2005年09月14日

敗北は誰の責任か?(2)2

今回は政治の流れから考えてみたいと思います。
と言って、吉田内閣とか佐藤内閣なんていうのは知らないので、記憶がある三角大福あたりからの話になります。
その時代は、ずっと自民党が第1党、社会党が第2党で、他にずっと有ったのは共産党・民社党・公明党ですね。新自由クラブとか短期間あった政党もありましたが。
比率は、自民が5割から6割くらい、社会が3割前後、他の3党合わせて1割から2割くらいだったと思います。
選挙になると、地方が定数4だと、自民・自民・社会・公明みたいな感じで、逆に都市部は定数4で、自民・社会・共産・民社みたいになるので、こういう比率になっていたと思います。
三角大福というのは自民の大派閥で、三木派・田中(角)派・大平派・福田派ですね。まあ三木派は首相になったので三角大福になってますが、実際は小派閥で、他の3つが自民党を牛耳っていた三大派閥。特に強大なのが田中派です。
ところが田中派に大問題が発生します。ロッキード事件です。ここから田中金脈問題へと発展し、自民党は金まみれの政党・政治家は金儲け第一の悪人という不信感が広まっていくわけです。これで田中派は最大派閥ではあるが首相を出せない状況になってしまい、大平・福田・三木・中曽根という他派閥の首相を出して批判を交わそうとしていた時代です。
国民のイライラはかなり募っていましたが、しかし残念なことに、自民党に代わる受け皿が無かった。自民党が図に乗って好き放題しているが、かと言って、社会主義や共産主義を理想とする政党に政権を渡すのも……というジレンマです。さらに国民からは評判が良かった三木武夫や海部俊樹が党内の力関係によって崩壊すると、結局顔はすげ変えても、実権を握っているのはキングメーカー田中派という実態に爆発寸前まで行きました。自民党がこれを乗り越えられたのは、大ボス田中角栄が病いに倒れて表舞台から姿を消したことでしょう。この機に乗じてクーデターを起こし、田中派をハイジャックした竹下登が久々に田中派に政権を取り戻します。またこの時期はバブル経済で国民の懐もかなり潤い、貧困層が減っていたので、これがガス抜きになったとも考えられます。がリクルート問題が起こり、竹下派も田中派と全く同じと知れ渡ると、また自民党に対する憤懣が鬱積していきます。
こうした国民の鬱積が、細川連立政権を誕生させ、ついに自民党を野党に転落させる結果となります。やはり日本新党や新進党という自民以外の保守系新党の誕生が最大の要因でしょう。基本的に資本主義・自由主義の政党が2つでき、片方がひどい場合は政権を移す。多数の日本国民が望んだシステムの基礎が、ここで出来上がったと思います。
これが現在の自民・民主の二大政党への流れと繋がります。民主への期待の高さは前々回の衆議院選挙、前回の参議院選挙での躍進が表しています。国民は民主党に大いに期待していたのです。

では、なぜ今回は無様に負けてしまったのでしょうか?やはり郵政民営化への対応が最大の原因だろうと思います。郵政民営化に対する民主党の態度は明らかにおかしかったと思います。それは以前にも述べた様に、支持団体である労組に対する遠慮が原因だと思います。国民に対しては民営化の方向を打ち出した方がいい。しかし労組に対しては反対の方向を打ち出すべきだ。こうした二律背反した立場が対案を出せない状況を作り出し、「民営化には賛成だが政府法案には反対」というかなり苦しい主張をせざる負えなくなり、自民党に勝てなかった。
前回の参院選で民主党のシャドーキャビネットに名を連ねていた田中康夫は「民主党は労組に手を切らなければ、真の国民政党にはなり得ない」と言い、菅さんなどは苦い顔で聞いていましたが、まさにその通りだと思います。
労組から逃れられず、党議拘束をかけてまで郵政法案に反対していた民主党に、かつて何でも反対野党だった社会党の陰を見た気がしました。そういう微妙な臭覚を国民はきちんと持っています。

別に労働者をないがしろにしろと言う気はありません。財界層向きの自民に対して、民主が労働者向きであることはまったく悪くありません。ただし、ヒモ付きになるのが良くないと言っているのです。そこが特定郵便局長会というヒモを一本切った自民党に破れた原因だと思います。

もちろん自民党には大きなヒモがたくさん残っています。さらに創価学会というパイプを持つ公明党との連立は最大のヒモと言えるかもしれません。民主党が労組というヒモを切って国民第一の政党になった時が、自民党を越えられる瞬間ではないかと思います。

uesama0101 at 04:43│ 政治 | ニュース

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この記事へのコメント

1. Posted by Utaiki   2005年09月16日 15:21
皆さんの意見に接して共通していることは当事者意識が見いだせないということです、選挙人全てが当事者なのです、この認識がないと批判と議論で終わってしまいます。

同じ轍を踏まないためにも、このことから多くを学ばなければなりません。
2. Posted by ブログ主   2005年09月16日 18:39
コメントありがとうございます。
前半3行に関してはまったく同意見です。

ただし「同じ轍を踏まない」という言葉は「間違いを反省して繰り返さない」という意味で用いられます。敗北した民主党に関しては当てはまると思いますが、もっと広い意味で用いられたのならば、現段階で国民の選択を「間違い」と断定することはできないと思います。