2010年06月24日

抜いたら生えない

ke
携帯が鳴った。
閉め終えたばかりの家の鍵を
無造作に左手で投げ
ポケットをまさぐる。

Kからの電話である事を確認すると、安堵と共に受話ボタンを押した。
大抵、俺の携帯が鳴る時は遊びの誘いではなく
何か問題が起きた時か何か問題が起きる時である。
なんだこのヤロー(怒)!!

だが今日の相手は黒酢を飲む好青年ことK。
健康に気を使ってる時点で夜も安心だ。
俺はホッケのように心を開き、彼に用件を尋ねると

「脱毛に興味はないかい??」

ん??今なんて言いました??
何故だろう。何故か不穏な予感がする。
だが言うまでもなく俺は育毛が好きだ。願わくば
「俺のボン・ジョビに抱かれちまいな。」
と女性を口説いてみたいくらい
毛髪だけでなく胸毛まで含め、
毛全般に対する深い執着がある。

GOTH関連の音楽家でクリ〇〇スチャンデス。のROZZが群を抜いて好きなのは
網タイツからスネ毛が出まくってるから、その一点である。
そう。網タイツの網ってのは、はみだす為にあるのである!!
網すらはみ出せねえ野郎は家でハンバーグでもこねてやがれ(怒)!!!!
お肉大好き(怒)!!!!!!

勿論俺も胸毛はリトル・ボンジョビ。
そう、今こそ言ってやる。
二度と俺の胸毛をチ〇毛って呼ばせねえぜ!!!!
*不適切な表現をお詫びいたします

そういう事で、友人には端的に
「うん。興味あるよ。」と答えたところ

「それじゃ明日ね!!」
と爽やかな返事をもらい、俺達の電話は終わった。

そして気付く。

脱毛って!!抜く方じゃん(焦)!!!!!!!!!

--翌日--

待ち合わせ場所に立っていたKを見つけ次第
どういうことだ!?と問い詰めた。
時既に遅しな気もするが、
何だか物凄いちゃんと話を聞いといた方が
良い気がしてならない。

彼曰く、
脱毛というのは毛を抜く事らしい。*当たり前です。
てゆーか生えてこないらしい。
すいません。わたし完全にその場のノリで来ておりました。

兎にも角にも、話を聞いてくと
我々の親友の姉でもある、やり手エステティシャンが
研修で新人に実験台にされる男を所望しているとの事であった。
うむ、そうか。姉さんの為ならば致し方ない。
一肌脱ごう。

むしろ全部脱ぎます。
覚悟しやがれ、大人を知らない生娘共め!!!!
ひゃっひゃっひゃ!!!!!!!

新宿の某ビルに着くと、そこは新人エステティシャンの園であった。
男女比率がおかしい、というか女性しかいない。
俺はカチンコチンになり
小さく小さく背中を丸め、頭を垂れて座っていた。
ほんの少し俺には刺激が強すぎたようだ。

だが、すぐに友人である姉さん(今日の影の首謀者)と遭遇し
事務的な手続きをしつつも楽しく過ごしていると遠くから
「毛穴に針を入れまして」という声が聞こえた。
うん??
一瞬にして俺は疑心暗鬼に陥り
必死に話を盗み聞こうとしたが聞こえない。
これは担当が来たらよくよく話を聞かねばならないと思っていると
看護婦が目の前に現れ
笑顔でいたいけなままの俺を施術室に連行していった。
あれ?説明は(汗)!?
説明忘れとりますよ、お姉さん(血涙)!!!!!!

だが俺は想像し得る、あらゆる予想に反して
有意義な時間を過ごす事になってしまった事を
全人類、もしくは杉並区の皆様に謝らなければならない。

施術が始まると俺の腕には謎の針やら電気やらが刺されまくった。
だが「痛かったら無理しなくていいからね☆」と気遣ってくれるものだから
性格上、引くに引けなくなり
「全然痛くねえ!!!!っつーかなんか痛くなくね??」
と涙ながらに延々と言っていた事に端を発っし
両腕同時に、即ち二人の女性から同時に施術されることになった。

そこで俺は気付いたのだが
今までの我が人生の中で見知らぬ女性が、いや知ってる女性にしろだ。
二人の異性に両腕を触られ、丁寧に扱われるなどという事態があったであろうか。

ない!!!!全然ない!!!!
漢とがっちり肩を組む機会なら多々あれど、異性に腕を求められる時なんて
ストーカーが家の前で待ち伏せして俺の腕をひっぱってきた時とか
ストーカーが二人に増えて家の前で待ち伏せして俺の腕をひっぱってきた時とか
大抵は芳しくない出来事の幕開けである。
そもそも漢たるもの腕ってのは主にラリアットをする為にあるのであって
無防備にお腹を見せる犬みたいな行為をする為にあるわけではない。
漢が顔を赤らめる時、
それは怒りに打ち震えてる時だけである。

そんな俺が。今色んな意味で弄ばれている。
そう。人生を二人の女性に愚弄されているのだ。
*抜きたくない毛を抜かれてるって意味で

こんな軽やかな愚弄があったであろうか。
そうとなれば、俺の毛が無くなる事なんて些細な事でしかない。
なんの為に生えてきたのか。それは、抜かれる為に生まれてきた。
そう、それでいいのだ。
幼い頃(一週間くらい前)、俺はずっと納得できなかった。
ただひたすら育毛だけをする自分には、何の為に抜けてゆくのか哀しくて仕方なかった。
「ほたるの墓」という宮崎駿の映画を見た事があるだろうか?
俺はない。
だが今、抜かれる毛を見て違った感情が湧き上がる。

好きです。

そう思いかけた瞬間、俺は大事なことに気付く。
そもそも脱毛する事に納得したとして
何処を抜くか、というのは大きな問題である。
提出用紙の脱毛希望箇所という欄には「腕、胸、脚」という項目があった。

どうすべきか真剣に悩んでいると唯一
手の甲の外側という果てしなく微妙なポジションの毛がちょっぴり濃いという事実を
俺のこの繊細なスウィートハートが気にしていた事を思い出した。
勿論思い出したという事は10年位忘れてたのだが。

