Joint Recital〜ブラームスに浸る!〜

Violin Sonata Nr.1 G-dur Op.78「雨の歌」
Cello Sonata Nr.2 F-dur Op.99
Piano Quartett Nr.1 g-moll Op.25

Violin:城香菜子/Cello:渡邊研太郎/Piano:岸美奈子/Viola:井戸健治

2008.6.29/山形市文翔館議場ホール/18:30開演

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今日をね、ずっと楽しみにしていたんです。
5月の私のコンサートでQuartetをお願いした、
香菜子ちゃんと、研太郎さんのジョイントリサイタルですよ。

ひとそれぞれの個性があって、
私にとって演奏会に行くということは、
演奏者の個性を聴きに行くことと、
作曲家の個性を聴きに行くのの両方をしに行くことなのですけれども、
今日は若いお二人のエネルギッシュな演奏を楽しむのと、
ヨハネス・ブラームスにたっぷりお会いすることができて、
とても幸せな演奏会でした。

ヴァイオリンソナタ第一番と
チェロソナタ第二番の三楽章と四楽章がみょーにツボにハマってしまって、
帰宅したらちょうどN響アワー/マーラー「千人の交響曲」をやっていたのに
急いで消して、この2曲ばかりを聴いています。
今日の私のチャンネルはここなのかしらん。

かなこちゃんのヴァイオリン、よく響いて優しい音色につやが出たような。
けんたろさんのチェロ、明るい音色にいっそう張りが出たような。
これでまず、ステップアップですよね。
これからますます、本当に楽しみですね。
オーケストラの弦楽器はいつも大人数ですし、
ちょっとしたコンサートでもアンサンブルのことが多いですから、
こうやってソロで聴けるチャンスは貴重ですよね。

ヨハネスの音楽は、ピアノの低音の扱い方が好き。
あきらかにContrabassを意識していると思われるごく低い音の、
繊細な、ときには大胆な使いかたがとても好きです。
それと、特にカルテットで聴かれた「よく歌うピアノ」は、
「ピアノの音=減衰音」だと言うことすら忘れてしまいそう。
風のような、香りのような、内に秘めた炎のような、
魅力的に輝く音がたくさんちりばめられていて、
魂ごと持って行かれてしまう感覚がありました…。

途方もなく気難しくて途方もなくいいひと、と言われたヨハネスの、
内側の熱さと豊かさ。(←なんか言葉が全く足りてない)
改めて想った今夜でした。