昨年10月の検診で、癌の残存は見つからなかった。

 セカンドオピニオン――特に放射線画像や生体検査による病理学スライドに関するもの――で、診断や推薦する治療方法に大きな違いが出る事例がますます多く見られている。リンパ腫や、甲状腺および唾液腺の珍しい癌といった悪性腫瘍の一部は、正しく診断することが難しいことで知られる。テスト結果が決定的でなかったり、誤ったテスト結果が出ることもよくある。最近の研究によると、一年に一度のマンモグラム(乳房撮影)が一般的に実施されるようになって10年余りが過ぎ、米国では半分以上の女性が少なくとも1回は乳がん検査で誤った癌の検査結果を受けることが明らかになった。また、ハーバード大学付属医療機関の法的責任担当会社Crico/RMFによると、過去5年間に深刻な状況もしくは死につながった同機関での医療ミスの訴えの約半数は、診断ミスだった。


 MDアンダーソン医療手術部門の医師でバイスプレジデントのトーマス・フィーリー氏は、リンパ腫などの癌の診断を受けて同センターに来る患者の最大25%は、それまでに受けていたのとは異なる診断を受ける可能性があると指摘する。全体としては、毎年、同センターの患者の約3%が、どんな治療を受けたらいいかに影響するような非常に異なる診断を受けている。フィーリー氏は、「癌の診断を受けると、まず、最初に話した医師の下ですぐに治療を開始したいと思うかもしれないが、その診断についてセカンドオピニオンを得たり、どのような治療の選択肢があるのかを注意深く判断する時間を取ることで、命拾いする可能性もある」と語る。


 ヒューストンの弁護士事務所で働くキム・ヘンダーソンさんは、他の病院で診断を受けた後、子宮頸癌の治療を受けるためにMDアンダーソンにやってきた。MDアンダーソンの臨床医たちは改めて生体検査を行い、子宮頸癌になる前の侵襲性のない細胞で、当初の診断のもっとずっと深刻な種類ではないことが判明した。ヘンダーソンさんはそれでも手術は必要だったが、医者たちは彼女に、放射線治療や化学療法を受ける必要はないだろうと告げた。これらはヘンダーソンさんの最初の治療計画に含まれていたものだ。


 ヘンダーソンさんは「まるで魔法のようで、必要のない治療を受けずに済んだ」と話す。


 セカンドオピニオンは癌だけでなく他の病気にも重要だ。デンバーの医療センター、ナショナル・ジューイッシュ・ヘルスの調査では、慢性閉塞性肺疾患と診断された患者の半分以上が同センターに来る前に、ぜんそくだと誤って診断され、不適切な治療を受けていたことが分かった。また、認知症の一つの種類は誤ってアルツハイマー病と診断されることが多く、さらに、様々な研究で冠動脈疾患が他の病気だと誤診される可能性が高いことが示されている。


 もちろん、誰もがセカンドオピニオンを得るべきだということではない。カリフォルニア大学サンフランシスコ校附属病院のチーフ、ロバート・ワクター氏は、セカンドオピニオンの費用だってばかにならないと話す。「精神状態が極めて不安定になっているときに、相反する意見を聞けば参ってしまう可能性だってある」と話す。同氏は、結局は信頼できる医者を選び、その医者の薦めに従わなければならないと語る。

 ハーウェルさんの場合には、MDアンダーソンでやっと本当の病気が判明するまでに1カ月以上かかった。卵巣癌を示すいくつかの特徴が見られていなかったことから、リンパ腫に関するテスト結果は決定的ではなかったものの、医者たちはある種のリンパ腫という見方をし始めていた。リンパ腫の専門家、リック・ハグミースター氏は、確固とした診断を得るには、骨盤に集まっていた腫瘍の外科生検が唯一の方法だとハーウェルさんに伝えたと話す。


 ハーウェルさんは、MDアンダーソンが誤っていたかもしれない治療を始めなかったことを感謝しているという。