◆アーケード版アイマスがオフラインになった日から4年が経ちました。

 気が付けばもう、という感じではありますがw今も現役で稼働中の筐体は
 まだ一部のゲームセンターにはあります。
 当然、9年目ともなってくると、筐体もガタがきますし、データ記録用の
 カードの在庫がもうほとんど残っていないという状況でもあります。
 実際、カード不足が理由で、倉庫行きになったゲームセンターも最近増えている…。
 時の流れは無情、仕方ないとはいえ、悲しいものですね。

 アーケード筐体は5年もあれば超ロングセラーです。普通は数年も置かないし、
 オンライン化が進んで、だいたい1年更新(QMAとかね)やバージョンアップを継続
 しているゲームを除けば「存在するわけがない」世界です。メンテも大変ですし。
 なのに、現在も「M@STER PIECE」として残っている。
 これはもう「奇跡」といってもいいでしょう。

◆アイドルマスターというコンテンツは、アーケード開始当初から、そして今でも
 綱渡りです。「いつ崩壊してもおかしくない」と言うと心配しすぎじゃね?と
 いわれるかもしれません。「今すげえ売れてるじゃん」と。
 ゲーム業界でもあり、エンタテインメント業界両方に足を突っ込んでいる時点で、
 常時盤石という事はありえないと思うのです。
 9年続いて10年めが視野に入った現在、どのくらいの「奇跡」の上で成り立っているか?
 をちょっと振り返ってみたいと思います。
 過去記事とネタかぶりもありますが、まあ、気にしないでくださいw


 それでは、「続きを読む」にて。


◆その1:初期から熱意のある「やり込みプレイヤー」が固定客としてついた

 アーケード版として始まったのはご存知の通りですが、この作品はゲームとしても
 「やりこんでナンボ」という、まさにアーケードカスタムで難易度が高いものでした。
 「運」にぶん回される事もあるし、「実力」が伴わない場に放り込まれる事もある。
 しかし、「下剋上」は起こせるバランスでもあって。
 初期は異常なまでの難易度で、開発陣が泣いて帰るプレイヤーを見たという逸話も
 あるぐらいで(苦笑)、徐々に難易度はバージョンアップで下がったものの、
 Pランク「アイドルマスター」を得るには、オンライン最後までもすごく大変なものでした。
 結果、格ゲーやシューティングゲーマーのような「超マゾ的なやりこみゲーマー」
 というプレイヤーが、ファン層に蓄積していきました。

 …要するにこれが「プロデューサーの根底にあるモノ」だと思います。
 「当初ファン数100万行けば超すごい」だったのを「400万超え」を実現したPたちは
 まちがいなく「アイマスプロデューサーの礎」だと思っていますw

 アーケード版の特筆すべきもう一つは「リアルケータイとの連動」。
 プレイヤーの日常を変える、というコンセプトで始まったこのシステムは、
 月額315円のサイトに登録すれば、「プロデュース中のアイドルからメールが
 プレイ後にリアルに届く」「遊んだゲームセンターが記録される」というものが
 あり、メールはバーチャルリアリティを生み、いわゆる足跡記録は旅行好きをも
 巻き込みました。これは後の「アイマスモバイルi」へとつながっていきます。
 ここには「現実でのやり込み要素」があって、500店舗以上あった設置店舗をほぼ全部
 周った猛者や、メールを収集しまくった猛者を生んでいきました。 
 傍から見れば「ゲーセンでギャルゲーかよwww」と当時はバカにする人も多かったの
 ですが、いざ遊んでみればそういう「本当に日常生活を振り回されるゲーム」
 だったわけです。

 「アイマスは人生」とよく言ったものですが、この「日常を浸食される」というある意味
 恐怖(笑)は、アーケード版がダントツであったと思います。
 今でこそその「やりこみの現場」は別に移ってはいますが、そういう「異常な
 までの熱心なプレイヤー」は、当時も今でも変わらず「やり込んで」いるでしょうか。
 ワンフォーオールでもすごいスピードでLV上限まで行った人もいましたしね。

 この礎となっているプレイヤーたちが、まずひとつの「奇跡」。
 そのやり込みにかかる「莫大な費用」は「必要経費」と考えているのもひとつの
 特徴でしょうか(笑)使った金額ではなく、「お金を使うこと」に意味があるのでしょう。
 DLCが売れる理由も、そこにあります。またそういった礎は一定量抜けつつ、安定供給
 されているようにも思います。そこもちょっと不思議なポイントかも。


