2007年03月03日

Everything could be so perfect.../Anne Pigalle

Anne Pigalle

アン・ピガール [ Anne Pigalle ] をご存知でしょうか?

彼女は、1985年にトレヴァー・ホーン主催のZTTレーベルからシングル「He! Stranger(邦題:異邦人)」でデビューし、同年、デビュー・アルバムである本作『Everything could be so perfect...(邦題:青春の彷徨)』を発表、ワールド・ツアー後(来日公演もありました)、あっさり消えてしまった伝説と言っても良いくらいすばらしいアーチストなんです。

なお、英国盤では、「Hot Sagas」という珍しい10inchのマキシ・シングルと、「Why Does It Have To Be Way...(邦題:何故に...)」のシングルが発表されています。

本作は、9曲中6曲が英語3曲が仏語で歌われており、彼女の、フランス訛りの英語のせいなのか、生まれもってのものなのか、アルバム全体を通して独特のアンニュイ(死語?)な大人の雰囲気を漂わせています。

アルバム全体の出音としては、ZTTらしさを感じる大袈裟な空間処理や、独特の音色に夜アレンジは施されているものの、ストリングスなどのオーケストラ系の音色が前面に出ており、非常にムーディーなイメージが残ります。

わかりやすく言えば、旧い映画音楽のようなムーディーさと、フランス系アーチストの持つ独特のアンニュイさ、そして80's UKならではのゴージャスな空間処理と電子楽器、それらを、シャンソンやワルツなどで味付けをしたような音楽ということになるでしょうか。

私にとってはZTTの作品の中でダントツの大好物で、昨年、私がプロデュースしたファッション・ショーの大切な最終シーンでこの「He Stranger」(12inchバージョン)を使ったほど。
また、20年以上経った今でも、お店でこのアルバムを流すことがあるほど聴き込んでいる作品なんです。

実は、以前から何度か本作の紹介をしたかったのですが、紹介するための盤自体がアマゾンで品切れのため記事にすることができませんでした。

マーケット・プレイスでプレミア付きの中古盤とはいえ、やっと商品が入荷したようなので、今回の紹介記事が成立したというわけなんです。

とはいえ、やはりYouTubeでは映像は存在せず、アマゾンで試聴することもできません。
しかし、以前、「He Stranger」が、日本の高級車のTVCM(車種は忘れました)で流れたことがありましたので、ご存じないという方でも実際に聴いてみると案外耳に残っているかも知れません。


アン・ピガールは南フランスに生まれ、5歳でパリに移り住み、13歳で早くもバンドを結成、この当時からイギリスの音楽シーンに興味を持っていたそうです。

20歳になると意を決してロンドンに移住(1980年前後だと思われます)、その頃、本作でほとんどの楽曲を作曲したニック・プリタス [ Nick Plytas ] と出会いヴィア・ヴァガボンド [ Via Vagabond ] というユニットを結成しました。

ちなみに、ニック・プリタスに関しても紹介したいところですが、彼の作品も同じく入手困難となっており、アマゾンの入荷待ちをしている状況です。

なお、彼のソロ・デビュー・シングル「Who Likes Jazz?」は、元々、インディーズ・レーベルで先述の Via Vagabond 名義でリリースした曲だそうで、恐らくは、アン・ピガールが歌っていたと思われますが確証は得られていません。

また、Via Vagabond というユニットに関して詳しい情報がないのではっきりしたことはわからないのですが、本作に収録された楽曲で、アン自身が作詞、作曲した「Looking for Love」を除いた全ての曲がニックの作曲になっており、「Via Vagabond」というその名もズバリの曲も存在することから、このユニットにおいてすでに完成していた楽曲を新たにZTTレーベルの手を借りて発表したようにも感じられます。

ZTTレーベルとの出会いは、Via Vagabond でいろんなレコード会社にデモテープを送ったところ、ZTTの広報を担当していたポール・モーリー[ Paul Morley ] だけが興味を示し契約に至ったそうです。
ちなみにこれは1983年にデビューしているフランキー・ゴーズ・トゥー・ハリウッドの契約よりも前の話だそうですから、本作の制作にいかに時間をかけたのかがお分かりいただけると思います。


彼女の歌声は、悪く言えば微妙に音程が合っていないようにも感じられるのですが、語りかけるようなシャンソン風の歌唱法と考えればそれも納得がいきます。

雰囲気は違うのですが、歌唱法に限って言うなら、ソフト・セルのマーク・アーモンドにも同じような歌い方を感じてしまいます。
彼も、かなりシャンソンがお好きなようですから類似点があっても当然ですね。

