2007年01月18日

if i was : the very best of midge ure & ultlavox

if i was/Midge Ure

今日紹介するのは、2代目ウルトラヴォックス [ Ultravox ] の顔、ミッジ・ユーロ [ Midge Ure ] のベスト盤です。

グラスゴー郊外出身のミッジ・ユーロは1953年10月10日生まれの今年で54歳。
彼の本名はジェームズ・ユーロでして、ミッジというのはジェームズの略であるジム [ JIM ] を逆さに読んで [ MIJ ] 、そこからミッジと呼ばれるようになったそうです。

ミッジのデビューは彼が21歳の時のことで、スリック [ Slik ] というハード・ロック系バンドで地味なデビューをしているのですが、その翌年にはマルコム・マクラレンからデビュー前のセックス・ピストルズのギターとしてお誘いがあったそうです。

ミッジはそれを断ったものの、当時ベイ・シティ・ローラーズをプロデュースして成功を収めていたビル・マーティンとフィル・コーターによって、スリックはアイドル路線へと変貌を遂げ、76年1月には「Forever and ever」で全英チャート1位を獲得します。

貴重なスリックのライヴ映像 ミッジ、わ、若い!

しかし、アイドル路線での活動に不満を持ちながら長続きするはずもなく、77年にはスリックと同じメンバーでPVC2というパンク系バンドにスライドし、本格的な活動を始めようとした矢先に、元ピストルズのグレン・マトロックからリッチ・キッズ [ Rick Kids ] のボーカルとして誘いを受け、それを引き受けます。

リッチ・キッズは元ピストルズのマトロックを中心に、同じくピストルズに数週間在籍していたこともあるギタリストのスティーヴ・ニュー、そしてドラマーのラスティー・イーガンによる、今で言うパワー・ポップ系のバンドで、後に有名になったポール・ウェラー(ジャム)、ミック・ジョーンズ(クラッシュ)、ケヴィン・ローランド(デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ)なども一瞬とはいえ加わったこともあるバンド。

リッチ・キッズでは、グラム期のデヴィッド・ボウイをプロデュースしたことでも有名なミック・ロンソンを迎え、78年にデビュー・シングルや1stアルバム『Ghosts of Princes in Towers』が制作されるも商業的にはイマイチな成績(アメリカではそこそこのヒットとなっているようです)で、シンセサイザーを用いたニューウェーヴ路線に興味を持ち始めたミッジとロック指向の強いマトロックの方向性の違いから同年末にはあっけなく解散してしまいます。

貴重なリッチ・キッズのライヴ映像

しかし、翌79年のミッジは大転換期を迎えます。

時を同じくして、フロントマンのジョン・フォックス [ John Foxx ] とギタリストのロビン・サイモンを失ったウルトラヴォックスは一時的に活動休止しており、残されたメンバーでエレクトロニクスを担当していたビリー・カリー [ Billy Currie ] が、初期ウルトラヴォックスに影響を受けたと公言するゲイリー・ニューマンのツアー・メンバーとして参加していました(アルバム『THE PLEASURE PRINCIPLE』ではバイオリンで参加)。
ミッジは、自らが企画段階であったニュー・プロジェクトのヴィサージ [ Visage ] にカリーを誘い、逆にカリーからウルトラヴォックスへ誘いを受けることとなったのです。

しかも、この頃、シン・リジィ [ Thin Lizzy ] というハード・ロック・バンドでもツアー中にギタリストのゲイリー・ムーア [ Gary Moore ] が脱退するという出来事が起き、リーダーのフィル・リノット [ Philip Lynott ] から直々にミッジ・ユーロへの誘いがあり、それをも引き受けていました。
ちなみに、ミッジはこの頃、シン・リジィのメンバーとして日本公演も果たしているそうです。

驚くべきは、これと並行して、ヴィサージと新生ウルトラヴォックスのレコーディング、さらには新生ウルトラヴォックスでのライヴもこなし、ヴィサージのデビューシングル「Tar」を発表、さらに翌1980年には自己資金でウルトラヴォックスのアメリカツアーまでも行い、4thアルバムとなる『Vienna』とヴィサージのデビューアルバム『Visage』を発表したのです。
なお、この2枚のアルバムは、この頃生まれたニュー・ロマンティック・ムーブメントの祖の一つとして重要な作品と言われています。

「Vienna」のプロモ映像
「Vienna」のライヴ映像

この後、ウルトラヴォックスとヴィサージという2つのバンドを掛け持ちながら、ミック・カーン [ Mick Karn ] などともコラボ作品を発表、84年にはチャリティー・ブームのきっかけとなったバンド・エイド [ Band Aid ] の「Do they know it's Chiristmas?」で作曲とプロデュースを行い、85年にはソロとしてもデビューしました。

今作は、93年にリバイバル・ヒットとなった「Vienna」がきっかけとなり編集されたもので、ミッジ・ユーロの参加した数々の作品の中から1991年までのウルトラヴォックス、ヴィサージ、ソロ、コラボ作品までも幅広く収録した非常に親切なアルバムです。

ミック・カーンの大好きな私からすれば、他のCDにはなかなか収録されなかったミックとのコラボ作品「After a Fashion」が収録されているのが感動もので、今回紹介しているアメリカ盤ではイギリス盤よりも一曲多くデヴィッド・ボウイのトリビュート盤『David Bowie Song Book』(1997年)に収録されたカバー曲「The Man Who Sold The World(邦題:世界を売った男)」が収録されています。
この、いかにもミッジらしいアレンジのカバーは、彼のファンにはぜひとも聴いて頂きたいところです。
しかし、残念ながら、TVCMに使われ日本のみでのシングルカットとなった「New Europians」は収録していません。

