誠に僭越ながらAdvent Calendar15日目を担当させて頂く慶應義塾大学3年の和田と申します。事前に公開していた記事タイトルに関して、「お父さんは自宅」のプレイングマネージャーから、「和田が記事を書くのなら和田で勝負しろよ、遠慮はいらない」との指令が飛んできてしまったため、突然ではありますが変更させて頂きました。お父さんは自宅についての記事を待ち望んでいた方には大変申し訳ないのですが、公式HPhttp://ourfatherisathome.wixsite.com/otosan-official等を見て満足していただけたら良いかなと思います。ちなみにお問い合わせしてもらえれば手が空いている時に返信するかと思います。

さて、本題に入っていきたいと思います。知っての通り、ポイントオリエンテーリングには様々な競技形式があります。ロング競技、ミドル競技、スプリント競技、そしてリレー競技など。僕は個人で競う競技についてはそこまで好き嫌いはありません。しいて言えばKOLCでエリートを経験した事がある人の中では最も走るのが遅い自信があるので、スプリント競技に多少苦手意識があるくらいです。ですが、複数人でチームを組んで競うリレー競技にだけは特別な思い入れがあります  。
現在の僕は1,2を争うほどの頻度でオリエンテーリングをしていますが、オリエンテーリングを始めた当初はそこまでのやる気はありませんでした。そんな僕の意識を変えたのは、2年前のクラブ7人リレーです。詳しい内容は割愛しますが、お父さんは自宅の7走として(半分強制的に)出走することになり、そして順位を落としました。オリエンテーリングを始めてから間もない当時の僕の実力からするとその程度で済んで良かったとも捉えられますが、それでも自分の中にもっとやれた、迷惑をかけてしまったという悔しい気持ちがありました。それと同時に、他の強豪チームに引けを取らない走りで7走の僕まで繋いでくれたチームのメンバーたちの頼もしさも感じました。それは憧れに近い感情だったのかもしれません。オリエンテーリングを始めた時には身の回りの速い人たちの事をすごいなと思う事はあっても、彼らに勝ちたいとか勝てるように頑張ろうとか全く思っていなかったし、違う世界に生きているようにさえ感じていて、でも7人リレー後には「こいつらに勝ちたい、競い合えるくらい速くなりたい」と思っている自分がいました。要は「オリエンテーリングが凄く速い友人」が「ライバル」や「目標」へと変化したという事なのかもしれません。
このようにして、僕の中にオリエンテーリングにおける「ライバル(と目標)」の存在が誕生し、本気で速くなりたいと思い始めました。それから毎週のオリエンテーリングには欠かさず参加したし、走るのは嫌いだったけれど、普段のトレへの参加率も(多分)100%になりました。

余談ですが今年のクラブ7人リレーも僕は「お父さんは自宅」として出走しました。メンバー1人1人がそれぞれの出来るベターなレースを展開し、最後にDISQはしたもののタイムは学生トップという思いもよらないもので、応援するのも自分が走るのも最高に楽しいリレーでした。この日のためにオリエンテーリングを続けてきて、そしてまたこういうリレーをするために自分はオリエンテーリングを続けていくのだろう、そう思えました。個人で走るのも良いですが、リレーは一緒に心の底から喜び、悔しさを感じる仲間がいる分特別なものです。リレーの大会が近くであるなら、是非皆さん積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

オリエンテーリングに限らず、競技で強くなるためには自分と同じ目線で話してくれるライバルが身の回りにいることと、そのライバルに負けるのを良しとしない負けず嫌いな心、「意地」が必要だと僕は思っています。例えば、オリエンテーリングを始めてからわずか1年半でインカレスプリント優勝・インカレロング入賞を成し遂げた伊藤選手。彼がここまで短期間で伸びたのは、横浜国立大学の同期稲森選手の存在と本人の負けず嫌いな気質があったからなのではないかと個人的に思っています。

僕はフィジカル的な才能も、オリエンテーリングのセンスも特に無いです。1年生のころは一度も表彰されたこともないし、良いレースをしたという記憶もほとんどありません。昨年度のインカレミドル・リレー後に辛いと思ったことも、諦めそうになった事もありますが、今でも速くなろうと思って毎日走れているのは負けたくない存在がいたからだと思っています。