そこで俺は「脱毛箇所:腕」に〇をつけた紙を渡した事を思い出す。

だがコミュニケーションとは難しいものだ。
「膝って十回言って。」彼女はこう言う。
「じゃあここは?」肘を差して笑う女。そこは何だっけ??
じゃあ腕とはどこからどこまでが腕なのか。

そうして俺は、
人より濃い手の甲の外側の毛と
つるつるの腕を手に入れた。


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FOXPiLLライブ予定
■07月03日(土、深夜) 新宿JAM
「POTLATCH DEAD vol.2」 -FOXPiLL 1st ALBUMレコ発!!自主企画-
BAND★THE PRIVATES,FOXPiLL,HAT TRICKERS,BLOWGIES
DJ★nAo12xu(13th moon),MACKY RAMONE(buzz attitude)

■10月30日(土、深夜) 新宿JAM
「POTLATCH DEAD vol.3 -HALLOWEEN special-」
BAND★FOXPiLL

◆前売チケット予約→CLICK
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2009年06月20日

さよなら敏感肌

2月某日

ここ数日、水風呂を浴びている。
二月といえば立春の候などと
暦の上に春は立ちながらも
気温は真冬。

真冬と真水の交錯は
風呂の湯が出ない程度、楽勝と過信してた肉体にも
鈍く負担を圧し掛かけはじめた。

俺の身体で青ざめた事があるのは
この蒙古班だけだぜ!!!
とキリっと(プリっと)尻を見せたいところではあるが
今日ばかりはやれる気がしない。
そもそも俺のお尻は意外とデリケートである。

思い出す。
俺って敏感肌なんだぜ?としゃくれ気味に語っていたら
「遅漏の敏感肌!!クズ!!」
と地味に罵られたあの夏。
着信拒否こそが我が闘争であった。

とりあえず、管理会社に
「まだ風呂の湯が出ねえーーー(怒)!!」と伝えると
強く降り出した雨の中
LIZARDのモモヨさんのインストアライブを観に下北沢へ向かった。
ソロライブであったが
むしろ一人で演奏する事で、自己の内面を深く深く吐露していく行為が
より無限の広がりを感じさせるのじゃないだろうか、とすら思うほど
心地良くサイケな空間であった。

帰り道、雨は激しさを一層増し
凸凹の道に大きくできた水溜りを見ると
雨粒が叩きつけられてる、というより
まるでそこから気泡が湧き出してるかのようだった。
ぽーぽぽぽぽーぽぽぽ。

こんな刺すように寒い日こそ
ゆっくりと風呂に入り暖まりたいものだが
その可能性の低さを一歩づつ確かめるようにアパートの階段を昇ってゆく。
雑巾の如く水を含んだ靴からは
ニチャニチャ、という音と共に
ゾンビのような足跡が生成されてるだろう、が振り向く気力はない。
左ポケットをまさぐりながら
部屋前に着くと荷物を置いた。
安堵と共にドアノブに右手をかけた瞬間
左手が確信した。

家の鍵がねえ(血涙)!!

2月5日-

新宿ロフトで
LIZARD コンプリートBOX発売記念ライブ
"革命前夜祭"ニューキッズ総決起大会が行われ
DARKSIDE MIRRORSもその日トップバッターで出演させて頂いた。
この日は東京ロッカーズの面々の前でやらさせてもらう以上
軟派なステージだけは見せられねえわけで
俺もアンプ持込でめちゃくちゃ気合いが入っていた、のだが
1曲目が始まった瞬間、皮のストラップが千切れてギターが落下した。
そして後半に入ると
シールド(ギターとアンプを繋ぐケーブル)が千切れ空中分解した。

家に帰りガムテープで補修した。
完璧だ。

-2月某日-

「ああ!!!キテるじゃない!!!すごいキテるじゃない!!」
「あれ??やっぱ全然キテない!!全然キテない!!」
「ほらやっぱキテる!!やっぱりキテると思って(以下略)」

やたらハイテンションで
キテるか否かの判定を告げ続ける男。
その判定は短い時は立て続けに10秒間隔で
長いと30分前後で覆り続けた。

俺は一度。そう、一度。
最初に彼が口を開けた時
ナイスなテンションで言葉を返した。
だがそれは数少ないコミュニケーションであろう、という予見の元に
気持ち良くお互い生きよう、という気遣いと打算が働いたが故の
日常より少し高めのテンションであった。

だがその後、予想だにしなかった高頻度で
反応欲しそうに判定を告げるこの男(毎回興奮気味)を前に
言葉を引っこめるタイミングが見つからず
「そ、そうっすか!!!!」などと延々同じテンションで答え続ける事態に陥っていた。
例えば、洗脳というものは感覚を徹底的に奪い去り
電流を流したら、走り回る実験用ラットのように育てあげる事だという。
反応が欲しいならスイッチ一つ押せばいい。
まるでそれらを連想させるように
途中からそれは同意、伝達確認という本来の意味すらなくし
受話器をあげられれば狂気なまでに鳴り喚くリカちゃん電話の如く
俺はギゴギゴギコギコとただ共鳴していただけであった。

どれくらい時間が経ったろうか
俺は「畑屋製作所」と刻印された業務用白熱灯をかざしながら
酷い胸騒ぎに襲われた。
何故このおっちゃんはこんなにテンションが高いのか。

そして何故
俺は工事を手伝っているのか。

一体どういうことだ。
なんつーの?僕ってお客様的なポジションじゃないんすか(汗)!?
ん??
誰だ!!!俺のお手伝い魂に火をつけた野郎は!!

説明しよう!!!
俺が他者からみても存在理由の謎なバンドに在籍している時、
それは俺のお手伝い魂に火をつけられ
なんとなく辞めづらい!!みたいな状況の血と汗の結晶である!!
洗濯するよりお手伝い!!!!
*フィクション希望です。

兎にも角にも
未だお湯が出ない状態は続いていて
直っては壊れの繰り返しで原因を特定する事はできず
最終的にこの電気屋が大家より派遣されてきた。

だがこの電気屋(推定68歳)、どう見ても様子がおかしい!!
大丈夫、大丈夫!!と言ってるので
いくつか質問をしてみたのだが
お湯が何故出ないのか、治るのか
何が大丈夫なのか、という事
については一向に説明しない
というか、さっきからほとんどの時間を玄関のブレーカーのとこで
テスター片手に
「あれキテる?キテない?」
ってのに費やしている。
いやそこわかってねーなら、絶対わかってねーだろ!!!

