OMD

2007年03月19日

The Best of OMD/Orchestral Manoeuvres in the Dark

The Best of OMD

オーケストラル・マヌヴァーズ・イン・ザ・ダーク [ Orchestral Manoeuvres in the Dark ] は英国リバプール出身のグループ。

グループ名が長いので、OMDと呼ばれることの方が多いのですが、直訳すると「暗闇で演奏するオーケストラ団」と、何とも意味深な感じですね。

OMDの誕生のきっかけとなったのは、学生時代からの友人であったアンディ・マクラスキー [ Andy McClusky ] とポール・ハンフリース [ Paul Humphreys ] の二人がクラフトワークに影響を受け、ラジオやテープレコーダー、ギター、ベース、テープエコーなどで曲らしきものを作ったことだそうです。

75年に制作したこの曲らしきもののタイトルが「Orchestral Manoeuvres in the Dark」であり、その後、アイ・ディー [ The I.D. ] というユニットを経て78年にOMDが誕生、翌年にはファクトリー・レーベルからシングル「Electricity」でデビューしました。

「Electricity」のプロモ映像

さらに翌80年には、この曲がきっかけとなり、大手ヴァージン傘下のディン・ディスクと契約、1stアルバム『Orchestral Manoeuvres In The Dark(邦題:エレクトリック・ファンタジー)』を発表しています。

その後、82年にはマーティン・クーパー [ Martin Cooper ] (Key,Sax)、マルコム・ホルムズ [ Malcolm Holmes ] (D) が加入して4人に、さらに、86年にはツアー・メンバーであったグラハム・ワイア [ Graham Weir ] (Key,G)、ニール・ワイア [ Neil Weir ] (B) の参加で6人編成のバンドとなっています。


本作『The Best of OMD』は、そんな彼らの代表曲を集めたベスト盤で、アルバム1枚づつを聴けば比較的暗い楽曲も多いOMDの歴史を、哀愁漂うポップな楽曲に焦点を絞ってまとめてあります。

初めてという方にも非常に聴きやすく、レコードは持っているけれど・・・という方にも最適なアルバムと言えますね。


彼らの代表作と言えば、同じく80年に発表した2ndアルバム『Organisation(邦題:エノラゲイの悲劇)』に収録された出世作「Enola Gay(邦題:エノラゲイの悲劇)」でしょう。

「Enola Gay」のプロモ映像
「Enola Gay」のライヴ映像

テレビ番組「CNNデイウォッチ」や、そのパロディーで作られた「ギルガメッシュ・ナイト」のワンコーナー「飯島愛のGNNニュース」(笑)でもテーマソングとして使われたこの曲は、チープな軽いテクノポップ的な楽曲ではあるのですが、そのタイトルが示す通り広島に落とされた原爆がテーマとなっており、80年代初期の英国産テクノポップの代表曲の一つとして避けては通れないほどの歴史的な名曲です。

他にも、3rdアルバム『Architecture & Morality(邦題:安息の館)』(81年)に収録された哀愁漂う「Souvenir(邦題:愛のスーベニア)」と、スコティッシュな雰囲気が漂う「Maid of Orleans(邦題:オルレアンの少女)」、アメリカ進出のきっかけになった6thアルバム『Crush』(85年)に収録の「So in Love」、映画「Pretty In Pink: Original Motion Picture Soundtrack」(86年)のサントラに収録されたムーディーな楽曲「If You Leave」、7thアルバム『The Pacific Age』に収録の珠玉のメロディーを持つ「(Forever) Live and Die」などが有名です。

「Souvenir」のプロモ映像
「So in Love」のプロモ映像
「If You Leave」のプロモ映像
昨年の再結成ライヴでの「(Forever) Live and Die」の映像

ちなみに、私のオススメ曲は「Souvenir」と「(Forever) Live and Die」。
この哀愁たっぷりの美しいメロディーラインは非常に気持ちが良いです。

彼らのデビュー当時に発売された電子楽器系の雑誌のインタビュー記事に、ちょうどその頃私の持っていたRoland SH-2、BOSS DR-55といったチープな楽器(SH-2で10万円程度)の写真が写っており、同じものを使っていることでなんだか嬉しくなったことを覚えているのですが、時代と共に彼らの使用楽器も変化、徐々にメンバーも増え、それと同時に音色的にもゴージャス感が増していることが、このアルバムを聴くとよくわかります。

メインで歌っているアンディのヴォーカルは、日本のプラスチックス [ PLASTICS ] の中西俊夫や、最近人気のピーター・ビヨーン・アンド・ジョン [ Peter Bjorn And John ] などにも似たところがあり、少しクセが強いので好き嫌いの分かれるところだと思いますが、お好きな方にはたまらない魅力の一つなのかも知れません。

彼らは、1996年発表の『Universal』を最後に活動を休止(解散?)し、アンディは女性トリオ、アトミック・キトゥン [ Atomic Kitten ] (イギリスのプッチモニなんて言われてましたね)のプロデュース、ポールは元プロパガンダ [ Propaganda ] のクラウディア・ブルッケン [ Claudia Brucken ] とポール & クラウディア [ Paul&Claudia ] やワントゥー [ OneTwo ] でそれぞれ活動していました。

ちなみに、ワントゥーの1stアルバム『Instead』と、シングル「Cloud Nine」は今年2月に発売になっています。

Atomic Kitten「The Tide Is High」(ブロンディーのカバー)のプロモ映像
Atomic Kitten「Right Now」のプロモ映像
OneTwoのライヴでの「If You Leave」の映像
OneTwoのライヴでの「Electricity」の映像

しかし、昨年、アンディ、ポール、マルコムの3人でOMDとして活動を再開し、ドイツのTV番組で「Maid of Orleans」を演奏、さらに今年5月からは、ロンドン、リヴァプール、グラスゴーにてツアーが予定されているそうです。

昨年の再結成ライヴでの「(Forever) Live and Die」の映像

このツアーは、1981年に発表された『Architecture & Morality(邦題:安息の館)』からその名が取られた「Architecture & Morality Tour」と呼ばれるもので、オーケストラ、コーラス隊、バック・ミュージシャンら総勢120名参加による『安息の館』の再演ライヴとなる模様です。

またこのツアーに先駆けて、4月末には『Architecture & Morality』のデラックス・エディションが発売予定だそうで、新たにデジタル・リマスタリングが施されたオリジナルCDに、1981年にDrury Lane Theatreで行なわれたライヴの模様を収めたDVDが付属するとのこと。

さらに、2008年秋には、ヨーロッパとアメリカでロンドン交響楽団との共演ツアーも開催予定で、新作アルバムの発表も予定されているとか。

いよいよOMDの本格的な復活というわけですね。
ニュー・アルバムの発売まで、とりあえずこのベスト盤で復習しておいてはいかがでしょう。
また、初めての方は、まず、アマゾンで3,4,6,11,13,14曲目を試聴してみて下さい。
損はさせませんよ。
/BLマスター

uknw80 at 19:55|PermalinkComments(4)TrackBack(1)
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