2007年07月27日

The Best of Blondie/Blondie

The Best of Blondie

今日紹介するのはニューウェーブのルーツの一つであるブロンディ [ Blondie ] です。

ここのところ、イギリスで火がついたアメリカのニューウェーヴ・グループを紹介する機会が多いのですが、中でもブロンディは、特に本国アメリカよりイギリスで人気のあったグループで、その後のニューウェーヴに大きな影響を与えているように思います。

個人的なイメージとしては、セックス・ピストルズ [ Sex Pistols ] スージー&ザ・バンシーズ [ Siouxsie & The Banshees ] の関係と、ニューヨーク・ドールズ [ New York Dolls ] とブロンディの関係が非常に似ているように感じています。

イギリスのパンク・バンドの代表格であるピストルズの親衛隊であったスージー・スー [ Siouxsie Sioux ] は、彼らにインスパイアされてバンドを結成、1978年に女性ボーカルのパンク・グループ、スージー&ザ・バンシーズとしてデビュー。
しかし、彼女に影響を与えたピストルズはあっという間に解散し、パンク・ムーブメントは衰退。
スジバンはポスト・パンクの流れの中で徐々にニューウェーヴ化し、独自のスタイルを確立するも一旦解散、最近になって再び再結成されライヴ活動を行っています。

一方、ブロンディは、アメリカのグラム・ロック/パンク・バンドの代表格であるニューヨーク・ドールズにインスパイアされたデボラ・ハリー [ Deborah Harry ] が、1976年に女性ボーカルのパンク・グループ、ブロンディとしてデビュー。
やはり、彼女に影響を与えたドールズはあっという間に解散し、パンク・ムーブメントは衰退。
ブロンディも時代の流れと共に、徐々にニューウェーヴ化し、独自のスタイルを確立するも、一旦解散、最近になって再び再結成されライヴ活動を行っています。

イギリスとアメリカの風土の違いなのか、スージーが「ゴシック寄りのダークなロック」であるのに対して、ブロンディは「ディスコ寄りな踊れるロック」という出音の違いはありますが、同じ時代にパンク・ムーブメントの中で生まれた新種のグループであったことには変わりありません。

また、この2つのグループが後の音楽シーンに与えた影響は計り知れず、一種のカリスマ的な地位を確立していることも同様です。

前置きが長くなってしまいましたが、ブロンディは1974年にニューヨークでデボラ・ハリーとクリス・ステイン [ Chris Stein ] を中心に結成され、76年、ニューヨークのパンク/ニューウェーヴの拠点であったライヴ・ハウス「CBGB」のライヴを経て、同年、1stアルバム『Blondie(邦題:妖女ブロンディー)』でデビュー。

1977年のCBGBでのブロンディのライヴ映像

翌年、2ndアルバム『Plastic Letters(邦題:囁きのブロンディー)』を発表し、英アルバム・チャートでベストテン入り、シングル「Denis(邦題:デニスに夢中)」が2位という好アクションを起こすも、本国アメリカでは人気が今ひとつ、続いて78年に発表された3rdアルバム『Parallel Lines(邦題:恋の平行線)』で、パンクというカテゴリーからディスコ路線のダンサンブルな曲調へと一気にシフトし、英チャート1位、米チャート6位を記録しました。

「Denis」のプロモ映像

この『Parallel Lines』というアルバムは、一発屋として名高い(?)ナック [ The Knack ] の「My Sharona」(79年) を手掛けたことで知られるマイク・チャップマン [ Mike Chapman ] のプロデュースによるもので、ここからシングル・カットされた「Heart of Glass」の大ヒットにより、ブロンディは一躍世界的に有名になりました。

「Heart of Glass」のプロモ映像

ちなみに、この作品以降のブロンディのアルバムは、すべて英チャートで常にベストテン入りするという人気ぶりで、米チャートでは常に50位以内をキープ。
イギリスでの人気のほどが伺えますね。