なんだかネジが開けられないとか、これってどうやったら開くんだろ?
みたいな事を何かと困り顔でブツクサ言っておるので
その度に「多分これってこうじゃね?」とか、なんとなく勘で手伝ってあげつつ
謎な作業を数時間眺め続けてたのだが
悩み続けた彼は急に何か思いついたのか
パルックのCMのように、パっと顔が明るくなり

「今日は必要な工具が足りないから明日工事する!!」
「大丈夫!!こことここに穴開けて繋いじゃえば大丈夫!!大工事になるよ!!」

といきなり言い出し帰っていった。

え!?穴開けんの!??
つか、さっきまでそんな事は一言も言ってなかったような、、、、

すげー危険な予感がする(怖)!!!!!!!!

-2月某日-

携帯電話が鳴った。
昨日の電気屋のおっさんからだ。

「あの、、、体調壊しちゃって今日行けなくなっちゃた、、、」

おういぇい。年上とはいえ開口一番なんたるタメ口&展開!!!!!!
だが俺も一刻も早く修理して欲しい気持ちもあるので
冷静を装い、とりあえず何日なら来れそうか穏やかに質問をした。

「ほら、、昨日お宅で遅くまで働いちゃったじゃない??それ以来体調がおかしくて、、、
 だから他の修理屋さんにね、修理してもらって!!ね!!ね!!」

おおう!!おめえ夜の七時にきっかり帰ったじゃねえかーーー!!!!
つーかネジ空けたり肉体労働は危なっかしいから俺がやっとった気がするぜ!!!!
、、、ものすごい仮病のかほりが、、、(絶句)

これは駄目で御座います。と思い電話をプチっと切ると
すぐさま管理会社に連絡をした。

てか白熱灯とか工具の一部をおっさんが置いてったまま
取りにこないのだけどコレどうすんべ。
*スタッフで美味しく頂きました。

-2月某日-

大家さんから電話がきた。
この大家さんは女性であるのだが
こちらが油断してると
「あなたってボーっとしてて愚図なのね。」等とうっかり攻撃してくる
それはそれはもう俺の天敵なのである。
愚図ってなによ。

、、、、、
あら??なにこの感じ。
嫌いじゃないわ!!!
この言葉嫌いじゃないわアタシ!!!

まあなんともそんな感じで
小生も自分探しの旅にやっとゴールが見え始めてたのですが
今日は大家さんの様子がおかしい。
いつもの凛としてプライドの高い感じがしない。

「あ、、、あの、、、、。」

??

「ご、、ご、ごめんなさいね!!」

うおおおおおおお(興奮)!!!!!!!!!!!!!!!!!
ツンデレや!!!!!!初めて見た!!!!!
初めて見ましたお母さん(感涙)。
厳密にいうと違うけど、これはデレではないのだろうけど
俺はそれでもいい!!!!
ヒューヒューだよ!!あなたヒューヒューだよ!!!
例え相手が齢六十(推定)の主婦でも
リアルなツンデレとはこんなに萌えるものだったなんて。

おーけー抱いてしんぜよう。
赤いチャンチャンコごと抱いてしんぜよう!!
水風呂なんぞ問題なし!!!

嘘です。問題あります。
どんどん髪の毛が抜けてくんです。

その夜、水風呂を浴びた。
心より先に毛根がくじけてしまったのを知り
悲しみに明け暮れた。

-2月某日-

雪が降る。
なかなか修理の詳細が決まらないと思っていたら
管理会社から焦った様子で電話がきた。

「申し訳ありません!!何度も連絡しているのですが
 なかなか大家が捕まりません!!!」

ええっ〈驚)!?
そっちなの(驚)!!

やりおるな。
大家が逃走中とは誠に想定外。
電気屋に逃げられ、大家に逃げられ。
もう駄目な気がする。

-2月28日-

誕生日だ。正確には2月29日だが都合があるのだ!!
なんだか偶然M原くんに飲みに誘われて
〇原氏、〇ージ氏、〇UCY氏とで新宿でバッキリ飲む。
そういや全員ギタリストだけど歌う人達だ。
みんな内面に独特の癖と愛情が溢れてて、こんもり面白い。

勿論、朝になったら「帰らねえぞーー!!」とぐずり出す狂犬M氏を
あの手この手でなだめて気持ちよくお帰り頂く一連の行為は
もはや神聖な伝統行事のひとつになりつつあるが
この日はとてもスムーズに事が運んだせいか
狂犬が「しゃーー(怒)!!!」って言って帰っていった。
どうか世界に早く平和がおとずれますように。

-3月1日-

めでたい!!!!
大学時代の友人の結婚式だ。

それにしても学生時代の友達ってのは落ち着くっつーかやっぱいいもんだ。
今となっちゃ皆全然違う場所を歩いてる。
今同じものを見たって、それぞれ見える風景は違うのだろう。
だからこそ、皆の本気の話は聞く事が楽しい。
当たり前のようにこれからも当たり前の事が過去になる日々が続くかもしれない
だからこそ、その瞬間瞬間の自分のルーツに立ち戻れる場所ってのはあるだけで
自分が腐ってんのか、前見れてんのか冷静に見れる大切な場所だと今は思う。
学友が結婚するとなんだかすげえ嬉しいっつーのは
何があったって結局人生のリンクした数少ない相手だからかもしれない。

おめでとう岡!!!幸せになりやがれこんちくしょー!!!

ちなみに「新郎の選ぶ一番抱かれたい男」に選んでいただきました(照)。
ありがとうござ、、、、
新郎!??

