2010年10月02日

Complite Explorers/Manzanera & Mackay

Complite Explorers


今日紹介するのはフィル・マンザネラ [ Phil Manzanera ] とアンディ・マッケイ [ Andy Mackay ] 名義のアルバム『コンプリート・エクスプローラーズ [ Complite Explorers ] 』です。

The Explorers 1st実はこのアルバム、ロキシー・ミュージック [ Roxy Music ] の83年の解散後(ほぼ自然消滅みたいなものでしたが…)、マンザネラとマッケイがジェームズ・レイス [ James Wrath ] という当時の日本ではほぼ無名のボーカリストを迎えて新たに結成したエクスプローラーズ [ The Explorers ] の1stアルバム『The Explorers』(85年)(写真左)に、同じくボーカルはジェイムズ・レイスなのにマンザネラ&マッケイ名義で発表された実質エクスプローラーズの2ndアルバム『Crack The Whip』(88年)、さらに、同メンツでシングルでのみ発表されていた曲や未発表曲までも収録した28曲入りの2枚組CD、要するに、エクスプローラーズの音源のコンプリート・ベストともいえるアルバムなんです。
(注:「ローレライ [ Lorelei ] 」と「Falling for Nightlife」の2曲については、12inchシングル・バージョンの方でのみ収録されており、アルバム・バージョン、エクステンデッド・バージョンは未収録です。)

なお、97年にエクスプローラーズ名義で発表されたライヴ・アルバム『LIVE AT THE PLACE』からの音源は収録されていませんが、エクスプローラーズ(=ジェームズ・レイス+マンザネラ&マッケイ)としてのスタジオ音源は本作で全て揃うはずです。



ところで、このエクスプローラーズというグループ、かなり認知度が低いんですよね。

というのも、エクスプローラーズの1stアルバムの発表と時を同じくしてロキシー解散後初のブライアン・フェリー [ Bryan Ferry ] のソロ『ボーイズ・アンド・ガールズ [ Boys and Girls ] 』が発表となり、レコード会社的にはそちらを猛烈にプッシュ、おかげで世界的な大ヒットとなったもんですから、すっかりその陰に隠れちゃったみたいなんですよ。

Crack The Whipそのせいか、実質エクスプローラーズの2ndアルバムとなる『Crack The Whip』(写真左)は、それなりに知名度のあるマンザネラ&マッケイ名義に変更となり、いつのまにかグループ名は消滅、同グループのコンプリート・ベストとなる本作も”マンザネラ&マッケイ”名義でのリリースされ、本来のグループ名は『コンプリート・エクスプローラーズ』というタイトルにかろうじて残るだけ。

ちなみに、その間に出したシングルでもエクスプローラーズ名義のものとマンザネラ&マッケイ名義のものがあるらしく、名義が違っても同じ曲が収録されていたりするようなので、どこから変更されたのかははっきりしないんですが、いずれにせよ、セールス的に伸び悩んだ故の変更だったのだと思います。

まあ、確かに、バンドが解散した後は、一般的に、知名度の点で有利なボーカリストのソロの方がセールスが見込めるでしょうし、『Avalon』の大ヒットでロキシー・ミュージックを知った新しいファンがどちらか1枚を購入するとすれば、恐らくエクスプローラーズのアルバムは選ばないでしょう。

さらに、フェリーの『Boys and Girls』は、デヴィッド・ギルモア、マーク・ノップラー、マーカス・ミラー、ナイル・ロジャース、デヴィッド・サンボーン、トニー・レヴィン、オマー・ハキムなど、超豪華なゲスト陣が参加しているというウリもありましたから、同時期の発表となればどう考えてもエクスプローラーズの方が不利です。

