魔人探偵脳噛ネウロ 第116話 変【かわる】

　『魔人探偵脳噛ネウロ』第116話にて提示された『謎』に挑戦してみます。はじめは色々試行錯誤してたんだけど全くわからず。mixi日記でその断片を綴り、それに対してマイミクの方とアイディアを出し合い、「ひょっとしたら正解？」ってところまで辿り着いたのでその経過・結果を記します。

作中から読み取れる情報
(1)二枚のカードの意味…水滴カードについては既にネウロによって明かされており、事務所正面の新築ビルが雨天時に変化をもたらすとの解釈で間違いない。では、水をかけたら透明になった「X」カードはどのように使うのか？ ヒントは「なるほどな」のコマでの、ネウロとカードの距離。
(2)ビルの模様…まず、あの小さなマークは何なのか。「÷」を90度回転させたようにも見えるし、「小」の字に似てなくもない。しかし着目すべきは、あのマークがどの位置にあるか。コンクリートによる元々の模様との相対的な位置に注目。
(3)導かれる解の種類…Xは「待つ」と言い、ネウロは「行ってくる」と言った「場所＝新しいアジト」こそが解であると推測される。「場所」を表す図と言えば「地図」。
(4)新しいアジト…Xやネウロの台詞から読み取れる部分を抜粋。
＞X「アイの選んだ新しいアジト」
　アイの選択理由がポイント？ が、雑用はアイがこなすことが常なので、特筆すべき点でもないかも。
＞X「決戦の地にはなかなか似合いのあの場所」
　「決戦」に似合うとはどんな場所なのか。
＞ネウロ「実にXらしい」
　「Xらしさ」とは何か。物理的に普通の人間には無理ってことなのか、普通の人間にはないXの特徴が出た場所なのか。
＞ネウロ「この場所にアジトを構えようなどと…Xでなくては不可能だ」
　前の台詞につながるが、到底普通の人間では発想出来ないor実行出来ない場所ということと推測。

　ここまでの情報を踏まえて、推理に入ります。

ビル前面図
　
　図1は、雨が降る前のビルの外観。白い曲線はコンクリートによる模様。
　図2は、雨に濡れていない白い模様を加えた、雨が降った後のビルの外観。最上階の一室に「○」があり、上階と下階の境目付近に「÷」を90度回転させたような模様が計8つ。ちなみに青い星印の部分は写植「白い模様に！！」によって隠れてる為判定し辛いのですが、写植の「に」と「！！」との間に白い線が見えることより、この部分にも例のマークがあると推測されます。とは言えどちらの解釈にせよこの後導き出される結論にはさして影響がないので、ここでは無視します。


　まず、「÷」を90度回転させたような模様について考えます。はじめはそのまんま「÷」だとか「小」だとか思ったんですが、真ん中の縦線の下部が、コンクリートによる「○」模様の円周に接していることに注目。よって、これは「○」との合体による一つの記号ではないかと仮定。また、接してる「○」は上下二つとなりますが、「○」の外側に接することで「官公署」を表す地図記号になります。(※)「場所」を示すものであるので、地図記号が絡む可能性は大いにあります。図3は「官公署」の部分だけをピックアップした図です。


　次に、最上階の一室につけられた「○」について考えます。と、その前に、ネウロが「X」カードを透かしてビルを見ている点に注目。「X」カードをビルに重ねることで、どのような図が見えるのか？ これは「X」カードを自分からどの程度の距離を持って構えるかで、見える図が違って来ます。ならば、あれこれ考えてみるより、現在残っている「○」にそのままぴったり重ねてるのではと仮定。あのコマ、カードの大きさとネウロの顔の大きさを比べてみると、手はかなり前に差し出してます。自分で名刺大の紙を持って試してみたら無理がない解釈と理解して頂けるかと。すると「○」と「X」が重なることで「警察署」を表す地図記号となります。(※)既に「官公署」の推測が出来ているだけに、この仮定もあり得そうです。

　以上から、この前面図の模様は、「官公署」や「警察署」の位置を示す「地図」と考えることが出来ました。目立つ特徴は、非常に多くの「官公署」が集まっていること。国会議事堂とか総理官邸あたりが怪しいと考えられますが、既に第49話で「総理官邸で総理に成り代わって」ました。(※)が、前回が「政治」においてのトップを狙ったものならば、今回は「警察」においてのトップと考えることは出来ないでしょうか。となると「警視庁」辺りが怪しい？ 実際の東京の地図が正解なのだろうか？

酷似した場所
　ぼくは人生の殆どを広島で過ごし、東京とかの地理には全然詳しくありません。なので、お手軽に地図検索サイトMapFan Webを使って「警視庁」の辺りを探してみました。…すると！

　
　驚きました。いきなりこれまでの推理にびっくりするほど当てはまるような地図が出て来てしまいました。(そのままコピーではMapfanの利用規約に反するので)大雑把に描き写したのが図5。ビル前面部と比較し易いようやや左回転してます。
　図6が、地図にビル前面部を重ねたものです。6つの「官公署」の位置が一致し、また「警視庁」も「警察署」と同じ地図記号ですから、これまた一致しています。ビル屋上の向かって左側が斜めになっている点でも、桜田門駅の川沿いの向きとそっくりです。
　以上のことより、解は「警視庁」ではないかと言う結論に至ります。Xの性格からしてこのトンデモなセレクトは納得が行きますし、ネウロの言う通りX以外には不可能な話です。

セルフダメ出し
　ただ、図5や図6には若干の嘘が含まれていることを告白しなければなりません。

　
　まず図7。実は、この地区の「官公署」はもっと多く、「多い」で示した紫色の位置にも存在するのです。当然、この位置に当てはまる地図記号はビル前面部には見受けられません。
　また、図8で「足りない」で示した通り、ビル前面部にはあるのに地図上にない「官公署」の説明が出来ません。良い所まで行ったと思うんですが、こればっかりはどうしても解けない。

　たとえばなんですが、『ネウロ』の作中世界ってきっちり「西暦○年」とか「平成○年」って確定していて、尚且つこの地区の「官公署」が増設や取り壊しなんかで現在の数・位置とは異なっている…とかなら、OKな気もします。ちょっとこの辺り不確かと言うか調べきれてないんでわかんないんですけど。


とりあえずのあとがき
　以上、現段階で推測し得る検証を綴ってみました。アンダーラインを引いた箇所については、ゆめのまちみさえランドのしまざきみさえさんによるご意見です。見ての通り、要所要所、しまざきみさえさんのご意見あってこその突破口だったりします。二人の知恵を寄せ合った上での推理であることを、ここに記しておきます。しまざきみさえさん、ありがとうございました！ またこれ以上の解釈があれば、是非お話し下さい。