◆その2:ニコニコ動画MADとの出会い

 もともと、アイマスは二次創作(同人誌)には比較的寛容で、スタッフも同人イベントに
 ふらりと(堂々と?)来ていたりしたそうですがw
 Xbox360版がリリースされ、ブルーバックという裏技が見つかって以降、ニコニコ動画
 という投稿動画サイトに、爆発的に「ミュージックPV」的なMAD動画が投稿されていきました。

 今でも映像作家さんとして活躍するプロを生んだり、もともとプロがこっそり作ったりと、
 「動画編集技術黎明期」にうまく当てはまったのがアイマスでした。
 ブルーバックは意図的であったか?は知る由もありませんが、ゲームのダンス部分+
 さまざまな音楽+二次創作との「融合」は、インターネットというフィールドで新しい
 「世界」を構築していきました。
 ここにも「異常なまでの作り込み層」がいて、公式のPVと言っても過言ではないものが
 たくさん生み出されましたネ。

 当時「ゲームをプレイする」という事は、どうしても敷居が高く感じられる部分があった
 ので(ハードを買う、ゲーセンに行く)、「誰でも見られる」という環境でブレイクしたのは、
 ある意味「予想外」であったと思います。
 …狙っていたとしたら、それはそれですごいと思いますけども。

 で、数多の作品を見てきた/作ってきた人がPになった、という「ニコマス層」の登場が
 二つ目の「奇跡」。ゲームを知らない、遊んだことがなくてもアイマスは知っている。
 そういったある意味「ライト層」の大幅拡大を実現したのが、この「ニコマス」でした。

 ニコマスからゲームを知った(買った・遊んだ)、アイマス楽曲を知ってCDを買ったという
 ファン活動が利益としてダイレクトに出る図式が大きくなったのも「奇跡」でしょうか。
 本来ゲームとしての利益効率を変えるルートを作ったのは確かですね。

 そして、その動画を生んだ「クリエイター」たちがさまざまなメディアへと羽ばたいて
 いったこと。それも知名度拡大につながったのは確かですね。


◆その3:アニメ化の苦悩と錦織監督との出会い

 アイマスのアニメは現時点で3作品あります。
 ひとつは「アイドルマスターゼノグラシア」。二つ目は「ライブフォー・ユー同梱ミニOVA」。
 そして「アニメ・アイドルマスター」です。
 
 メディアミックスを作品のレベルアップとして考えるなら、アニメ化は必須です。
 アニメがヒットすれば、爆発的に知名度を上げる、ファンの範囲を拡大することができます。
 しかし、同時に諸刃の剣でもあり、外せばそこで終わりです。

 というわけで「大博打」であるアニメ化ですが。

 最初のゼノグラシアは「大人の事情」が大きく働いてしまい、(面白さは別として)
 声もスタイルも基本的な内容も「全然違う作品」となってしまいました。
 ゲーム開発陣としては納得いかなかったのでしょう、アニメ制作会社とケンカ状態だった
 らしい、なんていうのも過去の関係者のインタビュー記事から見られます。
 (ゼノグラシアスタッフにはゲームアイマスPもいたようなんですが…)
 結局、大きくヒットとはいかず「起爆剤」としての役目は果たせませんでした。

 その後、別会社制作の「ゲーム準拠」で15分OVAを制作したのですが、これもオマケの
 領域を出ず、またこっそりルールを破られた事もあってか、制作会社にスタッフが怒りに
 いったとかなんとか。結果いい関係を築けなかったようです。
 (※この辺は噂も混じっていますのでご了承ください)

 で、3度目の正直が錦織監督の「アニメ・アイマス」でした。
 5thライブの頃から企画が動いていたようですが、元々かなりのアイマスファンであること、
 技術がある「オギスタ」というメンバーが集まったことetc、ある意味「ニコマス世代の
 プロ中のプロ」が結集したようなスタッフが制作する、という「奇跡」が起きました。
 結果は、推して知るべし。じゅうぶん過ぎるブーストがかかったのでした。

 これが三つめの「奇跡」というか「愛」というか。
 「作りたい人が作ったアニメ」という何という「夢がかなったアニメ」であるか。
 この錦織アイマスがようやくアイマスの「大博打」に勝利をもたらしたのでした。

 また、「劇場版」に繋がったという7thライブには初めて「バンナムの偉い人」が来た
 そうで、ファンのそろった応援する姿にいたく感動したとかなんとか。
 ゲームとアニメとリアルがようやく大きな「力」となった場だったのでしょう。
 
 もともと5年で終わるはずだった「プロジェクト・アイマス」は、錦織アニメでさらに
 5年延命したといっても過言ではない、と思います。

◆その4:紆余曲折、765プロオールスターズのメンバー

 アイマスのアイドルキャラは今や200をゆうに超えますが、元々9人(+真美)からスタート
 しました。360版では「家庭用の象徴」としての美希が加わって10人(+真美+小鳥)という
 形で安定するか、と思われましたがひとつのサプライズが…。

