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今日、道場主はこの道に入ってちょうど丸30年を迎えることが出来ました。

思い起こせば30年前の3月9日が高校の卒業式でした。

その日の晩、ボストンバッグに荷造りをして、3月10日の朝7時に実家を出て行きました。


去年、他界した母親に見送られ、後ろを振り返ることも無く、前だけを向いて歩いていったそうです。

後から、ひとに聞いた話ですが、母はそれから1週間ぐらい思い出しては泣いていたそうです。

親心とはこんなものなんでしょうね。

その母も今は天国に・・・・。



その日から道場主の料理人生活の幕が切って落とされたのです。


最初のお店では、住み込みで7年半お世話になりました。


盆と正月ぐらいしか実家には戻ってきませんでした。


しかし、この7年半では、料理人として、何も肝心なことは身についていなかったのです。


ただ見た目には料理を作ることは何とかプロらしく映るのですが、中身が伴っていないのです。

一丁前になったような錯覚に陥るのです。

そのときには、自分では気づきもしないのですが・・・・・

見る人が見れば判ったはずです。



その後、三、四年は何件かのお店を回らせてらもらいました。



そこで運命の出会いが待っていたのです。

そうです。

現在の親父(料理界では親方のこと)との出会いが自分にカルチャーショックを与えました。



こんな人、料理人にいるんだ・・・・・すごすぎる。

どうしたら、いや、何年かかったらこんな風に成れるんだろう?
一生かかってもなれないんじゃないか?とか、


とてつもない技量の差を目の当たりにしました。

まさに、雲の上の存在だと感じたことは今も忘れません衝撃的でした。


そして、今までの自分は約10年何をしてきたんだろう・・・?
こんな気持ちになってしまったのです。



しかし、ここであきらめなかったことが、のちの自分を大きく成長させてくれたのでした。

話せば長くなりますが、当時、道場主も初めて料理長という立場に立たせていただき
間もない頃のことですが、
ほぼ毎日、親父から仕事が一段落する頃になると電話が入るのです。

「どやぁ、忙しいか、もう終わりか?」
「はい、そろそろ。」

「じゃぁ、何時にいつものところ!」
「分かりました。」

ってな具合に・・・・・

約束のお店に行くと、それから日が変わるまで永遠と話が続くのです。

親父にすれば自分を育てるために話をしてくれたのです。

もちろん飲み食いしながらですが、

この時間がものすごく大切な時間であったことを後々自分で分かる時が来るのです。



今でも、たまに、その頃の話を親父とするのですが、

当時は、「お前に何を話しても、チンプンカンだったろう。」
「分からないやつには、俺は話さない。話したってしょうがないだろう。通じないんだから。」

その通りレベルが高すぎて何を言われてもさっぱり・・・?
って感じでした。

しかし、今は違うんですよねぇ〜。


話が分かるのです。

分かるどころか、もっとレベルの高い話までしてくれるようになったのです。

それには、道場主も多少の努力をしましたがね。




そんな訳で、今でもしょっちゅう新松戸界隈で二人で飲んだくれています。

当時より、はるかに成長した自分と親父で。



あの時、あきらめないで良かった。
本当にそう思います。


そして、これからも努力を続けていこうと思っています。

まだ30年の青二才ですから!!



とりあえず、30年の節目を元気に迎えることが出来たこと、一つの道をずっと歩いてこれたこと
に感謝したいです。



今まで道場主に大きな力添えを下さった多くの方々に心より感謝いたします。
有難うございました。


これかも、どんどん進化して行く、う奈ぎ道場をどうぞ宜しくお願いいたします。


う奈ぎ道場ホームページもご覧ください。
http://www.unagidojo.com/index.html