Thompson Twins

2006年08月14日

Greatest Hits/Thompson Twins

Thompson Twins BEST

トンプソン・ツインズと言えば、80年代半ばにとんでもない勢いでキャッチーなポップソングを量産し、英国のみならず、米国や日本のヒットチャートまでも賑わしていた、恐ろしいまでのソングライティング力を持ったバンドとして記憶に残っています。

実は、彼らは1977年に結成されていて、81年のデビューアルバム「The Product Of Thompson Twins」発表までに幾度かのメンバーチェンジを行いながら82年の「Set」に収録されているシングル「In The Name Of Love」で日の目を見るまで苦労を重ねていて、決してパッと出のバンドではないのです。

83年の「In The Name Of Love」のライヴ映像

ヒットチャートを賑わしている頃のメンツは、トム・ベイリー(V,G,K)、アラナ・カリー(Per,Sax)、ジョー・リーウェイ(Per)の3人編成で知られていますが、2ndアルバム「Set」まではピーター・ドッド(G)、ジョン・ルーグ(G)、クリス・ベル(D)、マシュー・セリグマン(B)というメンツも参加していて7人編成の大所帯だったのです。

せっかく売れ出した頃にメンバーをバッサリクビにしてしまうトムのやり方はいかがなものかと思いつつも、シンセサイザーやドラムマシンなどのエレクトロニクスを多用することで、抜けたメンバーのパートを補ったのが結果的に功を奏し、続く83年に発表したシングル「Lies」はそこそこのヒット、同シングルを収録したアルバム「Quick Step & Side Kick(邦題:サイド・キックス)」は英チャート2位という好セールスを記録しました。

「Lies」のプロモ映像

ここからは、この時代を知る方なら誰でもご存知の通りの快進撃をくりひろげ、「Love On Your Side」「Hold Me Now」「Doctor! Doctor!」「You Take Me Up」「Sister Of Mercy」「Lay Your Hands On Me」「Don't Mess With Doctor Dream(邦題:ドクター・ドリーム)」「King For A Day」「Revolution」(ビートルズのカバー)などのシングル曲を、これでもかと言わんばかりにチャートの上位に送り込み、その名を世界に知らしめました。

83年の「Love On Your Side」のライヴ映像
「Hold Me Now」のプロモ映像
84年の「Doctor ! Doctor !」のライヴ映像
「You Take Me Up」のプロモ映像
「Sister of Mercy」のプロモ映像
「Lay Your Hands」のプロモ映像
「Don't Mess With Doctor Dream」のプロモ映像
「King For A Day」のプロモ映像

もちろん、これらのシングルを収録したアルバム「Into The Gap(邦題:ホールド・ミー・ナウ)」は英チャート1位、「Here's To Future Days(邦題:フューチュアー・デイズ)」も5位とバカ売れしました。

しかし、この頃、トムとアラナの恋愛関係が知れ渡り、ジョーが脱退してしまってからというもの、その元気はいきなり失せてゆきます。

シングル「Nothing In Common」「Get That Love」「Long Goodbye」なども出すたびにチャートの順位はがた落ちで、過去のヒット曲のリメイク「In The Name Of Love '88」ですらそこそこ売れたという程度のヒットで苦戦が続き、当然アルバム「Close To The Bone」(87年)は90位、「Big Trash」(89年)と「Queer」(91年)は100位にすら入りませんでした。

結局、トムとアラナは、カップルだけでのバンドではダメだと悟ったのか、「Thompson Twins」に終止符を打ち、新たにエンジニアのキース・フェンレイ(Programinng)を交えて新バンド「Babble」を結成するのですが、こちらも吹かず飛ばずで2枚のアルバムを残して解散しました。

Babbleの「Take Me Away」のプロモ映像

その後、トムは米国でインディーズ映画のサントラのスコアを書いたりしながら、細々と暮らしているという話です。

結局、売れすぎると後が大変なものなんでしょうね。
それを考えると、今でもそれなりに人気を保っているアーチストの苦労がわかるような気がします。

今回紹介するアルバムは、彼らの勲章とでも言うべき最高の時代の数々のヒット曲を余すところなく収録したもので、音色的には年代を感じるものの、その卓越したソングライティングの見事なまでの技術を感じ取ることができるまさしくベスト盤です。

ミーハーだなんて言わずに、久しぶりに聴いてみてはいかがですか?
/BLマスター

uknw80 at 13:10|PermalinkComments(16)TrackBack(0)
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