 美希がPSP版の制作上の都合でプロデュース出来なくなったうえにライバルとして
 登場することに。
 これがまず最初の「大きな節目」ですね。響、貴音が美希と同列の追加ライバルとして参入。
 これで非プロデュースキャラ含めて今現在(ワンフォーオール)の765プロオールスターズ
 としての基礎がここで出来たのですが、同時に「プロデュース出来ない苦しみ」を味わう
 Pを生んでしまったわけです。

 そして、アイドルマスター2。
 美希が復活し、響と貴音がプロデュース対象として昇格したものの、代わりに今度は
 伊織、あずさ、亜美、律子がプロデュース対象から外れるという、プロデュースできない
 苦しみが4倍になってしまった。
 もちろん、「外れた理由」というのは「さまざまな大人の事情」なわけなんですが、
 これがうまく説明されなかった結果おさまらず、大きな「ファン側の混乱」を招いて
 しまった。合わせて当時ネットでtwitterなどのショートブログが爆発的に広がっていた
 ことで、正誤不明な情報も含めて加速度的に広まりやすかったこと、アファリエイト稼ぎを
 目的とした「2ちゃんまとめ系煽りブログ」の流行しはじめなど、「余計な情報」が
 拡散しやすい環境が構築しはじめた時期でもありました。
 
 そう、「情報拡散速度加速黎明期」とでもいいましょーか。
 そういうところにも、アイマスは乗っかってしまった。
 情報の取捨選択を厳しくするのに慣れていない時代から変わろうとしていた時代というか。
 「余計な憶測」までもが「真実」になってしまいそうになる時代。

 結果、アイマス2のゲームシステムにもあるいわゆる「ギスギス状態」が、公式にも、
 ファンにも生まれてしまうという「アイマス冬の時代」といわれる「底」を味わう事に。
 CDの売り上げとかにも如実に出てしまっていましたね当時…。

 しかし、これで「終わらなかった」のが第4の「奇跡」。
 こんな危険な状況でも、支え続けるPたちがいたからこそ、プロデュース出来なくても
 見限らなかったPがいたからこそ、錦織アニメにつながり、PS3版につながり、そして
 ワンフォーオールに繋がり、拡大するメディア展開にも繋がったのだと思っています。

 正直な話、復活の起爆剤としては、錦織アニメパワーが一番強かったと思うのですが、
 上記までにあるような「根底にいるひたすら熱心なプロデューサー」が踏ん張って、
 アニメやPS3版のプロモーションもバンナムがようやくそれを察知して「史上最大」の
 宣伝活動をして、本当にようやく冬の時代を抜けました。

 その後、ソシャゲのシンデレラガールズが「ソシャゲブーム」にうまく乗る形で大流行、
 765プロはあくまで「呼び水」としての参戦でしたが、その後ミリオンライブに「先輩」
 として登場、気が付けば200人超という「アイドルもファンもPも多様化」の時代に突入
 するのですが、それはまたのちのお話。

 そういった紆余曲折の果て、、765プロオールスターズとして、最高の形として収まっている
 のがワンフォーオールです。あんな4年前に「冬の時代」があって、9年目に「新作」が
 最高の形としてリリースできるなんて、バンナム作品としては本当に「奇跡の結晶」だと
 思っています。
 ワンフォーオールは開発中は「アイマス3」だったっぽいですが、実質新たな「1作目」で
 まとまったようですね。「おかえりなさい、そしてまた、始めましょう」なんですよ。

 …でもPS4版、どうなるんでしょうね。シリーズものとのことですから、アイマス3なのか
 ワンフォーオール2なのか。

◆その5:虹色の声たちが集まる「るつぼ」化

 アイマスと言えばフルボイス、歌がすごくたくさん!というイメージですが、
 企画開始からはや12年、今や中の人を検索すればあらゆるゲームやアニメに
 「アイマス声優がいる」という状況になっております。
 なんともはや…ヲタ界隈、振り向けばアイマス声優です。

 どんなコンテンツでも比重が作品に寄るか、一部(声優さんとか原作者とか)に
 寄るかはあると思いますが、アイマスはどっちも出来る作品だとは思います。
 先ほどまでは作品を中心に考えてきましたが、ここでは「中の人」を中心に考えて
 みましょうか。

 765プロの最初の9人は、「声質が全くかぶらない」ように個性的に選ばれています。
 当時新人だったりマイナーな人が多かったのも、他作品で「聞きなれていない」から。
 釘宮さんも本格的に売れる直前だったように思います。
 つまり、「全員曲で9人9色」となって、ひとつの大きな歌声となる。
 最初の全員曲「THE iDOLM@STER」にはそんな意味も含まれていたのだと思います。

