認知症
gooニュース記事より
ただの物忘れ?「軽度認知障害」かも 4割がアルツハイマー型認知症に
2021/06/29 11:00

日常生活に支障が出るほどではないが、同世代の平均に比べて物忘れが多い。そんな状態を「軽度認知障害(MCI)」と呼ぶ。認知症になる確率が4割を超すという報告もあるので侮れない。早期発見が大切だ。
タレントの名前や読んだ本の題名が思い出せない。こうした固有名詞の記憶が怪しくなるのは加齢とともに誰にでも起こりうることだ。ただ「昨夜の食事に何を食べたか」「先週誰に会ってどんな話をしたか」など自らの行動に関する内容、いわゆる「エピソード記憶」を忘れてしまうことが増えたら要注意。認知症の前段階かもしれない。
こうした加齢による物忘れと認知症の境界にある状態がMCI。認知症専門の和光病院(埼玉県和光市)の今井幸充院長は「日常生活に大きな支障はなく、認知機能の検査もほぼ正常範囲。しかし記憶力などが明らかに年齢の平均より劣っている状態と考えてほしい」と説明する。
MCIでも食事やトイレ、入浴といった動作にほぼ問題はない。ただお金の計算や料理の段取りがうまくできなくなったり、自分の予定や相手との約束をよく忘れてしまったりする。同じ会話や質問を繰り返すこともある。
予兆があれば、病院で診察と検査を受けることになる。かかりつけ医に相談し、必要に応じて脳神経内科や脳神経外科、認知症専門医の「物忘れ外来」を紹介してもらう。記憶力や認知機能を調べるテスト、コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)での診断、血液検査などで判断する。
今井院長は「MCIの4割以上がアルツハイマー型認知症に移行する。何より早期発見が重要だ」と指摘する。アルツハイマー型認知症は現状では完治できない。ただMCIの段階で発見して対策をとれば、進行を遅らせることも可能になってきたという。
物忘れは年齢のせいだと軽く考え、病院での診断を敬遠する高齢者もいる。そこで「本人はもちろん、家族や周囲の人がMCIのサインに敏感になることが大切だ」と今井院長は強調する。

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朝起きたら仕事に関する記憶が消失…働き盛りを襲う“若年性認知症” 当事者の苦悩
2021/04/03 10:00
これは誰にでも起こりうるある症状を当事者目線で再現したVR映像。自分がどこにいるかもわからず、目的地も乗り換える駅も忘れてしまい、混乱する女性。彼女が抱えるのは「認知症」だ。
【映像】“若年性認知症”当事者と家族の苦悩
全国に460万人いるとされる認知症患者。その数は今も増え続け、2025年には高齢者の5人に1人になるとされている。このVRはそんな認知症に対する理解を深めようと、サービス付き高齢者住宅を運営する企業が開発した。
とはいえ、若い人は「まだまだ遠い未来の話」と思っていないだろうか。実は、認知症は高齢者に限った話ではない。認知症当事者コミュニティが開催したイベントで、参加者のほとんどは高齢者の中、43歳の男性の姿も。渡邊雅徳さんも認知症の当事者だ。
渡邊さんは現在、認知症患者が集うカフェで、当事者たちに対し自身の体験談を踏まえ明るくサポートを行っている。彼に異変が起こったのは今から3年前の当時40歳の時だった。「朝起きたら、自分がどこで働いているのか、なんの仕事をしているか、どんな人と一緒に働いているかとか、仕事に関する記憶が一切なくなっていた。職場に相談して病院に行くよう言われて診察を受けたら、認知症だと言われた」。
渡邊さんは当初違和感はあったものの、仕事のストレスだと思っていたという。しかし、書類の手直しを事務員にお願いしようとするも、名前が出てこないために自分の席に戻るということがあった。
渡邊さんは認知症という診断を聞いた時、「助かった」という思いが強かったという。「僕の場合は当時働いていた事務所を潰しかねないほどの失敗をしていて、『お前みたいなやつがわけわからなくなって、刃物を振り回して人を傷つけたりするんだから隔離された方がいい』とか言われた。認知症の症状もそうだけど、その状況がすごく辛くて」と話す。
