梅本聡のblog「職業介護福祉士」

西暦2026年。令和8年。 介護を生業として33年目となった介護福祉士 梅本 聡が、支援のこと、他にも色々と思うこと・考えることを書き綴ります。

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梅本聡の著書「認知症ケアの突破口」
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先日、研修講師を務めていたときのことです。
グループワークの最中に研修参加者から「離設」という言葉が出てきました。

実は「介護業界」には不可解な言葉が色々ありますが、そのひとつが「離設」です。

「離設」をどんな時に使うかと言えば、介護職員に内緒で(気づかないうちに)入居(利用)者さんが施設から出て行ったときで、あきらかに「外出」とは一線を画した言葉です。



「離設」に似た言葉に「離床」がありますが、離床は「寝床を離れる、起きる」という意味で、辞書にも掲載されている一般的な言葉ですし、本人の側からの言葉です。
では離設はどうかというと、どこかの誰かがつくった造語で、「施設を離れる、出ていく」といった意味で介護現場で使われます。

言葉の意味はどうあれ、離設は明らかに介護職員側からの言葉で、それは介護職員の意思に反した時に使われる言葉です。



つまり「出ていくな」と介護職員は思っているのに、入居(利用)者さんが施設を「出て行ってしまった」ことに対して使う言葉で、同じ「離れる」という意味の言葉を使ってはいますが、離床とはわけが違います。
「離設」は、「脱走」や「脱園」と同義語ではないでしょうか。
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どうしてもそういう言葉を使いたいのなら「家出」が良いかもしれません。

というのも「家出」は本人の側からの言葉です。
辞書には「①帰らないつもりでひそかに家を出ること。②外出すること。③僧になること。出家」とありますから、入居(利用)者さんが施設(住まい)を出て行ったという行動に対して適切な言葉じゃないかと思うのです。



どうも「離設」という言葉からは
入居(利用)者さんが自分の意思を行動に移す(施設から出ていく)と介護職員(施設側)の意思に反するため、出ていった入居(利用)者さんを「問題者(行動)扱い」しているように感じますし、離設に「収容所とか刑務所のにおい」を感じてしまうと言ったら言い過ぎでしょうか。

「介護業界の常識は世間の非常識」は介護業界の先輩たちの言葉ですが、だからこそ介護現場で使う言葉は、もっと大事にしていってほしいと思うのです。

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