その後、79年発表の4thアルバム『Eat to the Beat』では、前作のディスコ路線に加えて、レゲエやジャズの要素を取り入れた楽曲などにも取り組み、「Dreaming」や「Atomic(邦題:銀河のアトミック)」といったヒット曲も生まれています。

「Dreaming」のライヴ映像
「Atomic」のプロモ映像

翌年80年には、リチャード・ギア主演の映画『アメリカン・ジゴロ』のサントラから「Call Me」という、ホームランとも言える大ヒットを飛ばしているのですが、この曲に関しては、ブロンディ名義ではあるものの、ジョルジオ・モロダー [ Giorgio Moroder ] とデボラ・ハリーのコラボ曲と思っていただいた方が良いようでしょう。

「Call Me」のプロモ映像

さらに、同年発表の5thアルバム『Autoamerican』から、今やお酒のTVCMで有名なレゲエ調の名曲「The Tide Is High(邦題:夢見るNo.1)」、ポップ・ミュージックとしてのラップの元祖とも言える「Rapture」が大当たりし、さらに人気を不動のものにしています。

「The Tide Is High」のプロモ映像
「Rapture」のプロモ映像

余談ですが、スネークマン・ショーで最も有名な「咲坂と桃内のごきげんいかが 1・2・3」という曲は、この「Rapture」をモチーフにしたもので、同じく、つぶやき系日本語ラップ(笑)の元祖的存在であると思われます。

この後、81年にはナイル・ロジャース [ Nile Rodgers ] のプロデュースでデボラの初のソロ(デビー・ハリー [ Debbie Harry ] 名義)『KooKoo』を発表。
このアルバム・ジャケットとプロモビデオの監督を努めているのは、なんと、エイリアンのデザインでおなじみのH.R.ギーガーということで、個人的に非常にインパクトに残っております。
ただ、セールスの方はイマイチだったようですが・・・。

H.R.ギーガーが監督を務めた「Backfired」のプロモ映像

しかし、ブロンディ自体のセールスは好調であったにもかかわらず、82年発表の6thアルバム『The Hunter』を最後に、ブロンディは解散してしまいます。

「Island of Lost Souls」のプロモ映像

解散の原因は、このようなソロ活動のせいもあったように思うのですが、デボラとともに、ブロンディを支えてきたクリス・ステインが重病を患ったためということで、見た目はエロくて怖そうなイメージのデボラが献身的に介護したというようなことを雑誌で読んだ記憶があります。
なお、後に、クリスは回復し、デボラのソロ・アルバムをプロデュースするなど、相棒として影で支えています。

解散後、デボラはソロとして数枚のアルバムを発表する傍ら、女優として『ヘアスプレー』『ニューヨーク・ストーリー』『フロム・ザ・ダークサイド』など、多くの映画にも出演し、最近でも『死ぬまでにしたい10のこと』や『エンド・オブ・ザ・センチュリー』などに出演しているようです。

その後、ブロンディは1999年になって突如再結成し、17年ぶりのニュー・アルバム『No Exit』を発表、世間を驚かせました。

以降は、2003年に『The Curse of Blondie』を発表、還暦を過ぎた今でもライヴ活動を中心に現役で頑張っており、昨年3月には『ロックの殿堂』入りを果たし、歴史にその名を刻みました。

なお、『ロックの殿堂』の歴代受賞アーチストはこちらでご確認いただけます。

昨年のライヴでの「The Tide Is High」の映像
今年のライヴでの「Atomic」の映像

本作『The Best of Blondie(邦題:軌跡 ザ・ベスト・オブ・ブロンディ)』は、そんなブロンディの数多いベスト盤の中でも、82年までのニューウェーヴ寄りな作品を中心にセレクトしたベスト盤で、あえて初期のパンクの面影を残す楽曲に焦点は当てられていません。

しかし、この1枚の中に、ニューウェーヴという何でもアリなカテゴリーを象徴するかのように、ディスコ、レゲエ、パンク、テクノなどの様々な要素が詰め込まれており、ブロンディというグループの守備範囲の広さを実感できます。

