翌朝、5時すぎに目が覚めました。
朝食は、縦走する場合に備えて頼んでいませんでした。
昨夜、七倉尾根ピストンに決めた時点で朝食付きに変更を申し出ればそれもできたけど、
おにぎり等の食材を消費したかったのと お天気も良さそうなので、
小屋前のベンチで夜明けの空を眺めながら朝ごはんを食べようと思ってました。

着替えてスタッフサックにガスや水、食材を詰めて、防寒対策を整えて外に出ると、
既にライトなしで歩けるくらいに東の空が明るくなっていました。
風も無風に近く、あまり寒くなさそう。
それじゃ、せっかくなので小屋から10分の七倉岳山頂でごはんにしようと、いそいそと移動開始です。

浅間山の後ろから、太陽が昇ってきているようです。
途中、視界の端に何か動くものが入り びっくりしたら、若いライチョウでした♪

まだ小さかったから、きっと今年生まれた子かな。 足元から冬毛に生え変わり中みたいです。
きみもそんなふうに夜明けの空を眺めるのが好きなんだね。

しばらくここでライチョウと一緒にオレンジ色に染まる空を見ていましたが、
隣であんまりバシャバシャとシャッター切るのも気が引けた(切るたびにチラ見されちゃいました)ので、
驚かさないよう脇をすり抜け、すぐそこのピークへ移動しました。
今朝は、まるで乗れそうなくらい分厚い雲海が街を埋め尽くしています。

昨日は見えなかった八ヶ岳や富士山も遠くに確認できます。

雲海と違って上空の雲は薄くて動きが早い。
こちらは燕岳から槍ヶ岳までの表銀座。今朝は雲も掛からず見ることができました♪

う~~ん、なんて静かないい朝だ!
さてと。 おなかも空いてきたのでごはんの準備を・・・といってもお湯沸かすだけだけど(笑
パンとおにぎりと、熱々スープ。 いただきまーす。 あぁ幸せ

・・・と、そんなことしてる間に、日の出の瞬間を見逃しちゃいました(汗
素晴らしい眺めと、食後のコーヒー。

インスタントなのに美味しいのは、湧き水で淹れたからかな。
それともこの空気と景色のおかげかな。
陽を浴びて、少し動き始めた雲海。

目の前の不動岳にも徐々に日が当たり その存在感が増していきます。

いつまでもぐるぐると方向を変えながら、360度のパノラマを楽しんでいたかったのですが、
熱いコーヒーも飲み干し、さすがにじっとしていたら冷えてきたのでそろそろ小屋に戻ろうかな。

何やら小屋から聞き覚えのある音楽が流れてきます。
おぉ! 雲上のラジオ体操!!

皆さんビシッと揃ってます♪ いいなぁ~私もやりたかったな^_^
上空にはつるし雲。 お天気持つかな?

体操が終わる頃に小屋に戻りました。
小屋の前では、皆さん記念撮影をしたり荷造りしたりお別れの挨拶をしたりと、
出発前のひとときを過ごしていらっしゃいました。
昨日散策をご一緒したMayumiさんは、この日は烏帽子小屋までの行程だそうで、
地下足袋スタイルで颯爽と出発していかれました。

他にも烏帽子小屋へ縦走する方が数名。
私は下山するだけのつもりだったので、ゆっくりと皆さんをお見送り。
すると、嬉しいことに霧ヶ峰のゆうさん&マックンが声をかけてくれました。
「北葛岳へ行ってみようと思うんだけど 良かったら一緒にどうですか?」
おぉ!それはいいな♪ と、お言葉に甘えてご一緒させて頂くことに。
小屋に戻って準備をして、不要な荷物を小屋に預かっていただき、北葛岳へいざ出発~。

相変わらずの雲海、上空にも雲が多めだけど、まぁ良いお天気♪
すぐ近くに見える北葛岳ですが、往復4時間のコースタイムです。 (写真右が北葛岳、左奥が蓮華岳)

針ノ木岳と針ノ木谷。

この谷には、船窪小屋のお父さんが復活させた針ノ木古道が続いてる。
それを知った今日は、昨日とはまた一味違った景色に見えます。
それから、この二人との会話もとても新鮮でした。

同じ景色を眺めても、尾根の向こうとこちらで植生が違うことについて話が膨らんだり、
鳥の鳴き声ひとつ聞いても、これは警戒してる声だ、と教えてくれたりして、
なんだか私も自然博士になった気分^_^
そんな話をしたり、時おり太陽が雲から出てきて山がスポットライトを浴びる瞬間を撮ったり。

鎖場通過中のマックンにもスポットライト!