-3月7日-

新宿JAMのガレージ系イベントでDARKSIDE MIRRORSでライブだった。
この日はドイツで映画祭とかを仕切ってる
エリックっつー人がきてビデオを撮っていた(俺が立てたビデオ台の前で)。
ちなみにLUCYとJUNKはその人制作のドキュメンタリー映画かなんかに出演したらしい。
だがそんなライブ的殺伐と様々な交流が交差した異空間とはいえ我が家の風呂はまだ壊れ中。
さすがにライブ後は、なんとしてでも毛根の為に銭湯に行きたいので
「すいません、用事が御座いますので先に帰ります。」と曖昧にメンバーに伝えダッシュで逃走。
人間ひとりとの絆の崩壊と毛根一本とのお別れ
どちらも等しくいとおしい。

だが我がバンドのメンバーは3人。

ということは!!!!

毛根が3本以上抜けそうな場合は
毛根を優先すべし!!さよならDARKSIDE MIRRORS!!!!

帰り道、近所に住んでる友人カップルに遭遇し
結局そこのお風呂にご厄介になる。

-3月9日-

「お風呂まだ壊れてるなら、うちに入りに来なよ。」と
K様からお誘い頂いたのでお宅にお邪魔する。
Fちゃんが作ったやたらと美味い自家製とんかつを食べながら談笑してるとすぐ夜中に。
翌日の仕事もありますし、空気を読みまして御礼をし、帰宅する。

あれ?俺風呂入ってなくね?

-3月某日-

いまだ大家さんとは連絡がとれない。
鍋とヤカン。
まだまだ10℃を切る寒い夜を耐え忍ぶ為
両方に水を注ぎ、火にかける。

水風呂を乗り越える為の準備。
この作業にもかなり慣れてきた。

だがそれでも全身を濯ぐには足りず
少しでも体温低下を防ぎ続ける為
熱湯を含ませたタオルを熱の伝達率のよい首に巻きつけた。
蛇口をひねる。
冷水に耐える為を歯を食い縛りながら
頭を差し出す
と熱湯がいきなり頭皮を打った。

熱ちぃぃぃぃぃぃーーーー(怒)!!!!!!!

サンドラッグで割高の育毛剤を買いつつ
少しづつ育ててきたこの毛根。
赤子の産毛を撫でるように俺はそっと愛でてきた。
だが冷水にいじめられ、熱湯にいじめられ。
もうバンドも辞めよう。

そう思っていたら
死神ジョー(ベース)が脱退した。




---ライブ情報---
DARKSIDE MIRRORS
6月26日 初台DOORS
BAND★灰野敬二、森下泰輔(銀座芸術研究所)
6月27日 高田馬場 AREA
BAND★LOOPUS , Demi Semi Quaver
8月14日 福岡CB
BAND★SHEENA & ROCKETS
8月16日 高塔山ロックフェスティバル
BAND★SHEENA & ROCKETS、ROCK'N'ROLL GYPSIES etc,,,,,

MADAME EDWARDA
6月20日 青い部屋
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2009年01月16日

お茶であちゃー

atsui
眠れない。
日曜の夜、
というより完全に月曜の朝。
まだ冬が死にきってないからか
外はまだ黒が沈みきったまま沈殿している。
だがもうすぐそれも終わる。
なのに今も身体は動かないほど疲れ切ってるのに
うまく眠ることが出来ない。

なぜなら

部屋の中に人がいるからだ。

おい、ちょっと待てそこの妙齢共。
おまえら完全に今劇場版アニメ見始めただろ。

むきゃああああああーーーーーー!!!!!!!!!!

-------------

日曜の昼、俺は蒲焼さん太郎を食べていた。
何か名前に騙されてる気がする。
そう考えつつも、もう少し眠ろう
と思い布団に潜った。
前日の夜からある考えをまとめられず
ずっといらついていた。
その思考に帰宅後もまた憑依される。
人は夢を見たり変な活動は活発なくせに
なかなか意識をコントロールしてうまく眠ることは出来ない。
吐き出せない溜息が胸に沈殿し始めた頃
電話が鳴った。

一瞬鼓動が早くなった後
着信を見ると某イギリス人だった。

「おいしい紅茶を飲みにいこう。」

うむ。なんだろう、この違和感は。
まあいいか。
どうあれ彼はもう何年も強い敬意をもって接している一人であり
最も話していて意識が覚醒する人間の一人だ。
紅茶って言っても何か俺の知らない隠語で
とってもハードな秘め事かもしれない。

ちなみにですが、俺はじゃんけんが好きだ。

だが彼は日本文化に深く理解があり
とてつもなく日本語がうまいからだろうか、
俺が海外出身者と仲良くなる度にくりだす
「じゃーんけーん、金玉何個(怒)!!」攻撃に
一度ものってきたことがない。
なんてことだ。
しかも
「じゃーんけーん、エロ本何冊(怒)!!」
にものってこない。
なんてことだ。
お前は間違えてパーを出してしまって
うおおおおお!!!五冊も!!!五冊もか!!!!!
と頭を抱えてキャッキャと楽しむという古来の日本的嗜みに
触れ合う機会を逃しておるのですのよ!!!!
抱いて!!!わたしを抱いて!!!!

「男二人でスコーンと紅茶を楽しむことってあまりないよね。」

彼は言う。
うむ。確かに。
だが言うな。声に出して言うな。
なるべく小声で言うべきだ。
結局、というか須らくというか、俺達二人は
ハーブの香り漂う紅茶屋さんのカフェで
ティータイム(てぃーたいむ)というものを楽しんでいた。
どのみち服装とか外見的に俺達はゲイに見られる事(もしくは女ったらしに見られる事)
には慣れているのでそんな話題を楽しむだけで
実際は大して気にしてはいなかった気がしなくもないが。
それにしても彼と話すことはただのロックバンドの演奏を生で聞くよりも
とても映像的で聴覚と想像力を膨らます。
飴細工を巡らせ膨らますように話をしていると
電話が鳴った。
〇〇だ。どうやら友人といるらしく
合流することになった。

俺達二人が今さっき食事を終えた事を告げると
「じゃあ御飯食べに行こう。」
と彼女は言い出した。
誰かが四丁目カフェという店へ歩き出す。
少し会話が噛み合ってない気はするのだが
気のせいであろうか。そこ名前的にたぶんカフェですよ!!?
いや、ですから僕ご飯食べたんですって!!!!