しかも、それだけの幅広い曲調をまとめたアルバムであるにもかかわらず、決して散漫なイメージではなく、ブロンディという一つのカラーにまとまっているのがすばらしいところです。

きっと、これもデボラ・ハリーの個性の強さがあってのことでしょう。

未聴の方も、恐らく、「Heart of Glass」「Call Me」「The Tide is High」「Rapture」くらいはどこかで耳にしておられるかと思うのですが、もう一度じっくりお聴きになられてはいかがでしょう。

とりあえず、アマゾンで14曲中13曲が試聴可能ですので、未聴の方は一度お聴きになってみてください。

確実に、持っていて損のない「殿堂入り」すべきアルバムですよ。
/BLマスター

uknw80 at 20:45│Comments(17)TrackBack(0)☆米国のニューウェーヴ | ☆ルーツ系

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この記事へのコメント

1. Posted by t_dragon_2000   2007年07月28日 09:45
5 きましたね。私の大好きなアーティストのひとつです。もうすでに取り上げていらっしゃるっかと思っていたので、今日見たらびっくりです。

私はなんと言ってもファーストアルバムがいいのですが、最近のアルバムも購入して楽しんでいます。The Curse of Blondieは知りませんでした。
(復活して楽曲が増えるのはすごくいいですよね。)

当時レコードをレンタルで借りてきて、必死にテープに入れて、ウオークマンで聞いていたのを思い出します。たしか、デビュー後数年してから聞きだしたので、レコードを探すのが大変でした。

ATOMIC
TIDE IS HIGH
は思い入れが強く、今でも聞いています。

さっそく、私の方も記事を追加します。
2. Posted by t_dragon_2000   2007年07月28日 10:55
5 ようやくできましたのでトラックバックしてみます。
さすがに個別のリンクは後で
3. Posted by BLマスター   2007年07月28日 13:54
t_dragon_2000さん、まいどです。
いえ、実は、当ブログのテーマが80's UK New Waveなので、最近までアメリカのアーチストの記事は控えていたんですよ。
しかし、アメリカのアーチストでもアメリカらしくない(というか、イギリスでの方が人気がある)場合があるので、徐々に規制緩和することにしたんですよ(笑)。
ちなみに、私は「Heart of Glass」が大好きで、アソシエイツがカバーしたバージョンも大好きです。

早速、こちらからトラックバックさせていただきますね。
4. Posted by t_dragon_2000   2007年07月28日 19:58
5 うちの方にトラックバックしていただき、ありがとうございます。
こちらに付けたのはうまくできてますか?ブログ初心者なのでいまいち使い方を把握していないもので。
もしかしてライブドアブログでないと、うけつけないとか?

ブロンディたしかにアメリカのバンドだったかも。何も知らずにおりました。

次は、ブルーロンドアラタークなんかもとりあげてみてください。(マットビアンコに記述されてたらすいません)

でも、話がわかる方とお話できるとは思っても見ませんでした。今後とも贔屓にしてやってください。

5. Posted by BLマスター   2007年07月28日 20:36
t_dragon_2000さん、まいどです。
ブロンディをイギリスのバンドだと思っておられる方はけっこう多いと思いますよ。
そもそもイギリスで火がついたグループですからね(笑)。
ブルー・ロンドですが、実は記事を書きかけたところで、アマゾンに商品がないことに気がつきまして、急遽マット・ビアンコの記事に切り替えさせていただきました。
一応、商品として存在しないものを紹介するのは、単なる持ち物自慢にしかならないような気がしますので、アマゾンで購入できる作品に限定して記事にさせていただいています。

ところで、そちらからのトラックバックは今のところ届いておりません。
FC2ブログからも、いくつかTBいただいていますので可能なはずなのですが・・・。
6. Posted by HeyDJ   2007年07月29日 09:08
来ましたね(笑)。懐かしいです。80年代後半のリミックスブームの頃ほぼ全曲リミックスで収録のベストも出てますね。あの頃から考えると今も現役なのはは奇跡ですね。
7. Posted by kitune   2007年07月31日 15:43
ディスコじゃ『コール・ミー』が定番
そんな時代がありました☆
家で聴いてもノリノリでしたが
ディスコで流れると強烈・・
しかし何が強烈かと言うと忘れはしない