勝つまでやる。負けないためにやる。差をつけられたくないからやる。単純で子供っぽく見えるかもしれないけれど、この意地が努力を続けていくためには重要だと思っています。僕について言うと、 普段のトレーニングとかはもうこの「意地」だけで続けていると言っても過言ではありません。

これだけ意地になっていると、勝った時にとても嬉しいです。だからこそまた次も勝ちたいと意地を張るのかもしれませんが...。この記事を読んでいる人も、身の回りの負けたくない人を見つけて意地になってみませんか?


という感じで記事を締めたかったのですが、少し文字数・内容ともに物足りないように感じてしまったので、僕が走った中で強烈に感じた2つのレースの思い出話でもしようかなと思います。とはいえあの追いコン練・会長練の記事ほど面白いものでもないので、興味がある人だけご覧ください。

①2013年度入学同期合宿3日目リレー
テレイン:番匠峰古墳Ⅲ
当時2年生だった僕は、一つ上の代の同期合宿に混ぜて頂く形で参加していました。地図読みなどで事前に番匠峰古墳の地図を見ていた僕は「結構スピード出そうだし、比較的ヤブも少ないテレインで楽しそう~」なんて思っていましたが、幻想でした。最後の地図修正から1年半程経過したこのテレイン中央上部分は、地図の表記とは全く異なるすさまじい薮に覆われた魔界となり果てていました。地図ではA、現地ではCという状況が当たり前のように存在し、ランク3で描かれている道さえも辿れなくなるという事態が起こり、とんでもない場所に来ているのではあるまいかと恐怖を感じる程でした。
当時のレース地図↓

 2016-12-14-01-37-38

 現在の地図(2015年11~12月修正)↓

2016-12-14-01-38-25

7番コントロール手前の尾根を乗り越えた後に白い沢が見えた時の安心感は言葉に表せません。なんとかチェンジオーバーをした後、どうやらパターン差が結構ありそうだという話になりました。生還した人の話によると、僕が走ったパターンはまだ全然楽で、他のパターンはもっと厳しい場所にコントロールが置かれていたとのことでした。ラップセンターを見てみると、恐ろしい事に6→7の平均ラップタイムが24分を超えているパターンさえあります。ビジュアルに姿を表し、そしてそのまま歩いてゴールをパンチし、棄権したH本さん曰く「そこには藪の天国が存在した」とのこと。真夏の矢板をナメていました(地図が修正されていなかったのも大きいと思うけれど)。

②2016年度KOLCロングセレ対策練(2016/6/25)
テレイン:赤根
この日のコースプロフィールは
「ME、WEクラスはタフなコースになっています。翌週のセレで戦い切るだけの体力があるか試されます。挫けずに完走できた人はたくましくなっています。」
というものでした。ちなみにコース設定者はKOLCが生んだ奇跡のゴリラ、OB 1年目のT中M士さんです。公式発表のアップ率は8%を超えており、非常にタフなレースでした(僕の独自調査によると実際のアップ率は10%ほど)。スタートしてからまず登り、そして要求される尾根切り、激斜コンタリング、さらには真夏の日差しが容赦なく参加者の体力を奪っていきました。僕も例外ではなく自分の限界と戦いながら走っており、Tばなさんと並走している際に仲良く二人でマップアウト。自分の身に何が起きたのか全く分かりませんでした。
TばなさんのGPSルート出力↓

image
ウイニングタイムは75分とされていたのですが、実際の1位は、
次週の関東インカレで2位と7分差でトップだったTばなさんの115分。結局120分を切ったのは1人だけという散々な結果でした。ラップセンターを見た他団体の人に「来週のロングセレ、KOLC大丈夫か?」と思われてしまったに違いありません。途中感情が無くなる箇所もありましたが、最後の方には自然と笑顔がこぼれる素晴らしいコースでした。


こういうオリエンテーリングもたまには良いものだなと思ったりします。いつかKOLCでもOLKみたいなコンセプト練習会を開きたいなと思っていたりします。