2007年01月05日

Wishful Thinking/PROPAGANDA

Wishful Thinking/PROPAGANDA

プロパガンダ [ PROPAGANDA ] は1984年にZTTレーベルからデビューしたドイツのグループで、当時のメンバーは、クラウディア・ブルッケン [ Claudia Brucken ] (V)、スザンヌ・フライタグ [ Suzanne Freytag ] (V)、マイケル・マーテンズ [ Michael Mertens ] (Per)、ラルフ・ドーパー [ Ralf Dorper ] (Syn) からなる男女4人組。

ライヴ時には、録音にも参加したシンプル・マインズのベーシスト、デレク・フォーブス [ Derek Forbes ] や、同じくシンプル・マインズのドラマー、ブライアン・マクギー [ Brian McGee ] 、他にもジャパンのドラマー、スティーヴ・ジャンセン [ Steve Jansen ] なども参加し、ツアーも行われました。

本作『Wishful Thinking』(1985) は、ZTTでの唯一のオリジナル・アルバム『A Secret Wish』のリミックス・アルバム的な作品ですが、単なるリミックスをかき集めたものではなく、原曲を一旦解体して再構築したような雰囲気の、立派に1枚の作品として聴くことのできるアルバムです。

A Secret Wish』は、ZTTの創始者トレバー・ホーン [ Trevor Horn ] と彼の右腕スティーヴ・リプソン [ Stephen Lipson ] という例のコンビでプロデュースされていますが、本作『Wishful Thinking』に関しては、元ジャーナリストでZTTの広報を担当し、後にクラウディアの夫となるポール・モーリー [ Paul Morley ] と、ポール・マッカートニーやペット・ショップ・ボーイズなどのアルバムにも参加したロバート・クラウシャー [ Robert Kraushaar ] がプロデュース(リプロダクション)に当たっており、元アルバムとは違った趣の姉妹アルバム的な作品に仕上げられました。

「Dr. Mabuse」のプロモ映像
「Duel」のプロモ映像
「P-Machinery」のプロモ映像
TV番組での「P-Machinery」のライヴ映像(口パク?)
TV番組での「Murder of Love」のライヴ映像

個人的には、オリジナルでスザンヌが歌うパンキッシュな「Jewel」と、シングルとしてもヒットしたクラウディアがボーカルの「Duel」という姉妹曲を一つの楽曲にミックスした5曲目の「Jewelled」が大好きで、他にも、メドレーのように楽曲を繋ぎ合わせたり、音遊び的に元曲のパーツをコラージュして貼り合わせたりしており、元曲のパーツだけで出来た小曲をはさんだりすることで全体を一つの作品としてまとめ上げてあります。(アマゾンで試聴可能です。)
そういった意味ではこちらの方がよりプログレ的な要素もあり、『A Secret Wish』を聴いたことのある方なら楽しんで頂ける作品だと思います。

このようなリプロダクションは、まさにフェアライトシンクラヴィア(当時の超高級、大容量のサンプリングマシンで、鍵盤こそついてはいましたが、どちらかと言えば音楽用のマルチトラック・ハードディスク・レコーダー的なもの)ならではの加工技術ですね。
現在ではこのような加工も比較的安い機材で試みることも出来るようになったわけですが、当時は一台数千万円もしましたから、プロのミュージシャンや大きな録音スタジオでもなかなか手が出るようなものではありませんでした。(ちなみに、この当時、日本でシンクラヴィアのフルセットを所持していたのは富田勲さんと加山雄三さんのみ。)

そういった意味では、電子楽器などを使用し、パソコンやハードディスク・レコーダーで録音、加工をされている方にも技術的なお手本として興味深く聴いて頂くこともできると思います。

この後、プロパガンダとしては、マイケル・マーテンズ以外の3人のオリジナル・メンバーが脱退し、代わりにゲスト扱いだった元シンプル・マインズの2人が正式メンバーとして加入、新たにアメリカ人の女性ボーカリスト、ベッツィー・ミラー [ Betsi Miller ] を迎え、ヴァージンから2ndアルバム『1234』(1990) を発表するも、前作のようなインパクトを与えることは出来ずにそれっきりで自然消滅、2000年に一度だけマイケルとクラウディアの2人でライヴのために再結成されたようですが、以降は活動している話は聞きません。

一方、クラウディアは、ネオアコの総本山とも言われるチェリー・レッド・レーベルからソロ作品を出していたトーマス・リーア [ Thomas Leer ] とアクト [ Act ] というユニットを結成、ZTTから『Laughter, Tears and Rage』(1987) を発表し、以降はソロとしても『Love And A Million Other Things (邦題:愛は万華鏡のように・・・)』(1991) を発表、最近では同じく元ZTTの在籍アーチスト、アンドリュー・ポピー [ Andrew Poppy ] と共に『Another Language』(2005)、OMDのポール・ハンフリーズ [ Paul Humphreys ] と共に『Item』(2005)というアルバムを発表するなど、精力的に活動しています。

また、ラルフはプロパガンダ結成以前に在籍していたインダストリアル系バンド、ディー・クルップス [ Die Krupps ] に戻り、その後はややメタル寄りなサウンドを展開、スザンヌはスピリット・フィール [ Spirit Feel ] というユニットでボーカルを担当し、ゲストでクラウディアを招いたようですがこちらは未確認のため詳細は分かりません。

現在では本作の他に、ZTT時代の未発表曲や未発表テイクをまとめた『Outside World』や、DVDとCDをセットにした『Outside World』(ただし、PAL方式のDVDですのでご注意ください)なども発表されているので、興味を持たれた方は聴いてみられてはいかがでしょう。

しかし、このZTT在籍時代のプロパガンダ、私にとっては忘れられないグループです。
/BLマスター

uknw80 at 20:14│Comments(2)TrackBack(2)PROPAGANDA | ◆ZTT レーベル

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この記事へのコメント

1. Posted by TY   2007年01月06日 06:09
昔、スティーヴ・ジャンセンがドラム叩いてリチャード・バルビエリが鍵盤のライヴの映像を見た事あるんですけど、どの曲だかお分かりになりますか?
2. Posted by BLマスター   2007年01月06日 11:43
TYさん、まいどです。
リチャードが参加したライヴというのは知らないです。
前回の『A Secret Wish』のレビューで紹介したスティーヴがドラムを叩いている「P-Machinery」の映像ではないんですよね・・・。
↓ ちなみにこちらでご覧頂けます。
http://www.youtube.com/watch?v=Br_2YDOPYi0

私も観てみたいです。

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