時間があいてしまいましたが、こないだのりんかい6回戦で出した問題について書きます。
といっても後でちゃんと解析したところいろいろ勝ち筋や分岐があったので、細かい解答は省略して(ごめんなさい)今回は問題の局面から自分が注目した手順について手筋紹介という形で書きます。

6回戦の実戦から少し進めた想定図が下図です。黒番 

 分割のC打ち1
 
見切れてるのはゆるして…


右下と左下にそれぞれ逆偶数の種があるんですが、黒がc8やe8に触れると逆偶数が解消されてしまうのでなかなか難しそうに見えます。
が、この局面は実は比較的簡単に逆偶数に持ち込めます。どうすればいいでしょう?3手示してください。





























正解はb8c8a7(b8c8b7も正解)
左下をC打ちから入って白にc8を打たせることで、左下と右下を完全に分割して管理するのがポイントです。じつは問題図よりもう少し早い段階から同じ構想が成立します。

問題図からf8e8と進めても同じような効果は利用できますが、逆偶数になったときの利得は正解手順のようにCから分割したほうが大きいことが(僕の思いつく限りでは)多いので、タイトルのようにC打ちによる分割として手筋だと思っておくのがよさそうです。


この手筋は逆偶数に持ち込む場合だけでなく、たとえば以下の類題のようにきれいな偶数に持ち込むのにも有用です。 

白番

分割のC打ち2

見切れが解決した(が最初のはめんどうなのでそのまま)


偶数理論に従って打ちすすめると左辺a5に触れて上側が返ってしまいめんどう。というところがさっきの問題と似ていますね。これまで記事を読んできた皆さんなら楽勝でしょう。



















正解はもちろんa7
a7a6g2h1d1h8g8とすすめると

分割のC打ち3


ここで左下を分割しておいた効果が出ていますね
こうなれば偶数理論がきいてきて白勝ちです。

こんな感じでC打ちによる分割は手どまりを打つ構想とセットで意識しておくと終盤を簡単にする強力な道具になると思います。
僕は最初の問題の局面でのC打ちが見えてなかったので白勝ちと思って慢心していました。まだまだですね。