また、アンは、エディット・ピアフが大好きだそうで、日本語の訳詞を読んでもその影響を強く感じることができます。

私は英語やフランス語に対して知識が薄いため、日本語の訳詞だけでしか判断できませんが、これを読む限り、同じくエディット・ピアフの影響を強く受けた越路吹雪や美輪明宏が歌っていてもおかしくないような、女性の恋や失恋の様子をドライに表現したポエティックな歌詞です。

そう考えると、Via Vagabond 時代にZTT以外のレコード会社がデモテープを聴いて反応がなかったことも理解ができますよね。
シャンソン風の楽曲が、ヒットチャートを駆け上がることは想像できなかったでしょうから・・・。

また、その後、ZTTから再発の話もあったそうですが、彼女はそれを拒否しているようです。

そんなわけで、本作は再発、リイシューなどされることもなく、たまに中古で出て来るアルバムにもプレミアがついているのでしょう。

できれば、10inchシングル以外では発表されていない「Hot Sagas」や、未発表の曲をボーナス・トラックに収録した本作の再発をお願いしたいところですが・・・(無理だろなぁ)。

なお、彼女は現在、写真、絵画の方面で活躍しながら、新曲をネットで配信し、時折ライヴも行っているようです。

興味を持たれた方は、下記の彼女のホームページをご覧になってみてはいかがでしょうか?

アン・ピガール HP

アン・ピガール マイ・スペース
(こちらのサイトでは無料でアン・ピガールのライヴ音源をフル・サイズで聴くことができますよ。)

それにしてもアンニュイで妖艶な美人です。
私も、大人の女性の良さがわかる年頃になったのでしょう。
/BLマスター

uknw80 at 17:37│Comments(6)TrackBack(0)◆ZTT レーベル | ☆その他の国のニューウェーヴ

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この記事へのコメント

1. Posted by くまっち   2007年03月03日 23:42
マスターさん今晩は☆彡この前、サッフォーのお話をされたときにね、「バラ色の人生」(byピアフ)のカバーをステージで聴いたぞ・・と記憶をたどりますと、くま、しっかりアン・ピガールのライブに行ってたこと思い出しました。ほんとに素敵な人ですよね。くま的フェイバリットのダリダやニコール・クロワジールと同じくらい好きです。さっそくHP見に行かなくっちゃε=ε=┏( ・_・)┛
2. Posted by BLマスター   2007年03月04日 21:55
くまっちさん、まいどです。
おおっ、あのライヴに行っておられたんですね。
羨ましいです。
残念ながら私はバンド仲間に内容を詳しく聞いただけ・・・。
今になって後悔しています。

ところで、サッフォーの記事も書くと言ってたんですが、現在のところ非常に商品数が少なく、再発でもされない限りちと難しそうです。
他にも紹介したいアーチストは数多く存在するのですが、なにせ商品がないもので・・・。

ちなみに、先ほど気づいたのですが、すでに本作は売れてしまったようです。
3. Posted by くまっち   2007年03月05日 08:46
マスターさん、おはようございます(^-^)アン・ピガールのHPから、今の彼女の感じを知ることができました。いいものを教えていただきました&学生時代、フランス語をもっと真面目にやっとけばよかったです(^^;) サッフォーはCD化再発、気長に待ちますわ。アナログ盤持ってたのですが、元婚家に置いてきまして、先方転居先不明です(笑)サティの「グノッシエンヌ」のカバーがスリリングでした(。・_・。)ノ
4. Posted by BLマスター   2007年03月05日 23:51
くまっちさん、まいどです。
喜んでいただいて何よりです。
ちなみに、私も意味がよくわかりません(笑)。

ところで、サッフォーですが、紹介する以上は、メジャーな「パリ・エキスプレス」と「こっちきて・トゥナイト」くらいは収録したアルバムを紹介したいところですよね。
これがなかなかないんですよ。
何だか新作はあるようなんですが、そこまでは網羅していないもので・・・。
5. Posted by くまっち   2007年03月08日 22:59
皆さん今晩は。今日はこちらのブログに助けられました。先ほどですね、自分のお気に入りのフォルダから、You Tubeで某米アーティト観てましたら、突然webに問題あるときの画面に変わったんです。自分のHPも出ないし、どうしようと思って、こちらを出したら、いつものように感動的速さでトップ画面が出て、こちらからだと、You Tubeや自分のHPが
普通に出せるとわかったんです。うちのパソ内で何が起こってるのか、今は全くわかりませんが、ほんとに助かったので、このコーナーにお礼にまいりました。お近づきになってて良かったです(^_^#)
6. Posted by BLマスター   2007年03月09日 18:25
くまっちさん、まいどです。
あらら、どうしたんでしょうね。
うちのMacでも、たまにSafariが突然終了してしまうことがありますが、YouTubeで閉じちゃうことはなかったです。
Livedoorのおかげなんでしょうかね?

何はともあれ、お役に立てたようで良かったです。

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