認知症に対するイメージは“高齢者に起こる”こと。その結果、若い年代で発症しても周囲から気付かれにくいだけでなく、理解さえしてもらえない。認知症が発覚して一時休職をしていた渡邊さんだが、最終的に退職を決断した。現在は、企業に定められた障害者雇用枠での再就職を目指している。
いまだ解明されていない部分が多い認知症。現代の医学では根本的な治療法がなく、進行を遅らせることしかできない。さらに、もし再就職できたとしても…。
誰もが他人事ではない、働き盛りを襲う「若年性認知症」と社会の理解。1日の『ABEMA Prime』は、下坂さんとともに考えた。
■経済的、精神的なダメージが大きい“若年性”特有の苦悩
下坂さんによると、「意外と子どものころのこととかは覚えていて、最近のことほど覚えていない」という。現在の症状としては、簡単な計算が難しいために「キャッシュレス決済で小銭の計算などを不要にする」、通勤ルートを間違えてしまうために「スマホの地図と外の景色を見ながら確認する」などの対策を取っている。
また、若年性認知症の問題点として3つをあげる。「お年寄りと比べてまず多いのは、交通事故や頭部外傷のいわゆる高次脳機能障害。頭がダメージを受けて起きる認知症がある。それ以外の原因としては、お年寄りと同じようにアルツハイマー病が多い。その後、血管性認知症と続いて原因は同じだが、違いが3つある。1つはお年寄りに比べて進行が早い。2つ目は家族への経済的なダメージ、3つ目は精神的なダメージがお年寄りの場合よりもずっと大きい」。
「カレンダー機能に登録してあった。オファーをいただくまであんまり(番組を)知らなかったが、オファーをいただくようになってから実際に視聴させていただいたりして、しっかり忘れないようにした」
■下坂さん「笑ってくれた方が助かるし、ありがたい」
認知症の人に対する周りのサポートとして、介護の現場に8年いたEXITのりんたろー。は「認知症の人に事実を教えたり否定したりすると、余計混乱してしまう。そっちの世界に自分たちも入っていくことが大事だと思う」との見方を示す。笑って接した方が気持ちは楽なのか。下坂さんは「そうだ。その方がだいぶ助かるし、やはりありがたい」と答えた。
周囲の人の理解が必要な点について、新井氏は「アルツハイマー病になったからといって、その人が社会生活で影響を受けるというのは一部だ。進行が早いといっても、20年くらいの長いスパン。そこが大事で、診断を受けても軽度障害の場合は5年くらい全部自分で生活できるし、その人なりの生活はできる。今日の(下坂さんの)お話を聞いてみても、1人の人間として普通に生活できるし、生活も自立していける。そこをまず皆さんに理解してもらわないと、誤解がどうしても生じてしまう。病気になったとしても脳の一部で、他は正常。ひとつ記憶のボタンの掛け違いがあったとしても、それ以外は普通に判断して喜怒哀楽もあり、皆さんと付き合えるわけだ。そこが認知症になると全部破綻してしまうみたいな重いイメージを持ってしまうのが、誤解を生じる一番のポイントだと思う」と説明した。
認知症の人が働く上で、周囲の理解があればどこでも働くことができるのではと下坂さん。では、理解が得られれば元の鮮魚店の仕事に戻りたいのだろうか。「23年やってきて魚屋がすごく好きだっただけに、やはり自分が衰えていき、だんだんできなくなっていくのを仲間や後輩には見せたくなかった。そこはすごく葛藤があったが、すっぱり諦めて違う人生を歩もうかなと思った」。
最後に下坂さんは「認知症になってできなくなることは増えていくが、できることを頑張ってやっていったら進行も緩やかになっていくのかなと、自分自身思う。(認知症に)なったからといって、悲観せずに前向きに頑張っていけたら」と語った。
(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
▶映像:毎朝自分の名前を確認、初対面状態の母親に挨拶 “41年”を失った当事者に聞く「記憶喪失」
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認知症にならないためのポイント 早期発見して4つの対策を
2021/03/30 09:26
写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