なお、ミッジ・ユーロは、ウルトラヴォックスのアルバムでは『Vienna』(1980)『Rage in Eden』(1981)『Quartet』(1982)『Lament』(1984)『U-Vox』 (1986) の5枚を残して脱退、ヴィサージとしては『Visage』(1980)『The Anvil』(1982)『Beat Boy 』(1984) の3枚を残して解体、以降はソロとして一時期ほどの勢いはないにせよ、現在でも精力的にライヴ活動なども行っているそうです。

最近のミッジ・ユーロのTVライヴ映像 口髭がなくなったんですね。しかもかなりのMで・・・。

一方、ウルトラヴォックスの方は、ミッジの脱退以降ビリー・カリーが中心となり継続し、オリジナルアルバムとしては94年発表の『Ingenuity』以来新作の発表はありませんが、今のところ解散宣言はしていないようです。

しかし、こうしてミッジの歴史をたどると、かなりの苦労人であることがわかりますよね。
特に1979年前後の活躍は凄まじいものがあります。

まさしく、出るべくして出て来たアーチストなんですね。

でも、ちょっとだけピストルズでギターを弾くミッジ・ユーロも観てみたかった気がします。
怖いもの見たさ・・・ってやつでしょうか。
/BLマスター

uknw80 at 21:07│Comments(8)TrackBack(0)ULTRAVOX 

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この記事へのコメント

1. Posted by ブルースター   2007年01月19日 08:45
なんと〜タイムリーな!
実は私・・・今ごろになって
Thin Lizzy の薔薇のアルバム(何と言うタイトルだったか)を購入しまして
ボノを発掘した(と記憶)ライノット氏に興味がフツフツと湧いている次第です
彼と仲良しギタリストのサイクス氏も
G・ムーアが行方不明になって困った時のミッジ
とウ゛ィサージが代わりにの記述・・・って
どんな事だったの〜???
最近D・トーン氏の変態ギターより謎が深まっていて
も〜これでよく解りました感謝です!
ちなみにニューヨローピアンス私も大好きです
最近聴いても全然ナイスですよね・・・
2. Posted by ブルースター   2007年01月19日 11:52
本日こちらのブログを
リンクをさせて頂いただきました
猫ブログですが
たまに音楽のの事も書きますので・・・
素敵な管理人さま達一人一人を記載するスペースがなくてちょうど4人さまだったので・・・
さらば青春の光から『四重人格』よりQuadropheniaとさせて頂きました

事後報告で申し訳ありません
御都合悪ければ
おっしゃってください

3. Posted by BLマスター   2007年01月19日 21:06
ブルースターさん、まいどです。
どうやらこの時ゲイリー・ムーアはメンバー間のトラブルで突然失踪したらしいですね。
ミュージシャンの間で失踪するのが流行った(?)のはこの頃だったでしょうか。
私はジョン・フォックス時代のウルトラヴォックスが大好きでしたので、アイドルバンド〜ハードロックバンドにいたミッジ・ユーロにどうも馴染めなかったのを覚えています。
今考えると、いつの間にやら好きになっているんですが・・・。
しかし、スリックの映像は初めて見たのですが、音もルックスも若いです。

あと、リンクの件、光栄です。
ありがとうございます。
早速、こちらでもリンクさせて頂きましたので、これからも末永くよろしくお願い致します。
4. Posted by ブルースター   2007年01月19日 22:55
私の方のリンクまで
ありがとうございます

え!実は私もウルトラボックスのファーストアルバム大好きです
J・FOXXはコンサート行ってしまいました
ミッジ・ユーロ氏が大好きなのかな〜っと言い出しにくかったのです・・・
J・Foxxの『ガーデン』ってアルバム
今も大好きです

こちらこそ末永く宜しくお願い致します
5. Posted by かづ   2007年01月20日 19:20
そんな凄い経歴の方でしたか。
彼の活動はウルトラヴォックスくらいしか知りませんでした。
ヴィサージに参加していたのさえ知りませんでした。
「New Europians」が日本のみでのシングルカットだったなんて。
海外でカットしても売れそうな曲でしたけどね。
今回はたいへん勉強になりました。
そのうち、このアルバム購入します。
6. Posted by BLマスター   2007年01月22日 16:16
ブルースターさん、まいどです。
おおっ、John Foxxのライヴ行かれたんですか。
私は生フォックスを観たことがないので羨ましいです。
私だけでなく、星もMOOOMも『THE GARDEN』が大好きだそうで、熱く語り明かしたこともあるんですよ。
まあ、ミッジ・ユーロが嫌いというわけではないんですが、個人的には初期のウルトラヴォックスの方がイメージが濃いです。
とはいえ、今作には貴重なミック・カーンとのコラボ曲「After a Fashion」が収録されていまして(CDでは今作のみのはずです)、ミック好きにはヨダレものとなっています。
7. Posted by BLマスター   2007年01月22日 16:21
かづさん、まいどです。
ヴィサージが唯一のミッジ主催のユニットなんですが、他の活動歴は凄まじいものがありますよね。
最近の映像を見ると大御所っぽくなっていて、ダンディーな感じです。
今作は数々のグループ、ソロをまとめたベスト盤なのでちょっとまとまりのないイメージですが、お得なアルバムですよ。
ぜひぜひライブラリーに入れて下さい。
8. Posted by Bluestar   2008年10月24日 01:29
も〜本当に久しぶりでございます
ブルースターです
最近はクラッシック漬けになっておりました
最近小さな身体であのパワーあふれる
ミッジに共感を得て
ミッジがらみの記事を書きまして

断片的な記事なので
こちらの記事記事をリンクさせていただけると
より解りやすいのです

リンクの件宜しくお願い致します

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