2007年06月25日
立ち読み道を極める。
突然ですが、私は「立ち読み」が苦手です。
「立ち読み」とはつまり、「書店等で販売の為に陳列してある書籍類を、
客が購入する意思が無いにもかかわらず読みふける行為(Wikipediaより)」のこと。
書店関係者の方には申し訳ない限りだが、全何十巻もあるコミックス、毎月発売される雑誌などは、
読みたいもの全部購入するというわけには、なかなかいかない。
読みたい所だけ立ち読みして、買わなくてもいいかなー、という事も、多々ある。
「多々ある」なんて言ってはみたが、冒頭の通り私は立ち読みが苦手なのだ。
文章に目を通そうとしても、周りの人の話や走り回るちびっこ、隣の人が立ち読みしてる
本の内容なんかが気になって、ちっとも身が入らない。
しかし、私の回りには立ち読み上手な人間が多く、中には毎日古本屋に通い、
全18巻のコミックスを立ち読みで読みきった強者もいる。
すごい、私には絶対マネできない!
そう思っていたが、意外なところに立ち読みの元祖がいたことを思い出し、
その人物に立ち読みの極意を学ぶことにした。
めざせ、雑誌1冊まるごと立ち読み!
立ち読みの祖、それは銅像
というわけで、二宮金次郎だ。
あ、省略しすぎました。
二宮金次郎(後の尊徳)さんは、江戸時代、幼くして両親を亡くして親戚の家で育ち
寸暇を惜しんで勉学に励み、のちに立派に成功したという名士で、
この金次郎さんが薪を背中に背負い、歩きながら読書している姿の銅像は
小・中学校などに設置され、とても有名だと思う。
歩きながら読書なんて、立ち読みの枠を越えた立ち読みっぷりだと思いませんか。
彼こそ立ち読みの元祖、キング・オブ・立ち読み。
この金次郎さんの出身地が神奈川県・小田原市であり、そのせいか小田原市には
学校以外にも金次郎さんの像が建っているところが非常に多いため、
そんな彼の銅像を巡り、その「立ち読みスタイル」にあやかってみようと考えたのだ。
というわけでやってきました、小田原。

巨大小田原ちょうちん。
小田原駅は最近建て直しをしており、その際、駅構内にいきなり金次郎さんの銅像が登場した。

その構内におもむろに金次郎。

立ち読みに掛ける強いまなざし。
説明書きよれば、小田原城内にあった小学校が廃校になり、そこにあった像を
駅構内に移設したものらしい。
片足を一歩前に出し、背中に薪、右手でそれを支え、左手に本。
オーソドックスな金次郎さん像だ。
このスタイルが疲れず、集中力も出る格好なのではないだろうか、
などと推測しつつ、さっそく真似てみる。

イメージトレーニング。
…うーん…?
なんだか何かが違うような気がする。
もうちょっと腰を落として、膝にクッションを効かせなくては…
いやいや、そうじゃない。
金次郎さん像をひとつ見たからといって極められる程、立ち読み道は甘くないのだ。
もっと金次郎さんに近付くべく、さらなる像に会いに行った。
続いてやってきたのは小田原駅から近い「二宮報徳神社」。
ここには全国の小学校に設置されている金次郎像の元となった像(ややこしい)がある。

どこを切り取っても厳かな景観。
この神社は神様ではなく実在した人物を祭った、ちょっと珍しい神社。
この鳥居のすぐ脇に金次郎さんがいた。

高所にあっても立ち読み続ける金次郎さん。

薪、本、片足一歩前の、オースドックス型。

「極めよ!」
後光射す金次郎さんを見上げながら、
「あの背負ってる薪の、枝先の細かさは何!?あれを銅で作るにはドウすればいいの!」
などとヘタなダジャレをタレる。
いかん、立ち読みと全然関係ない事に気を取られているバアイではない。
この日は真夏日、こんな猛暑の日も読書を忘れなかったのであろう
金次郎さんを思いながらなりきってみる。

イメージトレーニング再び。
あっ、駅の時よりも無心になれた。
そのせいか、ポーズもちょっと板に付いてきたような気がする。
やや前傾姿勢で、片足づつ体重移動して休めるようにするのがポイントのようだ。
よしよし、この調子で、もう1体見に行きたい。
市内「勝福寺」には、たしか座って読書する金次郎像がある。
「立ち読み」とはちょっと違うが、いい機会なので見に行ってみようと思う。
座った金次郎さんにも会いたい

あれ?
いきなり思惑がはずれた。
薪、背負ってないし、本、読んでないし、拝んでるし。
どうも金次郎さんがこの神社を詣でた時の姿を模した像のようだ。
しまった。記憶違いもはなはだしい。

金次郎さん、薪は…?

