202547日、第8回オンライン憲法塾を、オンライン(Zoom)で開催しました。テーマは「生活保護費引下げ訴訟の意義と展望 ― 生存権保障を具体化するとはどういうことか」で、報告者は、鈴木靜氏(愛媛大学教授、福島大学行政社会学部卒業)です。35名が参加しました。

メールにて寄せられたご感想・ご意見は、次の通りです。

 参考にしていただけると幸いです。今後とも、よろしくお願いします。

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 ★本日も貴重な学習会を企画運営していただき、感謝いたします。

静さんの優しい語り口と内容に感銘を受けています。以下に簡単な感想を記します。

現在は活動から離れましたが、「反貧困ネットワーク福島」に関わるなかで、「いのちのとりで裁判」に関する学習会にも参加してきました。全国的にあまり知られていないということをお聞きし、大変残念です。当事者の声を広く伝えることが必要だと強く思います。憲法の授業で25条を取り上げ、人権保障としての生活保護問題を伝えても、「健康で文化的な最低限度の生活」について、「最低限度の生活は、衣食住の最低レベルでよい」とコメントする学生が増えています。犯罪の背景には貧困や欠乏がある場合が多いことを事例で紹介しても、8割近い学生が死刑に賛成します。「誰一人取り残さず、すべての人に人間らしい生活を保障するのが政府の役割」であることを、義務教育から理解することが急務だと思います。(Y.N)

 

 ★厚労省はデフレ調整として、生活保護利用者が買わないものも含めて安くなったか
ら、一般のデフレ調整では用いない手法で計算したと聞き及んでいますが、具体的に
どんなことをしたのでしょうか。よろしくお願いします。 (S.O

   ⇒ 報告者・鈴木靜氏からのコメントがありました。

    「ご質問については、以下を読んでいただけたらよいかと思います。

https://inochinotoride.org/file/whatsproblem3_defure.pdf

上記は、いのちのとりで裁判全国アクションのHPからです。

https://inochinotoride.org/ 」

 

 ★福島出身の若い方がいのちのとりで裁判の会長であること誇らしく思いました。

とてもわかりやすいお話しでした。これからますます厳しくなる日本で、生活保護に対するバッシングは厳しくなりそうですね。46以上の制度と連動した保護基準を下げられたままには出来ません。国は物価高なのにはさらなる引き下げも狙っていることを知り、怒りが湧きました。特に地方は車手放しと生活できないから生活保護を受けられないことは、柔軟に対応してほしいものです。能登の復興の現状も聞いて驚き勉強になりました。ありがとうございました。(S.S

 

 ★ 鈴木先生の講演は県の高齢者大会以来でしたが、わかりやすいお話ありがとうございました。「いのちのとりで」と「千人の一歩」、心に染みました。学問・研究と具体的な国民生活改善の運動を結びつける研究者の姿勢に敬意を表します。

 私は、生活保護と最低賃金の関連に興味を持っています。生活保護基準にも地域別のランクが設けられており、最低賃金も「最低生計費が地域的に異なる」という理由から、都道府県が現在3グループに分けられています。全国一律の最低賃金を実現する運動をしていますが、自治体の議員の中にも、地方は都市圏より物価が安いから一律は不適当と語る人も少なくありません。今日のお話の中にあった、自動車の保有と維持費(あるいはその代替手段の経費)の問題や光熱費など、最低限の生活維持の費用に大差はないと思います。

 生活保護は、理念的にも運営上も最低賃金と密接な関連性があり、年金の引き下げ違憲訴訟ともつながっています。憲法25条の内容を具体化するために、いろいろな分野から国の政策を変えていく地道な運動が大事だと改めて感じました。それは、憲法の人権保障を具現化する不断の努力であるということで、まさに「憲法塾」にふさわしいものだと思います。(T.S

 

