「出汁」と言葉で言うと非常にかんたんなものですが、日本料理で「出汁」ほど難しいものはないと思います。
そしてこれにこだわらない料理人がいるとするならば信じられません。
そのくらい大切な物であります。
ですから私はこの「出汁」をひくときは一番気を使っております。
ではその「出汁」はどうやってひくのでしょうか。
まずは上質の昆布と鰹節です。
ここにお金がかかるのです。
いい物を使います。
それと水ですこれは大切です。
人工的に作ったペットボトルで売っているような水ではまったく話になりません。
ただのH2Oにすぎません。
こんな水には昆布や鰹節の良いところは引き出されません。
それでしたら水道水の汲み置きしておいた物のはほうがよっぽどましです。
そんな訳でう奈ぎ道場では水道水を甕に汲み置きし炭をいれておきそれをつかいます。(本当は湧き水を汲みにいければ一番いいのですが)
その水に利尻産の昆布を入れじっくり火にかけます。
ここで大切なのは火加減です。昆布の良いところだけを引き出します。
ここを適当にやると昆布のいらないところまででてきたり良いところが完全に出きらなかったりするのです。
充分良いところが出たら昆布を引き上げます。
そこで火加減を全開にします。
煮立ってきたら鰹節を投入しますが、この鰹節も削ってある物ではございません。
寸前に節を削り器にて削って使います。
しかも節の血合いの部分はあらかじめ削りとっておくのです。
そんな削り節を適量投入するのです。
そして火を止めて漉すとすばらしい一番出汁の出来上がりです。
これで、う奈ぎ道場は肝吸いを作っています。