…本……。
しかし、座って読書する金次郎さんは、確かにいるのだ。
いくら立ち読みが得意な金次郎さんとはいえ、たまには座らせてあげたい。
座ったっていいじゃないか!
何故か逆ギレしつつ、近所のとある小学校へ向かう。
今度こそ、座った金次郎さんに会うために。

座っとる。

薪、置いとる。
少年野球で盛り上がる校庭の片隅に、金次郎さんはいた。
どうでしょうか、今度こそ、座り読みする金次郎さんだ。
今まで見てきた金次郎さんより、少しがっしりしているような気がする。
手にしている本も他よりぶ厚い。
だから、さすがの金次郎さんも疲れてしまったのだろうか。
そんな事を考えていたら、少年野球の監督の激が飛んだ。
「お前ら、練習だからって、手ェ抜いてんじゃねえぞ!」
ああ、監督、耳が痛いです。
私も練習だからって気を抜いていては、せっかくのイメージトレーニングも意味がないのだ。
気持ちを引き締めて、改めて金次郎さんの心を真似てみる。

帰ってきたイメージトレーニング。
あー、やっぱり、座るとすごく落ち着く。ミもフタもないけど。
さて、これで合計4体の金次郎さんを見てきたことになる。
いろんな金次郎さんを真似ながら気が付いた「立ち読みのコツ」は
・やや前傾姿勢
・片足は一歩前で「休め」のポーズで
・薪は別に背負わなくてもいい
・本が重かったら諦める
の4点だ。
炎天下の真夏日の中、わざわざ何時間も歩き回ったからこそ得られたに違いない
このありがたーい教えを胸に刻んで、いよいよ立ち読みを実践してみようと思う。
→実践編を読んでやってもいいよ!
「立ち読み」とはつまり、「書店等で販売の為に陳列してある書籍類を、
客が購入する意思が無いにもかかわらず読みふける行為(Wikipediaより)」のこと。
書店関係者の方には申し訳ない限りだが、全何十巻もあるコミックス、毎月発売される雑誌などは、
読みたいもの全部購入するというわけには、なかなかいかない。
読みたい所だけ立ち読みして、買わなくてもいいかなー、という事も、多々ある。
「多々ある」なんて言ってはみたが、冒頭の通り私は立ち読みが苦手なのだ。
文章に目を通そうとしても、周りの人の話や走り回るちびっこ、隣の人が立ち読みしてる
本の内容なんかが気になって、ちっとも身が入らない。
しかし、私の回りには立ち読み上手な人間が多く、中には毎日古本屋に通い、
全18巻のコミックスを立ち読みで読みきった強者もいる。
すごい、私には絶対マネできない!
そう思っていたが、意外なところに立ち読みの元祖がいたことを思い出し、
その人物に立ち読みの極意を学ぶことにした。
めざせ、雑誌1冊まるごと立ち読み!
立ち読みの祖、それは銅像
というわけで、二宮金次郎だ。
あ、省略しすぎました。
二宮金次郎(後の尊徳)さんは、江戸時代、幼くして両親を亡くして親戚の家で育ち
寸暇を惜しんで勉学に励み、のちに立派に成功したという名士で、
この金次郎さんが薪を背中に背負い、歩きながら読書している姿の銅像は
小・中学校などに設置され、とても有名だと思う。
歩きながら読書なんて、立ち読みの枠を越えた立ち読みっぷりだと思いませんか。
彼こそ立ち読みの元祖、キング・オブ・立ち読み。
この金次郎さんの出身地が神奈川県・小田原市であり、そのせいか小田原市には
学校以外にも金次郎さんの像が建っているところが非常に多いため、
そんな彼の銅像を巡り、その「立ち読みスタイル」にあやかってみようと考えたのだ。
というわけでやってきました、小田原。