 ★昨日の第8回憲法塾の感想です。私の自宅で6人が受講しました。

 皆さん「分かり易く深い内容で感銘を受けた」ということです。

 主な感想

〇若い人が頑張っていて励まされた

〇みんなが生活保護は権利だと考えてほしい

 〇生活保護は他の制度とリンクしているから、裁判で勝つことで国民生活のレベルが上がる。

 〇仕事になじめず失業している知人は「若いのに働けないのか」と責められるので申請をためらっている。

 〇あきらめずに粘り強く闘っていることに感銘を受けた。

 〇月額500円の引上げでは物価高に追いつかない。みみっちすぎる。対して商品券10万円は腹立たしい。

 憲法塾、この後もできるだけみんなで受講しようと言う事になりました。

事務局の皆様、どうぞよろしくお願い致します。(T.M

 

 ★最初に膨大なレジュメを見たときにどうやってこれを1時間弱で報告するんだろうかと思ったのですが、45分の時間内に、過不足なく、しかもあまり専門的な法律論に立ち入ることなくわかりやすく報告されたのに感心しました。普段からよほどこの問題に取り組んでいないとできないことですね。なによりも行政社会学部卒業生がこうして歴史に残る裁判に取り組んでいることに心を強くしました。最高裁での勝訴を切に願っています。もし勝訴すると、生活保護や社会保障の問題にとどまらず、裁判所と政治の関係、ひいては今の政治のあり方の問題に大きなインパクトを与えることになるでしょう。(H.K

 

 ★鈴木静さんの報告を聞きました。

私が福島大学行政社会学部の教員となって(1989年~2003年)2年目、鈴木さんは福島大学行政社会学部に入学してきました(1990年入学)。その後、鈴木さんは、今野先生のゼミに所属し、大学院に進学して博士課程を出た後、愛媛大学の教員として赴任されましたが、民科法律部会の合宿(いつの合宿?)で、互いに研究者として久々にお会いしました。私はまだ駆け出しの「助教授」でしたが、私の民法の授業も聞いてくれたとのことでした。

今回の「いのちのとりで裁判」(新生存権裁判)に関する報告は、私の研究している民法・環境法の分野にも関連あり、大変勉強になりました。最初地裁で負け(緑)続けていた裁判が、途中からの潮目が変わり地裁で勝ち(赤)が続き、高裁でも勝ち(赤)が続くようになった話には感動しました。どんなに展望が見えなさそうでも、決してあきらめてはいけないと思いました。「いのちのとりで裁判愛媛アクション」の会長をされて活躍されているとのことです。がんばってください。最高裁の判決(第三小法廷、宇賀裁判長)に期待しています。(H.K

 

 ★裁判の話しが中心だったように思いますが、その前の日常生活や、どうしてそうなったのかとか、どうやったら生活保護から抜け出せるのかとか、裁判をしてみてどう変わったかとか、といった話も聴かせていただきたいです。(C.I

 

 ★ものすごく歯切れのいい報告でしたので、すとんと腑に落ちた感じです。

私は1980年代初頭から住宅会議の設立などに関わり、「住まいは人権」を基本理念にして取り組んできました。当時は公営住宅自治会協議会、公団住宅自治会協議会、全国借地借家人組合や自治体などの労働組合と連携する場面が多かったのです。しかも1980年代半ばのプラザ合意以降、バブル景気などで首都圏など大都市圏を中心に「地上げ」などが盛んに横行しました。民間賃貸住宅の居住者で生活保護を受けていると空調があるといって措置を停止されたり、昨日の車をもつことと同じ意味だったようです。公団住宅や公営住宅でも家賃値上げなどにどう対抗するかも大きな社会問題でしたが、現在では国は公営住宅の供給をストップさせています。「住生活基本法」(2006年)やその後の「住宅セーフティネット法」などが制定され、結局は新自由主義的な政策転換であり、その政策からこぼれ落ちそうな人々を「セーフティネット」で何とか“掬う”という方向が追求されてきています。