 しかし、中の人=アイドルという結びつきはより強固となり、ライブではまるで
 アイドルのライブのようになるのが利点であり、悪い意味では呪縛ともなっていたのかな
 と思います。

 中の人の本業はもちろん声優さんであって、他のいろんな作品にも出演してナンボの
 世界ですから、5年目の「あの時」に開発スタッフと声優さんの間で話し合われた、
 「さらに向こう5年付き合っていただけるか?」という話は実に重いものだったろうと
 思います。
 以降の活動のことを考えた結果離れた方もいますし、当時活動を縮小した方もいます。
 今でこそ長い付き合いのメンバーですが、「アイマスとしてやっていけるか」については、
 やはりアイマスを中心にスケジュールが合わせられるか、に左右されている。
 当時に比べれば、今現在は「アイマス」に重心を置けるようになってはいると思うのですが。
 
 その後、ソーシャルゲームにも声が付けられるようになって、一気に50人程度の新人さんを
 中心とした方々が「アイマス声優」となったわけですが、オールスターズと少し違うところは
 「他作品でメインヒロインやるくらいすでに実力のある方」がこれまた多いこと。
 いわゆる声優事務所の「エース級」ばかりなんですよね。そういう方々が担当するという事は
 デメリットとしては、他の代表作があると、中の人=アイドルという結びつきはどうしても
 薄くなってしまうところかもしれません。
 裏を返せば、中の人メインで考えると、他作品にも興味を持ちやすいという事ですが…
 「声ヲタ」にとっては問題ありませんが、「アイマスP」としてはフクザツです。

 しかしある意味、これで「アイマスはヲタ業界全部に繋がっている」という構図が
 完成しました。
 それだけアイマスはヲタ界隈では「影響力のある存在」となったと…いえるみたい。
 これは「奇跡」の積み重ねの結果なのかなーと思います。

 気になる点は、そういう「これからの売れっ子」ばかりになってしまうと、「アイマスを
 中心にスケジュールをおさえられる声優さん」がある程度いないと、作品として不安定に
 なってしまうかも、ということですね。
 ミリオンもシンデレラもその辺の「中心となる」声優さんは固定しつつありますが、今後
 もっと売れ始めちゃったら、「アイマスの今後」としてはちょっと心配でもあります。
 中の人の仕事が増えるのはいいことなんですけどねー。

 声の仕事のなので(といってもライブがありますが)、よほどのことがない限り
 「世代交代」は意味を成しません。体力面でライブに出るのが難しいと言っても、
 声だけでの出演も可能です。
 まぁ、サザエさんとかドラえもんとかとはわけが違うとは思いますがw
 そのあたりは、今後公式にはうまく舵をとってほしいなとも思います。
 最終的には「アイドルらしさ」を出すのだとは思いますけどね。

◆なんか話がまとまってないですが強引にまとめ。

 .◆璽院璽瓢代から礎となる「やりこみP」が増減しつつも必ず居てくれる
 ▲縫灰縫MADで大きくすそ野が広がり、数々のクリエイターが育って、業界に拡散
 アニメも紆余曲折あったが、3度目の正直でアイマスを愛してくれるスタッフに出会えた
 ぅ押璽爐箸靴討呂發辰披余曲折あったけど、9年後でもワンフォーオールがリリースできる
  環境が維持できた
 ゥ▲ぅ疋訐射イ噺討个譴訖佑燭舛鮟犬瓩襪海箸出来るようになった「知名度上昇」と
  安定期を迎え、より深みを出せるようになった765プロオールスターズがいる世界
 Δい蹐鵑福幇嫐栖」に偶然(?)乗っかって、加速することができた(良し悪しは別として)

 結果論かもしれませんし、奇跡という言葉が軽く思えるかもしれませんが、なんにせよ
 これは確かに「つみあがってきた偶然が生んできた奇跡であり歴史」です。
 偶然だろうが、必然だろうが、起きてきたことはすべて「生きた証拠」です。
 しかし、9年以上という、ひとつのコンテンツとして長寿である所以とは、結局のところ
 「どんなことがあっても、愛し続けてくれるファンをどれだけ作れるか?」になるのかも。

 個人的には、やはり錦織監督に出会えた事が、一番大きかったように思っています。

 さて、記念すべき10年目ももうすぐです。
 「目指せサクラ大戦!」なんて冗談言っていたアイマスも、本当に匹敵するレベルまで
 迫ってきました。
 まだまだ、楽しめそうですね。プロデューサーの皆様、頑張りましょう。