せめて発表時期が半年でもズレていれば、少しは事情が変わったはずなのですが…。


ま、本作は、そんな不遇な船出からスタートしたエクスプローラーズのコンプリート・ベストなわけなんですが、実は内容の方はなかなかイケてます。

簡単に説明するなら、ロキシー・ミュージックの『Flesh & Blood』『Avalon』あたりの音に、初期から中期のブライアン・フェリーの歌い方にそっくりのボーカルが乗っかっているという感じでしょうか。

『Avalon』におけるAOR的な要素こそ薄いですが、逆に言えば、フェリーが『Boys and Girls』で表現できなかったロキシー的な要素はこのエクスプローラーズがしっかり継承しています。

しかも、そこにフェリーの声や歌い方にそっくりのジェームズ・レイスの歌声が乗っかっているわけですから、そりゃもう、これがロキシー・ミュージックだと言ってもおかしくないわけでして…。

なお、1st『The Explorers』のライナーによれば、ジェームズ・レイスはフィル・マンザネラと同い年で、75年にロンドンでフライング・タイガースというバンドでデビュー、その翌年にはオランダのギャラクシーズというバンドに加入、その後は大したキャリアはないようですが、それでもマンザネラ、マッケイとは75年頃から交流があったとのこと。

1stのジャケット写真を見る限り、マンザネラよりずいぶん若く見えたんですが、それなりの経験は積んでいるようで、パッと出の若造をオーディションで選んだり、レコード会社からソロ・シンガーを押し付けられたりしたわけではないようですね。

ところで、このジェームズ・レイスの声、よく聴くとフェリーより若干高くて細いんですが、あの独特の節回し(いわゆるフェリー節)がかなり忠実に再現できているので、にわかロキシー・ファンなら普通にフェリーが歌っている、もしくはロキシーの未発表曲かと思ってしまうくらい似ているんですよ(顔は吉本の外人芸人チャド・マーレン似ですが…。笑)。

これがもともとのジェームズ・レイスの個性なのか、わざと似せているのかは不明ですが、視点を変えれば、ロキシー・ミュージックからブライアン・フェリーが脱退し、新ボーカリストとしてフェリーに似た歌声を持つレイスが加入した…、そんな風にもとらえることができます。

さらに、本作には『Manifesto』以降のロキシー・ミュージックのアルバムで活躍したベーシストのアラン・スペナー [ Alan Spenner ] 、キーボーディストのポール・キャラック [ Paul Carrak ] 、アヴァロン・ツアーに参加しているダイヤー・ストレイツのガイ・フレッチャー [ Guy Fletcher ] なども参加していますので、メンツだけを見てもほとんど後期のロキシーで、ほとんどボーカリストが入れ替わっただけ。

ジャンルこそ違いますが、新生ジャーニーがスティーヴ・ペリーの歌声にそっくりのアーネル・ピネダを起用したようなものですね。

ま、ライヴではロキシー時代の楽曲も演っているようですから(『Live at the Palace』にも「Out of The Blue」が収録されています。)、実際、そういう意図があってフェリーに似た声質のボーカリストを迎えたのかも知れません。

ちなみに、本作の他のゲスト陣もなかなか豪華な顔ぶれで、ジャズやフュージョン界にとどまらず、ピーター・ガブリエルやエリック・クラプトン、ジェームズ・ブラウンなどのアルバムやツアーにも参加しているスーパー・ドラマー、スティーヴ・ガッド [ Steve Gadd ] 、キング・クリムゾンやピーター・ガブリエル・バンドでの活動が有名なスキンヘッドのベース/スティック(チャップマン・スティック)奏者トニー・レヴィン [ Tony Levin ] 、同じくピーター・ガブリエル・バンドやポール・マッカートニー・バンド、キング・クリムゾンのメンバーとのセッションやシルヴィアン&フリップなどでも活躍したドラマーのジェリー・マロッタ [ Jerry Marrotta ] 、同じくポール・マッカートニーのツアーにも参加した元ヘアカット100のドラマー、ブレアー・カニンガム [ Blair Cunningham ] 、他にもバック・コーラスとして10ccのエリック・スチュワート [ Eric Stewart ] やムーディブルースのジャスティン・ヘイワード [ Justin Hayward ] 、エディ・グラント [ Eddie Grant ] などが参加。