さっさと二度目の夕食を済ませると
我が家へ向かう。みんなが置いてった酒とツマミは
腐るほどある。
というか時々本当に腐ってる。
俺達は豆腐とエリンギを買うと
一目散に競歩でお尻をぶりぶり振りながら(寒いから)
家に向かった。

何に没頭してたのだろうか。
もうすっかりその日も日付が変わる時刻になっていたのだが
〇〇が最近発言していないと思ったら寝ていた。
というか毛布をかけて完全に本気寝の体勢だ。
人の家の布団をなんで勝手にひいておるのだ。
そしてそいつが寝ている間
日英のアニメオタクに俺は数十本のアニメのOPを見させられ
その日、ほぼ俺は廃人と化した(体力的に)。

だがわからない。
後日この異次元レベルのオタク共が我が家に現れた時に
たまたま胸に「萌え」と書いてあるピンクのTシャツを手に入れたので
かかってきやがれ!!とばりに着て出迎えてみたら
ドン引きされた。
オタクってこういうとこが嫌よね、みたいな顔をしておる。
ですよね。
心の中でそう納得すると
一人そそくさと地味なTシャツに着替えたのでした。

uniuniikuradon at 04:53|Permalinkclip!バンドと日常 

2009年01月15日

蹴っちゃ駄目(正月編)

牛

ガタンゴトン、ガタンゴトン
重く項垂れた頭を上げる気力もなく
ただただ眠り続けていた。
ぎゃああああーーーー!!という赤ん坊の声が聞こえる。

どうやら隣には子連れの主婦が座っているようであった。
横浜到着との車内アナンウンスが流れるが、子供の泣き声に掻き消される。
その耳触りな音は俺を眠りから少し剥がし、耳を敏感にさせた。
泣き止まぬ赤子に母親は焦り
「お父さんとお母さんどっちが好きなの!!!」
「まさかお父さんなの!!???」
「ひょっとしてお父さんなの!?!??」

!!???

なんだか僕の方がどきどきして参りました。
おちついてください奥さん。なんなら僕謝ります奥さん(泣)。
だが少々ピリピリした空気は感じつつもまだ目蓋は重く
泣き声が右耳に馴染んでくると
眠気が再び訪れ、俺は眠りに落ちた。

大船に着くと車内アナウンスでなく
ドンドン、ドンドン、という音で目覚めた。
子供は未だ泣き続け、周囲を蹴りまくっている。
母親は焦り、
「蹴っちゃ駄目!!!絶対駄目!!」
「お隣さんが!!!お隣さんが起きちゃう!!!!」
「お隣さんが起きたらどうするの!!??」
と大惨事と言わんばかりにわめいている。

だが、それに関しては残念としか言いようがない。
そう。寝ながら蹴られてるお隣さんとは
俺のことである。
てゆーか僕もう起きてます奥さん(泣)!!!!
もうずっと起きております(泣)!!!!!!
完全に目を開けるタイミングを逃したまま
怒涛の赤ん坊キックと母親の悲鳴をやりすごすと、この日幾度目かの
深い眠りに再びついた。

次の目覚めは非常に穏やかで
緩やかなカーブを描くよう徐々に意識が浮かび上がってきた。
どうやら隣の赤子も落ち着いたらしく、
母親の口からは軽やかな鼻歌が洩れていた。
延々と繰り返される「祭り〜、祭り〜。うんとこどっこいしょ(仮)!!」
という溜め息交じりの小さな歌声。

!!???

なんだその歌詞!!!!
うっかり俺好みのフレーズ(うんとこどっこいしょ!の部分はちゃんと聞き取れず詳細不明)
が出てきた事に耳を疑うも、延々とそのフレーズだけが繰り返される。
ほんの数分だけ「アイアイおさるさんだよ」という歌詞の曲も
歌っていたが、それもそこだけ延々と繰り返してたので
どうやらこの主婦はサビしか歌わない主義のようである。
お願いだからAメロも歌ってください奥さん。
てゆーか僕そろそろ起きていいっすか(汗)。

久しぶりに実家に帰ると
親父と日本酒を酌み交わした。

父「XX(母)がこっちの方が近道っぽいよ?と言うので
  そっちに行ったら、一山超えた。」
母「そうそう山があった。」
父「いやいやそんな事言ってない。」
母「いやいやそんな事言ってない。」
父「なんだっけ?」
母「なんだっけ?」

なんなんだ(怒)!!!!!!!!
山ってなんだ!!!!!
むきゃあああーーーーーーー(怒)!!!!!!!!

ー逆回転ー

元日の朝、兄弟分が着いたというので急いで迎えに行こうと
階段をダッシュで駆け下る途中
はずみで壁に手をつくと、予想外の激痛が走った。
手首の少し上に完全垂直に数cmの鋭利で棒状のガラス片が
2本突き刺さり、血が大量に溢れ出した。手で抑えても止まる量ではない。
この間も自宅前でチャリに轢かれたというのにまたか!!!!!!
ビルの2階から3階までの階段がドス黒い血で染まる。
自宅玄関で「やっちまった。」と告げると
大和が「スラム!!スラム!!!!」と言いながら雑巾で血を拭きにいってくれた。
応急処置でなんとか止血したが左手が少し痺れててギターが握れない。
おいおい、さすがにこれ1月のライブやばそうだな、、、と思い
ZINさんにお手紙したためようと思っておりましたら
3日で完璧に治った。無駄に健康。
お陰様で今年も超健康体で頑張れそうです!!!
さよならゴス!!!!
さよなら暗い音楽!!!!!!!