札幌公演の最前列を確保したのに解散
あれほど強烈なパンチを喰らったのは
初めてであり、今でも後遺症を
抱えながら『夢見る1』であった・・
8. Posted by BLマスター   2007年07月31日 23:45
HeyDJさん、まいどです。
ブロンディのベスト盤やリミックス盤はとんでもない数があるんですよね(笑)。
私も、そのうちの数枚を持っていますが、ブロンディに関しては原曲が一番好きです。
しかし、おばちゃんになっちゃいましたね。
それでもかっこいいおばちゃんでいるところはさすがです。
セックス・シンボルではなくなりましたが…(笑)。
9. Posted by BLマスター   2007年07月31日 23:55
kituneさん、まいどです。
うんうん、そんな時代でしたよね。
…ということは、kituneさんはうちの姉と同世代の方なんでしょうか。
この時代は、私はディスコに出入りできませんでしたからね(笑)。

ところで、その札幌公演は中止になったんですか?
だとしたらショック大ですよね。
延期ならまだしも…。
10. Posted by kitune   2007年08月01日 11:54
札幌って言うかぁ
日本公演全て中止になりました
デボラも楽しみだったのですが
元、シルバーヘッドのベーシスト
ナイジェル・ハリスンを見てみたかった
11. Posted by BLマスター   2007年08月01日 19:04
kituneさん、まいどです。
なるほど、そりゃ札幌だけ中止ってことはないですよね(笑)。
私はまだ、中止になったライヴのチケットを購入したことはないのですが、9.11の影響で延期になったり、来日前に急遽、メンバーが替わってしまったことがあります。
それでもちょっと寂しいですよね。
12. Posted by t_dragon_2000   2007年08月03日 19:11
5 すいません、トラックバックしてみました。意外と難しいですね。
ご確認をお願いします。
13. Posted by BLマスター   2007年08月03日 22:36
t_dragon_2000さん、まいどです。
早速、確認させていただいたのですが、まだトラックバックは届いていないようです。

念のため、説明させていただきますと、このコメント欄の上にある「トラックバックURL(http://app.blog.livedoor.jp/uknw80/tb.cgi/51101151)」をコピーして、t_dragon_2000さんのブログの記事の編集画面にある「トラックバック先URL」に貼付け、再度投稿してみてください。

恐らく、FC2も同じような手順でTB送信可能だと思うのですが、なにせライブドア・ブログしか知らないもので…。

気長にお待ちしておりますので、諦めずに送信して下さいね。
14. Posted by t_dragon_2000   2007年08月04日 11:46
5 いくつか送ってみました。
こちら側は文章がほとんどないので、
もしかしたらスパムとみなされているのかもしれません。
Special1つ
Boldie2つ
を送信したつもりです。
お手数をおかけしてすいません。
15. Posted by BLマスター   2007年08月04日 21:54
t_dragon_2000さん、まいどです。
なぜかまだトラックバックは届いておりません。
う〜ん、特別な設定はしていないのですが・・・。
FC2ブログは使ったことがないのでよくわからないのですが、もし、ご面倒でなかったら、FC2のトラックバックの方法をもう一度ご確認いただけないでしょうか?
お役に立てなくてすみません。
16. Posted by HeyDJ   2007年08月08日 02:45
そういえばデビーのソロアルバムを中古で手に入れたのですが(kookoo)ジャケと同じデザインのポスターが封入されており、チョイラッキーでした。しかし部屋に貼ると痛い夢見そう…(笑)。
17. Posted by BLマスター   2007年08月10日 10:42
HeyDJさん、まいどです。
確かに封入されていましたね(笑)。
私も当時、そのポスターを部屋に貼っていた覚えがあります。
ちょっと、『ヘルレイザー』の修道士とか思い出しちゃいますよね。

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