気楽にハイキング気分で来たけれど、七倉岳を過ぎるとこんな風に少し険しい所も何箇所かありました。
ウスユキソウのドライフラワー。

普段から自然に接している彼らだからこそ気づける、私が見落としていた小さな足元の世界でした。
こちらは、この前白馬でも見かけたシラタマノキ。

落ちていた実のひとつを拾い上げて、つぶすと湿布のような不思議なにおいがすると教えてくれました^_^
登り返しが急だったのだけど、自然探索しながらピークに到着です!

ゆうさんが、美味しいコーヒーを淹れてくれました♪

今朝のインスタントコーヒーも美味しく飲んだけれど、やっぱりドリップのほうが断然美味しい~。
おやつとともに、美味しく頂きました!
しっかり立ってる山頂標識のほかに、動かせる石の標識があったので針ノ木岳をバックに記念撮影。

おやつを食べながら、後ろから追って来るゆうさんのお友達ご一行を待ちます。
すると、、、お~来た来た! ゆうさんのお友達が中央の女性Rさん、旦那さんとお友達とご一緒でした。

なんとRさん、この可動標識の製作者ご本人ということが判明!!

彼女は横尾山荘で働いていて、昨年(?)船窪小屋に一時期お手伝いに来た時に作ったとのこと。
とても便利なものを作ってくれて、ありがとうございました!
Rさんとお友達は、針ノ木から扇沢へ下りるので、ここでお別れです。 お気をつけて!!

旦那さんのMさんは車回収のため、七倉尾根ピストン(笑
ということで小屋まで一緒に帰ります。

Mさんは昨シーズンまで北穂小屋で働いていたのだそう。 現在は怪我のリハビリ中。
彼もまた、自然に密に関わる暮らしをしてきた方で、いろいろ興味深い話を聞かせていただきました。

小屋に戻ると、また鐘を鳴らしてのお出迎え。 ありがたいことです。

小屋番のトモさん、この単眼鏡で私たちが北葛岳でくつろいでいる様子を見ていたんだそうです。

「手を振ったのに、記念撮影に夢中で全然こっち見ないんだもん」 とぼやく彼は、
今度はRさんたち二人がどのあたりを歩いているか探し中。
「あ、いたいた。 蓮華の大下りを登ってる」
そうやって、登山者ひとりひとりのことを気にかけてくれているって思うと、なんかじ~んときます。
下山したくないなぁ、もう一泊したいなぁ。
名残惜しく、小屋の中を最後にうろうろ。

壁にびっしりと貼られた数々の思い出写真も小屋の歴史を感じさせますね。
キクラゲ入りのみそラーメン。

私はおにぎりがあったので頼まなかったのだけど、男性陣が注文して、
ゆうさんにちょっとおすそ分けを頂いちゃいました^m^
食後、Mさんがキノコ探しをするというので一足先に下山。
私たちはお茶をいただいたりしてまったりしちゃいましたが、ついに下山のときがやってきました。
こんな人懐っこい笑顔で「いってらっしゃーい」と見送られたら、なぜか一瞬泣きそうになりました。

てことは、今度来る時は「ただいま」と言っていいのでしょうか^_^
お言葉に甘え続け、下山も二人と一緒です。

天狗の庭付近(だったかな)。もうすぐ雲の中へ突入だ・・・

雲の中は意外と明るく、紅葉も満喫しながら歩けました。

帰りも二人の言葉に教えられることばかり。
霧ヶ峰での暮らしについてもいろいろと聞けて楽しかったです。

上でのんびりしすぎたせいで、途中で日暮れが心配にもなりましたが、何とか駐車場に戻ってきました!

お二人には本当にお世話になり、ありがとうございました!
病み上がりのソロということで不安もありましたが、ふたを開けてみれば充実の二日間で、
いまもときどき思い出しては自然とにやにやしてしまうほど、思い出の詰まった山旅になりました。
先日、今シーズンの営業を終えた船窪小屋ですが、今度はUちゃんと一緒に再訪したいと思います!
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