Yahooニュース記事より
なぜ「受動喫煙」で子どもが「中耳炎」になるの? #エキスパートトピ
タバコを吸うと喫煙者はもちろん、タバコの主流煙や喫煙者の呼気、タバコ煙が付着した衣服や周囲の物質などによる受動喫煙(三次受動喫煙を含む)による健康への害が生じます。喫煙と疾患などとの因果関係はレベル1からレベル4の4段階で判定され、受動喫煙は、成人の肺がん、虚血性心疾患、脳卒中など、子どもの乳幼児突然死症候群がレベル1(因果関係が確実)となっていて、子どもの中耳の病気(中耳炎など)はレベル2(因果関係を示唆=可能性あり)となっています。なぜ、受動喫煙で子どもが中耳炎などになる危険性があるのでしょうか。
ココがポイント
「子どもを守る視点が重要」とし、飲食店、公共施設のほか、子どもが同乗する自動車内や家庭での禁煙化も進める考えを示した。
出典:日本医事新報 2017/5/29(月)
完全規制する法律が施行された国では、飲食店の店員の健康被害が減少するという先行研究があると説明。
出典:産経新聞:産経ニュース 2025/5/8(木)
加熱式たばこの健康への影響を踏まえた上で、紙巻きたばこと同様に規制する必要があるかを検討する。
出典:日本経済新聞 2025/11/25(火)
エキスパートの補足・見解
子どもがかかる中耳(外耳と内耳の間。鼓膜や耳管、耳小骨など)の病気には、急性や慢性、滲出性、好酸球性(アレルギー性)などの炎症、つまり中耳炎があります。これらの中耳炎の原因は、細菌(肺炎球菌、無莢膜型インフルエンザ菌など)やウイルス(RSウイルス、ライノウイルスなど)の感染、子ども特有の中耳の構造(耳管が太く短く水平で病原体が中耳に感染しやすいなど)、環境、未熟な免疫などの多様な要因が複合しています。
受動喫煙も環境要因の一つです。タバコ煙に含まれるPM2.5、ホルムアルデヒド、アクロレインなどの有害物質は、耳管の換気機能、病原体などの異物を外へ排出する繊毛の機能、免疫機能などを低下させ、それらにより子どもが中耳炎にかかりやすくなります。また、受動喫煙のある家庭で薬剤耐性菌が多く観察されており、中耳炎が慢性化して難聴になり言語発達などへ悪影響をおよぼすなどの弊害が指摘されています。
加熱式タバコからも受動喫煙が生じるので子どもへの危険性は同じです。タバコ会社が有害物質の低減をPRしたことで、これまで家族のそばで吸わなかった喫煙行動が変わり、むしろ受動喫煙の害を多く生じさせるなど危険性が増しています。