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) 認知症になりたくない。少しでもリスクを下げたい。そう思っている人がほとんどだろう。では、何をすべきなのか? 新潟大学脳研究所の池内健教授に話を聞いた。
重要なのは、「軽度認知障害(MCI)」の段階で発見し、対策を講じること。MCIは、認知症のような物忘れ、記憶力低下などはあるが、自立して生活できる状態で、認知機能検査でも認知症と診断されるところまではいかない。いわば、認知症の一歩手前だ。
「MCIが100%認知症になるのではありません。ただ、半数ほどにアルツハイマー型認知症の病理が既に脳内にあり、何も対策を講じずに過ごせば、約半数が5年以内に認知症に至ります」
かつてはMCIを早期発見しても打つ手がなかったが、今は違う。
「エビデンスのある対策が確立され、MCIを早期発見し、早期に対応を講じれば、認知症に移行しない可能性がある。たとえ移行しても軽症のうちに寿命を全うできる可能性が高くなります」
MCIが疑われる物忘れとしては「まとまった出来事全体を忘れる」「日常生活で困ることがあるが、自立して生活できる」「物忘れが同年代より多いと自覚している」など。
「MCIは、物忘れ外来や認知症外来などを設けている病院で検査できます。そういった外来を受診するのに抵抗があるようなら、『アミノインデックス』という疾患リスクを評価する検査もあります」
アミノインデックスは食品メーカー「味の素」が開発した検査法。さまざまな疾患になると血液中のアミノ酸濃度バランスが特徴的な変動を示す特性を応用しており、1回の採血で済む。
■「運動」「社会参加」「睡眠」「食事」で対策を講じる
MCIだと判明したら、行うべきは有酸素運動だ。
「国内外の複数の研究で、有酸素運動が認知機能を維持することが証明されています。激しい運動ではなく、散歩のような運動でも十分です」
WHOが2019年に出した認知症リスク低減に向けた初のガイドラインでは、「65歳以上で1週間に少なくとも150分の中強度の有酸素運動、または75分の激しい有酸素運動」「少なくとも10分の長さ」「さらなる健康上の利益のため、週300分まで中強度の有酸素運動を増やすか150分の激しい有酸素運動」を推奨している。
次に、社会参加。趣味を持って人と交流する。
「特に高齢男性ではこれを苦手とする人が少なくありませんが、社会との接点を持って脳の知的活動を保つようにすべき」
睡眠時間の確保もMCIから認知症へ移行させないための重要なポイントだ。睡眠不足は、認知症の発症に関係するアミロイドβを脳に蓄積させる。前述の日中の有酸素運動や人との交流は、心地よい疲れをもたらし、質の良い睡眠にもつながる。
「さらに、食事で複数の栄養素をバランス良く取ることも必要です」
先に挙げたWHOのガイドラインでは、「地中海風の食事療法(魚介や緑黄色野菜が中心で、油はオリーブオイルなど植物性のものを使う)は、認知機能低下及び認知症のリスクを軽減する」とされており、また果物や野菜の摂取が認知症リスクの低下と一貫して関連していること、魚の摂取量の増加が記憶力低下を防ぐことにも触れられている。ただし、サプリメントで特定の栄養素を取るより、食事からバランス良く栄養摂取をすることが大切だ。
現在、複数のメーカーが認知症の根本的な治療薬の開発に取り組んでいる。近い将来、認知症に対してもっと積極的な対策を講じられるようになるだろう。その恩恵を受けるためには、現段階では、認知症を進行させない生活習慣を取り入れることが大切だ。

高齢化が進み、病気とうまく付き合いながら生活してゆくことが、より大切になってきました。また、若いうちから健康を保つ事の重要性が増してきました。
当クリニックは、内科・外科の病気全般とその周辺の病気をもった患者さんを対象とする「よろず治療院」です。特に、かかりつけ医を持ちたい、診察もお薬も一箇所で扱って欲しい、すぐに、またはゆっくり診て欲しい、家族全員を診て欲しい、等のご希望の方々には、ご満足頂けるのではないかと思っております。クリニックを知って頂くため、まずは是非とも足を運んでみて下さい。お待ちしております。
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