-着地-

今年は帰省し、数日実家でゆっくりと過ごした。
普段触れぬ世界の話を聞いてるとフっと価値観の立地点が変わる事がある。
数ヶ月前だろうか、あるステージを前に俺は緊張していた。
だが他の観点から見たらてめえ緊張してる場合じゃねえだろ
と気を引き締められたキッカケも普段行かない場所にあった。
自由な視点を得る事は難しい。気付けば狭い部屋をぐるぐる廻り縄張りにしている。
そこを無理に出たからといって何かが出来る保障も自由もない。
だがもしいくら扉を開けてみても、最後には檻であったとして
その窓から見る景色を綺麗に模写してるよりかは
ビー玉を飲み込んで窒息しそうになりながら想像妊娠でもしてた方が
まだ創造的だと思う。何より窮屈な場所には鬼すら居ない。
そんなのつまらねーじゃねーか。本当に大切なものなど5つや6つもない。
ならば最後には俺が鬼になろう。
そして子供を産むのだ。

今年はやるぞーーー!!!!!
あ、いや子作りって意味じゃなくて。

まーというか、どのみち
実家に帰って相変わらず西村一族にまつわる血みどろ新エピソードを伝え聞いて
よくわからないけれど、がんばらなければシャレにならん。
と思った次第で御座います。血は血で洗ってやるぜ。
がんばるぞー(遠い目)。あ、いや子作りって意味じゃなくて。

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ライブ情報 
-MADAME EDWARDA情報- 
1月17日@新宿MARZ
BAND:AUTO-MOD、LOOPUS、 MOSQUITO SPIRAL
NEWアルバム、そろそろ出るんじゃなかろか。

-Darkside Mirrors情報-   
2月5日@新宿ロフト
BAND:LIZARD、8 1/2(ハッカニブンノイチ)
NEW ミニアルバム、出た。
*今出てる「DOLL」誌の2月号に
 インタビューのっとる。
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uniuniikuradon at 01:21|Permalinkclip!バンドと日常 

2008年09月28日

奥さんとマンダム -死闘括約筋編-

anaaaaal





2008年初旬

と或る小さな部屋で
ベースを黙々と6時間弾き続ける男。
それをたいして動きもせず
ただひたすらと見つめ続ける数人の大人達。
某氏を中心としたプロジェクトのレコーティング真っ最中である。
かなり久しぶりの新作となる上、ある種問題作かもしれない。
余計気を抜く事は出来ない。
シビアな判断が求められ、俺は作業用コンピューターの前に
耳を澄ますように座り込むと、
目を瞑り、俺は

寝ていた。

いや、起きている。厳密には起きている。
意識あるもん!!
記憶だってもうビンビンだぜ!!!!
あそこもビンビ(以下略)

だが、どっちかっていうと寝てみたい。

ちなみに俺は何をやっているのかというと、
録音補助は勿論、その場での波形の切り貼りやミックスなど
編集作業を主にやっていた。
こういう場ではいかに演奏者がストレスを感じる事なく
編集や加工を即座にして目の前に結果を見せられるかが重要となる。
とゆーことはだ。
寝ちゃまずい。
ベーシストの演奏が終わると、くわっと目を見開き

「うんうん。なかなかよかったんじゃないっすか?」

と口も開いた。
どうやら人は目と口を両方開くと
よだれが出そうになるらしい。うおっと。

目蓋は文鎮でも吊られてるかのように重い。
とりあえずはチャールズ・ブロンソンなみの渋い顔(もしくは酸っぱそうな顔)で
「いいじゃない。いいじゃない、奥さん。」
などと返答して難を逃れてはおるが、これもいつまでもつのであろうか。

一応これには原因があって
なんだか前日に急遽始めたギター録音が結局朝までかかり
そのまま編集作業をしていると、一睡もする暇なく
時間通り昼にベーシストが来訪し録音はスタートしてしまった。

ぬかった。

そう、彼は遅刻をしない。夜も安心。
都会の横漏れガードマンと言えば彼の事である(たぶん)。
時間通りやってきた彼に挨拶をすると
「ケビン、寝起き?」
と尋ねられた。
うむ、さっき全力で風呂でさっぱりしてきたところであります。

そんな中、準備が整い次第
ベースレコーディングは進行していった。
そういえば俺の名前、西村なんすけど。

録音されたベースを聞いていく。
これを基にどうやって音を重ねていくか考える。
ブリブリでウネウネのベースラインはまるで
形骸化すらしなかったポジパンの悪夢が約束されたようで
嬉しくてニヤけると、サイケデリックが脳内にへばりついてきた。
俺は音楽に於いてドラッグなんてクソくらえだと思ってる。
そんな歴史もコミューンも知ったこっちゃねえし、若い人達や仲間にやって欲しいとも思わない。
だからそんなもんやジャンルに頼らず拒絶するサイケを産みたい。
やり甲斐ありそうだ。めちゃくちゃにしてやるぜクソったれ。
そう思うと下がり気味の目蓋もテンションと共にグングン上がってゆく。

のだが、この爽やかマッチョメン。
いつまでたっても休もうとしない。流石は爽やかマッチョメン。
だが俺のお尻は爽やかではなかった。
やめて。あなたもうやめて。
昨日の夕方から俺は壊れて安定のない椅子に
少なくとも20時間以上色々な機材などを抱えながら、ほぼぶっ続けで座っていた。
痔になったらどうしよう。
俺の菊の門周辺を支えているものはもはや括約筋ではなく
微かに残った尊厳と現実逃避力だけであった。
自分は毛根とお尻にだけは優しく生きたい。
それだけがあの頃の私のささやかな望みで御座いました。

結局日は暮れベーシストの握力に限界がきて、やっとその日の録音は終わった。

レコーディングが終わると
俺はパンダの被り物を被らされていた。

黒い毛皮のコートにパンダの被り物。
なんだろう。なんで俺はこんな事をさせられているのだろう。

理不尽はいつだって君の隣に(てゆーか俺の目の前に)。

いつの間にか下りた帳の中
外には不器用な雪が降り積もり始めていた。

まあとにかく、わっしょいわっしょいしたメンバーで雪の中、打ち上げに向かった。
今日は喉がやられて歌入れは難しいと言っていたボーカリストも飲んでいる。
あれ??
どうあれ飲み終わり帰宅すると
すぐさま俺はうちにある真空管マイクやらAKGのコンデンサーなど数本を
ハードケースに詰め込み支度を始めた。
これからDarkside Mirrorsのレコーディングだ。
気合いを入れねばと思い二年前に賞味期限の切れたリポ〇タンAを2本飲む。
瞬時にお腹を壊した。
そうか、人はここまで瞬時にお腹を壊せるのか。
味は問題なかったのに。
オーケー、だがお陰でばっちり目が覚めた。