南海トラフ地震の発生が予想されていますが大都市圏の民間賃貸住宅の居住者の災害の発生は深刻です。多くの国民が「住宅は甲斐性」をどこかに引きずっていて、賃貸住宅はやむを得ざる選択肢と位置付けられてきてしまったのです。賃貸住宅は一たび建設が許されると、どんなに老朽化しても、どんなに過密居住でも、どんなに家賃が高かろうが、入居者がいれば、オーケーです。街角の屋台を利用する方々はご存知のように、そういうところでも「食品衛生法」の適用を受けますが、民間賃貸住宅は野放し状態です。「住まいは人権」が大きな広がりをもてば、持ち家層であろうと賃貸住宅層であろうと住まいの豊かさを求めた一致点になるのではないかと思い続けてきました。第二次世界大戦後のヨーロッパ各国は広く、公営住宅や社会住宅などを蓄積させてきました。それが住宅貧困を防いできたし、人々の貧困からの砦でした。「いのちの砦」の話を聞きながら、過去半世紀ほどの住宅政策への関わりを思い起こしていました。どうもありがとうございました(H.S

 

 ★やむを得ず途中からの傍聴となってしまいましたこと、お詫びします。

鈴木さんが粘り強く取り組んでこられたお話を聞くにつけ、多くの社会課題はこのような方々の努力によって底が抜けないよう支えられているのだと思わされました。判決の分析でコピペが分かり、その後形勢が逆転していった経緯については、司法の状況を残念に思いました。諦めずに道を開いた皆様に深く敬意を表します。
 鈴木さんにご連絡したいと思います。企画運営ありがとうございました。(M.H

 

 ★鈴木先生のお話、この分野の訴訟に直接関わっていない人たちにも、すごく分かりやすく、まとまっていてすごく良かったです。「生活保護基準」は「さまざまな制度に連動している」ということ、勉強になりました。また、「コピペ」の件は初めて聞きましたが、ビックリ!!  信じられない気分です。多くの皆さんが原告になって闘って、「棄却」もありますが「認容」も多くあり、最高裁判決に期待したいです。(K.W) 

 

 ★第8回オンライン憲法塾を聴講させていただき、論旨明快、よどみない話しぶりに感嘆させられました。講師は福大出身とのこと、英才を学界に送り出した諸先生方の薫陶の結果だと思います。現実に裁判闘争でもどんどん優勢になり、大きな成果をあげているだけに、気持ちよくお話しをうかがうことができました。

9条をめぐる運動でもこうやって若い人たちがどんどん発言して「押せ押せの状況」をつくり出せればいいのですが・・・・・・。(S.I.

 

 ★今回の憲法塾は、「生活保護費引下げ訴訟の意義と展望生存権保障を具体化するとはどういうことか」と題し、愛媛大学法文学部教授の鈴木 靜氏から報告がありました。

同氏は(旧)行政社会学において今野順夫先生(労働法・社会保障法ゼミ)に所属後、同学部を卒業され、同大学院も修了され、現在に至るというお話を伺い、かつて同学部社会情報(行政学科と応用社会学科共通)の教員として勤務していたこともあり、大変誇らしく思いました。

 さて、生活保護に関しては詳しい知識はないものの昔から関心をもっていました。しかしながら、事前配布されたレジュメを拝見し、国と長期にわたり裁判を繰り返し、現在も論争中だということがわかり大変驚きました。加えて、同氏がこの裁判に深く関わり、この問題解決に奮闘されてきたことに心から敬意を表します。メディアでは、受給されず発生した悲しい事件や不正受給の話題が多いですが、賛否を決定するような単純な問題ではなく、広い見地からの認識が必要だと感じました。

 講演の中で次の二つのことが印象に残りました。一つ目は、裁判の全国的な判決状況が令和4年を境にして大きく変化したことです。最近は勝訴が続きよい流れになっていると感じました。二つ目は、「いのちのとりで裁判」です。生活保護基準が総額670億円も引き下げられたとのことですが、その根拠(「デフレ調整」と「ゆがみ調整」)はよくわかりませんでした(色々な調整があるように思います)。生活保護基準が「生存権保障水準」ということであれば、柔軟かつ実態に即した基準であってほしいです。

 少子高齢化や人手不足が進む昨今、生活保護受給者を批判するのではなく、これらの方に社会で活躍してもらえるように仕向ける制度があってもよいと考えています。

今回のご講演、ありがとうございました。インフレや外国人の受け入れなどの動向を踏まえ、今後の生活保護制度がどう変化していくのか注視していきたいと考えています。(A.N
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