巨大小田原ちょうちん。
小田原駅は最近建て直しをしており、その際、駅構内にいきなり金次郎さんの銅像が登場した。

その構内におもむろに金次郎。

立ち読みに掛ける強いまなざし。
説明書きよれば、小田原城内にあった小学校が廃校になり、そこにあった像を
駅構内に移設したものらしい。
片足を一歩前に出し、背中に薪、右手でそれを支え、左手に本。
オーソドックスな金次郎さん像だ。
このスタイルが疲れず、集中力も出る格好なのではないだろうか、
などと推測しつつ、さっそく真似てみる。

イメージトレーニング。
…うーん…?
なんだか何かが違うような気がする。
もうちょっと腰を落として、膝にクッションを効かせなくては…
いやいや、そうじゃない。
金次郎さん像をひとつ見たからといって極められる程、立ち読み道は甘くないのだ。
もっと金次郎さんに近付くべく、さらなる像に会いに行った。
続いてやってきたのは小田原駅から近い「二宮報徳神社」。
ここには全国の小学校に設置されている金次郎像の元となった像(ややこしい)がある。

どこを切り取っても厳かな景観。
この神社は神様ではなく実在した人物を祭った、ちょっと珍しい神社。
この鳥居のすぐ脇に金次郎さんがいた。

高所にあっても立ち読み続ける金次郎さん。

薪、本、片足一歩前の、オースドックス型。

「極めよ!」
後光射す金次郎さんを見上げながら、
「あの背負ってる薪の、枝先の細かさは何!?あれを銅で作るにはドウすればいいの!」
などとヘタなダジャレをタレる。
いかん、立ち読みと全然関係ない事に気を取られているバアイではない。
この日は真夏日、こんな猛暑の日も読書を忘れなかったのであろう
金次郎さんを思いながらなりきってみる。

イメージトレーニング再び。
あっ、駅の時よりも無心になれた。
そのせいか、ポーズもちょっと板に付いてきたような気がする。
やや前傾姿勢で、片足づつ体重移動して休めるようにするのがポイントのようだ。
よしよし、この調子で、もう1体見に行きたい。
市内「勝福寺」には、たしか座って読書する金次郎像がある。
「立ち読み」とはちょっと違うが、いい機会なので見に行ってみようと思う。
座った金次郎さんにも会いたい

あれ?
いきなり思惑がはずれた。
薪、背負ってないし、本、読んでないし、拝んでるし。
どうも金次郎さんがこの神社を詣でた時の姿を模した像のようだ。
しまった。記憶違いもはなはだしい。

金次郎さん、薪は…?

…本……。
しかし、座って読書する金次郎さんは、確かにいるのだ。
いくら立ち読みが得意な金次郎さんとはいえ、たまには座らせてあげたい。
座ったっていいじゃないか!
何故か逆ギレしつつ、近所のとある小学校へ向かう。
今度こそ、座った金次郎さんに会うために。

座っとる。

薪、置いとる。
少年野球で盛り上がる校庭の片隅に、金次郎さんはいた。
どうでしょうか、今度こそ、座り読みする金次郎さんだ。
今まで見てきた金次郎さんより、少しがっしりしているような気がする。
手にしている本も他よりぶ厚い。
だから、さすがの金次郎さんも疲れてしまったのだろうか。
そんな事を考えていたら、少年野球の監督の激が飛んだ。
「お前ら、練習だからって、手ェ抜いてんじゃねえぞ!」
ああ、監督、耳が痛いです。
私も練習だからって気を抜いていては、せっかくのイメージトレーニングも意味がないのだ。
気持ちを引き締めて、改めて金次郎さんの心を真似てみる。

帰ってきたイメージトレーニング。
あー、やっぱり、座るとすごく落ち着く。ミもフタもないけど。
さて、これで合計4体の金次郎さんを見てきたことになる。
いろんな金次郎さんを真似ながら気が付いた「立ち読みのコツ」は
・やや前傾姿勢
・片足は一歩前で「休め」のポーズで
・薪は別に背負わなくてもいい
・本が重かったら諦める
の4点だ。
炎天下の真夏日の中、わざわざ何時間も歩き回ったからこそ得られたに違いない
このありがたーい教えを胸に刻んで、いよいよ立ち読みを実践してみようと思う。
→実践編を読んでやってもいいよ!
ume_co at 23:50│Comments(1)│
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この記事へのコメント
1. Posted by 「立ち読み」してます 2008年09月09日 15:42
