2011年10月18日

オクターヴ 全6巻

完敗だ。長淵剛だ。乾杯だ。
「オクターヴ」全6巻読みました。すっかりやられました。
もうこれ私の勝手にこの百合漫画がすごい!2011のランキングベスト1候補ですよ。

4063107272オクターヴ(6) <完> (アフタヌーンKC)
秋山 はる
講談社 2011-01-21

by G-Tools


少し前のブログでも触れていましたが、大分前に古本屋で1巻の途中まで立ち読みしたときは
それほど良いとは思わなかったんです。
主人公がなんだかフラフラしていて魅力的とは言い難かったし。
それきりまた読む機会もなく完結したらしいとの風のうわさを聞いただけで、
私とオクターヴの道は交わらないまま遠ざかっていくかと思われていました。
そこに親切な媒酌人が現れたのです。

こんな良い漫画紹介してお薦めしてくれてありがとう、どりむさん!
そして更にお薦めしてくれてありがとう、greenfiddlerさん!

危うく知らないままつまらない一生を終えてしまうところでした。
でも、そんな媒酌人に薦められても当初は最初の印象からなかなか腰が重かった私。
とりあえず古本屋に行って一番低価格で2巻のみ売られてたので購入してみました。
んで読む。アレ?なかなか悪くないかも?

で、でも、高い価格では買わないんだからね!
安かったら買ってあげてもいいけど!

というツンな心持ちで後日別の古本屋へ。
そこで低価格で1巻を見つけ購入。
んで読む。なるほど。私が読んだ最初のほうは確かにイライラするけど
だんだん面白くなってきたじゃない。

ま、まあ安値じゃなくても少々高値でも買ってあげてもいいけど!
でも古本屋でだからね!

というツンな心持ちで後日再び古本屋へ。
半額以上の値段で3、4巻を購入。
んで読む。もう痛い。痛い。痛い。でも超良い!
この4巻で終わってもいいのにまだ2冊もあるの?読むのが怖いけど読みたい!
ねぇ読ませてお願い!!

というすっかりデレな心持ちでネットで定価で5、6巻を購入。
一気に読んだ。良かったー!すごく良かったー!!
ほんと今更ですがこれ全巻定価で買って良い名作でした。
そもそも良心的な値段ですし。ツンデレしてすみませんでした。土下座。

そんな長々と前置きを垂れ流してようやく本編の感想ですよ。
売れなかったアイドル時代を経て今はマネージャー見習いの18歳の雪乃と、
同じくかつて売れないミュージシャン時代を経て現在は作曲家として細々暮らす22歳の節子。
そんな2人の恋と成長を描いた物語です。
男女問わず2人にめっちゃ絡んでくるので百合ん百合んな甘々絶対主義の人たちには無理そう。
きっと耐えられないかも。でも私はすごい好きです。
だって登場人物みんな一生懸命「生きてる」んですよ。
仕事も恋愛も人間関係も含めて。
だから痛い。もうすごい痛い。出来れば目を背けたくなってしまうくらい。
みなさんもきっと経験があるはずです。
思い出すだけでのたうち回りたくなるような若さゆえだったり
自分の醜い気持ちだったりが原因の苦くて痛い思い出の数々を。
心の底に封印していたそんなシーンを今再び見せられてる感じ。
そりゃ痛いですよ。

節子さんは雪乃よりも4歳上なのでクールな大人の女性に見えます。
確かに2巻くらいまではそんな表情のほうが多いです。
でも2巻の最後、雪乃の浅はかな裏切りを知ってしまってからどんどん変わっていきます。
嫉妬でドロドロして泣きわめいて、理性ではなく感情で雪乃に向き合うようになっていきます。
そういえば18歳のときは22歳ってすごく大人に見えたなぁ。
でも時が過ぎてみて思うのは18歳も22歳もそんな変わらなかったってこと。
6巻で節子さんが言います。

「今まで…23年間積み上げてきて当たり前だと思ってた世界がさ
なんかね 雪乃と付き合うようになってからあっという間に様子が違ってきちゃって…」


恋をして自分が今まで知っていた自分じゃなくなる感覚。
知らなかった感情がたくさん生まれてきて、自分をうまくコントロール出来なくて怖くて不安になる。
でもそれを2人で乗り越えていけるのは幸せだと思います。