知名度からすればフェリーの『Boys and Girls』のゲスト陣と比べて見劣りはしますが、こっちはこっちでなかなか通ウケのするメンツです。

さて、本来なら簡単に収録曲の解説をさせていただくところですが、百聞は一見にしかず、YouTubeで彼らの映像を見つけることができましたので、まずは、実際にエクスプローラーズ(=ジェームズ・レイス+マンザネラ&マッケイ)の音を聴いてみて下さい。

「Lorelei」のプロモ映像
「You Go Up In Smoke」の映像(音のみ)

「Lorelei」のライヴ映像
「Prussian Blue」のライヴ映像
「Two Worlds Apart」のTVライヴ映像

いかがでしたか?

ま、ジェームズ・レイスの歌声をフェリーのモノマネととるか、新生ロキシー・ミュージックにおいて過去の楽曲も再現できるボーカリストととるかで感じ方は違うと思うのですが、とりあえず、ロキシー・ミュージックが大好きだった方にはぜひぜひ聴いていただきたいアルバムです。

なお、DISC1が主に『Crack The Whip』から、DISC2が主に1stアルバム『The Explorers』からの曲を収録しているので、発表順に聴きたい方はDISC2から先にお聴きになるのが良いと思います。
/BLマスター


追伸:
2010年10月20日に日本先行発売でブライアン・フェリーのニューアルバム『オリンピア / Olympia』が発表されるんですが、ゲスト陣の名前を見てビックリ!

なんと、ブライアン・イーノ [ Brian Eno ] にフィル・マンザネラにアンディ・マッケイ!!

おおっ、これはもう初期のロキシー・ミュージックではありませんか!!

他にも、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドやストーン・ローゼス/プライマル・スクリームのマニ、レッチリのフリー、シザー・シスターズ、グルーヴ・アルマダ、マーカス・ミラー、そしてフェリーの作品ではほぼ常連となっているピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアらが参加しているそうです。

しかも、プロデュースはロキシーの『Avalon』も担当したレット・デイヴィス [ Rhett Davies ] がフェリーと共に担当!!

早速、ファースト・シングルとなる「You Can Dace」の映像などがフェリー本人のYouTubeチャンネルで公開されていますので、興味を持たれた方はぜひご覧になってみてください。(「You Can Dance」のイントロは、『Avalon』の某曲からのサンプリングを使ってるみたいですよ。ニヤリ。)
 ↓ ↓
フェリーのYouTubeチャンネル

あ〜、20日が待ち遠しい!




追伸2:
ブライアン・フェリーのモノマネ、ロキシーのトリビュートなどのキーワードで立ち寄って下さった方のために、以前も紹介したロキシーのトリビュート・バンド、ロキシー・マジック [ Roxy Magic ] のYouTube映像もリンクしておきます。

ロキシー・ミュージックの再結成が行われ、来日まで果たしてしまった今となっては、ロキシー・マジックの意味も薄れてしまった感はありますが、今度はロキシー・マジックの来日公演を夢見て過ごすのも良いかも知れません(笑)。

Roxy Magicの「Virginia Plain」
Roxy Magicの「Re-make/Re-model」
Roxy Magicの「Both Ends Burning」
Roxy Magicの「If There Is Something」

Roxy Magic のH.P.