青山のとある場所へ向かう。
天井の高いナイスな場所でメンバーが伸び伸びと演奏をしている。
ギター録音の日ではないので俺はまた座って眺めている。
あれ?俺いらなくないっすか?
無論何もやる事がないからといって寝るわけにはいかんので
最後の力を振り絞り、目だけはクワっと見開き風景をただ見ていた。
すると最終的にドラムのJUNK氏は体力が尽き道端で揃えられたマッチ棒みたいな形で寝ていた。
死神ジョーは何故かまた最後まで満面の笑顔。
そしてLUCY氏は例えていうなら
竹の子の成長をカメラで撮ったものの、動きが遅いから十倍速で再生してみました
みたいな、なんだかよくわからない踊りを踊っていた。


重い真空管マイクを二つのハードケースに抱え帰途につく。
氷の張り付いた道路とすべり止めのなくなったボロボロのスニーカー。
今日も家までの道のりは遠い。

あれ!?このマイク使ってなくね??

uniuniikuradon at 18:00|PermalinkComments(6)clip!バンドと日常 

2008年07月11日

坊主と坊主でどっこいしょ。

affffuuuuroooo


或る日の事だ。
それは法事で実家に帰る前日。
屈強の漢達8人で新宿の夜をグルグルと酔い潰していた。
その夜は歌舞伎町でちょっとしたイザコザがあって
血気盛る夜だったものの
IQ高き狂犬・M原氏の劇的な活躍によって
一滴の血も流れず無事朝を迎えたのだった。

まあその狂犬が近辺で暴れてる頃
何も知らずに俺は健康な生活を目指して
延々、魚の骨をムシャムシャ食べていたのだが
それはみんなには内緒である。

だがそんな屈強な漢達といえど酒と時計はまわるもの。
数々の漢が離脱してゆき
俺もリミットが来て法事の為に平塚ゆきの電車へと乗り込んだ。

数時間後、当初の予定通り地元の駅に降り立つと
両親と合流。
さすがに前日の夜から飲み続けていたのでもう僕の視界はぱいんぱいん。
かろうじて法事用に着ていた一張羅だけが
俺の意識と輪郭を支えていた。

だが着ていたYシャツがぐしゃぐしゃでみすぼらしいという理由で
俺はその足で紳士服売り場へと向かわされた。
あれ?あのう、先程申し上げた通り
これ僕の一張羅なんすけど(汗)??聞いてます奥さん??

そいつの姿が良いかどうか判断するのは結局、他人だ。
基本自分が良けりゃ良い気はするが、
やはり大人となると他人がどう思うかこそが大事な時もある。
酒が身体をまだ巡ってるお陰で常時45度に傾いてる俺の身体に
テキパキと店員によって
様々なYシャツが着せられてゆく。

やーめーてー。

紳士服売り場の中央でほぼ半裸状態で着せ替えをされるというのも
なかなかなもんでは御座いますが
私と致しましても開いた口からヨダレを垂らさない事で
精一杯で御座いましたのでここは引き分けと致し(以下略)。

あれ??
とゆーか服屋って試着室ってシステムありませんでしたっけ??
ええええええ!!!!!!!
なんで自分ここで着替えさせられてるんすか!!!??

わからん。経緯が全くわからん。

勿論、俺が紳士服売り場のおばちゃんに
「俺のチクビがお前に、こんにちわ!!って言いたがってるぜい!!」
などと言って口説いた覚えはない。
覚えてないだけかもしれないが、そのようなフレーズは
結婚式前日や初夜にとっておくのがスジってものだ。
それはそれは俺のケツの割れ目くらい真っ直ぐに通ったスジがあるんだぜベイベー。

一体何が起きているんだ。

気付くと
いつのまにか寺にいた。

ぬぼー。

相変わらず酔っているのでさっき購入した新品のYシャツは
すでにくっちゃくちゃである。
無意識に近い状態で日常は進む。
法事なので、俺の目の前には勿論お坊さんがいた。
ふくよかで人の良さそうなお坊さんだ。
そして後ろには痩せこけた邪悪な眼つきの坊主が座っておる。
どういうことだろう。邪念渦巻く坊主が何故ここに。
そもそもちょっと馬に似ている。
などと考えていたのだが

あ。これうちのオヤジじゃないか。

と、すぐに気付いた。
酔っていても父か否かは意外と判別できるものだ。
いつからだろう、うちの父は坊さんっぽい。間違っても坊っちゃんの方ではない。
坊主である。
祖母の葬式では喪主なのにもかかわらず、何故か友人達に
「ありがたや。」などと拝まれ囲まれ、やんややんやハシャいでいたのだが(ハシャぐな。)
理由は単純。坊主頭にしたからであろう。
すなわち髪の毛が残念。
毛根が死して尚、彼は今も生き続けている。
彼の毛穴から全ての毛が無くなった時、それは何になるのだろう。
穴、と呼べばいいのだろうか。

しかし何故だろう。坊主っぽいのに全然見てて安らがない。すごい勢いでプラスイオン。
これもひとえに我が父上のお人柄の所以でしょう。

まあそんな事を考えながらも周囲に目をやると
母がうろちょろしている。
後方に発見したイスを見ながら
「これイス??イス??座っていいのかな!?」
などと希望を込めて嬉しそうに質問してくる。
ちょっと待て母よ。今は法事。
どう考えてもこっちの座布団に座らないとマズイだろう。
そもそもイスに座って何をおっぱじめようと言うのだ。

我が親ながら、一体何をするつもりなのだろう。
などと考えてると、
お坊さんが全然見てないタイミングで父がお布施を差し出していた。
おお、なんたる気まずさだ!!気付いてもらえず困っている!!
しかも少し恥ずかしそうだ!!
絶妙なタイミングで包みを引っ込ませようと
機会を伺い続ける父。何故か一緒に機会を伺う母。