また登場人物、例えば雪乃も節子もしおりちゃんも理沙もみんな、ちょっとしたヤキモチから
人間関係がこじれたりするんですけど、確かにヤキモチから思ってもいない言葉が飛び出して
こじれちゃうことって現実でもよくあるなぁって。
あと鴨ちゃんは見当違いも甚だしくて私もやっぱり嫌いになっちゃうんだけど、
もし雪乃が節子さんと出逢ってなかったら鴨ちゃんみたいな人間になってたかもしれない、
なんて思ったり。
そう考えると人間っていろんな人に影響されて変わっていく生き物なんだなって、妙にしみじみしたり。

6巻になると雪乃と一緒に住むことになって、
「ねぇいつにしようか。私ここに引っ越してくるの」
と聞く雪乃に対して節子さんの嬉しそうな顔ときたら!
可愛すぎてもうこちらまで笑顔になっちゃいますよ。
それは最後の2人の食卓のシーンにも表れていて、
節子さんが「私はきっと変わったよ」という言葉に対して雪乃のモノローグ。

私だってどんどん違う私になってるんだよ
私たちはお互い変わったから
だからこうして、今一緒にいるのかもしれない


これが一番作者さんの言いたかったことなのかもしれないな、なんて思いました。
幸せなこの一瞬で時が止まったら良いのにってきっと誰しもが思ったことはあると思うけど、
変わっていくからこそふたりで一緒にこれからもいろんな風景も見られるんですよね。
雪乃も嬉しいことも悲しいことも苦しいことも嫌なこともいっぱい経験してすごく成長したと思います。
自分の捨てたい過去や嫌な部分とも向き合って、これからの未来を生きていくことを決意した。
それは最後雪乃が節子さんと共に帰省する際にお母さんに打ったメールからもわかります。

「お母さんが私たちのことを頭ごなしに否定しないでいてくれることに感謝します」

お母さんに節子さんとのことを話したんですね。1巻では自分軸がブレブレだった雪乃。
周囲を気にしてばかりいた雪乃だったのに、本当に強くなったと思います。
本当に良い結末でした。

なんて今まで2人の成長ばかりに焦点をあててしまいましたが、
もちろん百合ん百合んなラブラブシーンも満載なんですよ。
2人の愛を交わす言葉が心の琴線に触れるというか。もう心と身体で感じるというか。
ぶっちゃけ男性向けエロよりもエロいと私は思う。女性向けエロス。
えっちシーンが多いてのもありますが。
特に私がキュンキュンしたのはこちらの2つ。
4巻の23話で泥酔して大沢くんにタクシーで送られて帰ってきた雪乃と
ケンカした後にいう節子さんのセリフ。

「あんたのカラダを好きにしていいのは私だけでしょ?
雪乃、全部私のものになってよ」


大好きな人にこんなこと言われたら、もうズッキューンですよ。ええ死語ですよ。
そりゃもう何度もリフレインしちゃいますよね。噛みしめちゃいますよね。

そして5巻の30話でさっきのエピソードとは別件でのケンカで仲直りした2人。
うちに泊まっていきなよという節子さんに対して、今日は帰るという雪乃に…

「ヤだよ 雪乃お願い 今夜は一緒にいて」

甘える節子さんに萌え死にました。溶けたー。


まだまだ名残惜しく感想は尽きませんがそろそろお開きにしましょうか。
最後に節子さんの心に残った言葉で締めくくります。

「人に迷惑かけない限り物事なんてどう解釈したって勝手でしょ?
世界は雪乃のものだよ?
心の中はどれだけ自由でいてもいいんだって私はそう思ってる」


世界は雪乃のもの、に痺れました。確かにスケールでかい!
そうだ。私たちの心は自由なんだー。
て、尾崎みたいな締めで。


コメント(0)トラックバック(0)「オクターヴ」  

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 

トラックバックURL

以前の記事
コメントについて
コメントありがとうございます。でもすぐに反映されません。 新しい記事を更新する際に承認お返事させて頂きます。ですので多少お時間が掛かってしまいます。何とぞ広い心でお待ち下さいませ
最新のコメント
管理人プロフィール
うみ
O型 水瓶座
座右の銘
「唇に歌を心にユーモアを」
「クール&ソウルフル」
一言から長文までお気軽にメッセージをどうぞ
記事検索
blogram投票ボタン
アクセスカウンター

  • ライブドアブログ