uknw80 at 00:15│Comments(6)TrackBack(0)ROXY MUSIC 

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この記事へのコメント

1. Posted by OZZY   2011年01月01日 20:05
BLマスターさん、明けましておめでとうございます!

昨年は、お世話になりました。
なかなかコメント出来ませんが、毎回参考にさせて頂いてます。

今年は、BLマスターさんにとって、大きな花火が上がる1年になるといいですね。

今年も宜しくお願いします。
2. Posted by aki   2011年01月16日 20:22
日本のロックもおもしろい!
昨年2月にデビューしたばかりですが、「FLiP」という若いバンドがあります。
沖縄出身のパワフルなガールズバンドで、みんな20代。
御存知でしょうか?
↓よかったら、見てください。
http://bit.ly/gRMwCp
3. Posted by bestmania運営事務局   2012年06月19日 15:03
5 80's UK New Wave 運営者様

いつもお世話になっております。
私は、bestmaniaというウェブサイトを運営しているものでして、こちらの80's UK New Waveさんのブログにはよく訪れさせて頂き、ファンとしてよく利用させて頂いております。いつも、誠にありがとうございます。

我々の紹介で恐縮ですが、我々が運営しておりますbestmaniaにおきましては、約120万名ものユーザーがおすすめの音楽などをbest3という形で投稿するサイトであり、音楽関連のサイトのなかでは、国内最大級の投稿規模になる、実に約60万件ものおすすめ情報やレビューを投稿しております。

(投稿例)
普段インディーズを聞かない方も聞きやすいおすすめインディーズアーティストBest3!
http://www.bestmania.com/best3/01867382209359471953/


この度は、80's UK New Waveさんのページを拝見させて頂きまして、我々のウェブサイトとの相互リンクをして頂けないかというお願いでご連絡を差し上げました。

bestmaniaにおきましては、「厳選!音楽関連ブログ」の1つとして、80's UK New Waveさんを既に紹介させて頂いております。
参考URL: http://www.bestmania.com/link/list/?id=music_blog

尽きまして、もしよろしければ相互リンクという形で我々もリンク集の1つに加えていただくことは可能でしょうか?
以上、ご多用中誠に恐縮ですが、下記情報をご参考に頂きまして、リンク情報掲載のご検討をくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。


【リンクをご掲載頂く際のテキスト例】
テキスト: 音楽に関するみんなのおすすめbest3サイト-bestmania
リンク先: http://www.bestmania.com/music/
紹介文: 音楽に関するみんなのおすすめをbest3という形で紹介する検索サイトです。

***********************
ベストマニア運営事務局
tamazawa@emotio.co.jp
4. Posted by 無料アニメ動画まとめ   2013年09月26日 17:07
5 ブログ拝見させていただいたので、コメント残させていただきました。私は漫画・アニメのブログをやっているのですが、まだまだ始めたばかりなので、いろいろ参考にさせていただいてます。また覗きにきます(=・ω・)ノいきなりのコメント失礼致しました。
5. Posted by 管理人   2015年04月21日 23:22
アンテナ登録のご連絡 お世話になります。まとめアンテナの管理人です。

貴サイト拝見しまして、非常に良いコンテンツを配信されており勝手ながらアンテナに追加させていただきました。(以下URLのヘッダはスパム対策で外しています)
アンテナURL a.hatena.ne.jp/iregkkkk56gf/
アンテナ配信RSS a.hatena.ne.jp/iregkkkk56gf/rss
配信数は送信数で自動的に制御されており、多くご配信いただければその分多くご返信出来ます。ぜひ相互ご検討いただければ幸いです。もしRSS等の仕組み分からない、また興味が無い等であればリンクだけでももちろん構いませんのでご検討いただければ幸いです。m(__)m 管理人 
6. Posted by 管理人   2015年09月27日 13:12
ブログアンテナ登録のご連絡 お世話になります。貴サイト拝見しまして、同様のテーマを集めたニュースサイトを運営配信しております。非常に良いコンテンツを配信されており勝手ながらアンテナに追加させていただきました。(以下URLのヘッダはスパム対策で外しています)xreaantena.s503.xrea.com/xreaant/antenayogaku/ 相互リンクぜひご検討いただければ幸いです。管理人 

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