そんな緊張感溢れるやりとりを脇目に
俺は父方の婆ちゃんの遺影を眺め始めていた。
笑っている。
人生を長く生き抜いた人はどんな事を想うのだろう。
同じ時間を過ごす事の多い家族にでさえ
聞きそびれてしまう事はいっぱいある。

血の繋がらぬ者。遠く離れた者なら尚の事。
明日はあいつらに何を聞こう、
そんな事を考えつつ遺影を眺めてたら

どう考えても
祖母の髪型がサイババに似ている
という事に気付き

シラフに戻ってしまったのでした。


uniuniikuradon at 08:47|Permalinkclip!おいしい天狗の食べ方 

2008年02月04日

パジャマと共に去りぬ(レッドカーペットの上を)

kyaaa


「SONYでパーティーがある。」

そんな話を聞いたのは一月の平塚への帰省前だった。
なんでもDarkside MirrorsのTELEPHONEのPVを撮ったヨクナ・パトーファが
テレビ番組にPVを投稿したらしく何かにノミネートされたらしいのだ。
うちらは素材だし、それこそ俺なんてその曲でギターすら弾いてないので(その頃メンバーじゃなかった)
関係ないっていや、あまり関係ないのだが
出席したらどうか?との話がまわってきたのだ。
ピエール瀧氏や放送作家の倉本美津留氏が司会の番組のパーティーらしい。

パーテー。

なんて浮かれた単語なのだ。
もうパーリーなんて言葉を聞いただけで
確実に浮かれて、それのわっしょいはお尻に伝わってゆき
今だって目を閉じてケツの穴ムギュっと閉めないと
あなた河童に尻小玉抜かれるわよ!!
と俺の中の理性が何度も熱く警告してくる。
ポーリー。
日本語に直すと乱痴気騒ぎ(たぶん)。
殿もみんなもご乱心。
だが例えば悪魔崇拝の集会において、頭だけの山羊、頭のない鶏などを
はじめとして様々な血肉が用意されているようにそこにも、、、、、
うふ、、!!うふふふ!!!

俺はしっかりと落ち着いた声で確認をした。
「やっぱご飯とかあるんすかね?」
そう。そりゃあるに決まってるじゃないか。
むしろ酒じゃね?酒すごいんじゃね??との話になり
「全力で伺わせて頂きます。」と俺はお伝えし電話を切った。

一つ気掛かりなのは
「ほぼ1」という番組のパーティーらしいのだが、
そのパーティーの開催時間とその番組の公開収録の時間が
一緒っぽいということである。
「一応念の為マトモな格好で来て。」
ボーカルのLucyにそう言われたので
髭は剃り忘れたし、だらしない髪型でもあったものの
一応無難な服を選びウコンの力をしっかり飲んでSONYのスタジオへ向かった。

メンバー全員が集合すると
マトモな格好で来いと言っていたLUCYがなんでパジャマを着ているんだろう??
という非常に大きく解決できそうにない疑問はあったものの
そんな疑問を彼女にぶつける暇もなく俺達は遅刻気味にビルへ入っていった。
やはり公開収録があるようである。多くの人が並び、受付をしている。
へえ〜。と他人事のように眺めてたら
俺達はスタッフさんに自分達の席に連れてかれた。
前には出演者用らしきテーブルクロスのかかった円卓席がいくつも。
そして後方には一般視聴者用であろうパイプ椅子がいくつも並べられていた。
そして俺らが連れて行かれたのは、
めちゃめちゃ前の円卓の席。
あれ??ひょっとしてうちら出演者なの(汗)!!????
ちょっと待って!!!!!
一体これから何が始まるの!!??

ご飯は!!????

そうして、全く状況が理解できない&心の準備ができないまま
収録がスタートした。
もちろんご飯的なものはどこにも見当たらない。
どうやら「ほぼ1」という番組は応募されてきた一分間の映像作品を
ピエール瀧氏と倉本美津留氏が審査するという番組らしい。
それで各部門にノミネートされた人々が集められて今日授賞式、という事までは理解した。
そしてノミネート作品が流された後、両司会者さんに作品を作った監督がいじられる
というのが今日の番組の進行のようである。
だが肝心の撮影者ヨクナ・パトーファは来ていない。なんでだ。
それどころか実は応募された作品がどんなものかすらうちらメンバーは知らない。
結局おおー!!どうすんべ!!!とモメている間に
あれよあれよとメンバーがインタビューを受け、なぜか受賞し
レッドカーペットを歩く事に。

受賞部門はオチがない部門。
レッドカーペットを先頭で歩くジーパンパジャマ姿のLucyを筆頭に
うちらは壇上に登っていった。
何故か満面の笑みの死神ジョー。何故か目が笑ってないJunk the Ripper。
それを尻目に低い声で喋るジーパンパジャマ。
ちょっと待て、俺のご飯はどこなんだ。


2007年05月29日

ない(とくにぼくの髪)--レッドシューズとその後で--

rikiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
いつものように最後の曲を終えると
ギターを置き、
ほんの少しだけ辺りを見回して一礼をした。
喝采が起こりYOU-DIEさんがMCで
観客をさらに煽る。
その喧騒をどこか他人事のように
頭の裏っ側で感じながら
延々と鳴り止まないフィードバックを止める為に
かなり古びたVOXアンプのスイッチを切った。

、、にしてもこいつは癖モノだった。
出力がめちゃくちゃ弱い上にどうやってもアンプ側で歪む。
この日は覚悟を決め、
逆に徹底的に鳴り沈まぬノイズとフィードバックを
ひたすら空間に押し流し続ける事にした。
メロディーや言葉を伝えるのが厳しい現状、
そんな場所なら代わりに身体を張るしかないだろう。

西麻布。
良い意味で煌びやかな業界系の雰囲気というのだろうか?
この日はよくある日陰のようなライブハウスとは違い、
そこにいるお客さん自体のポジティブに向かう姿勢が既にすごかった。
リーバイスのファッションショーで演奏した時と
同じような印象だ。
一つ違うのは今回は音楽番組関係のイベント
っつーのもあってかエディーコクランもジェームスブラウンの曲も
殆どの人が有名曲なら当然知っているような雰囲気だった。最高。
それも加味されてか盛り上げも喝采もすごい。
だが俺は最低な気分に陥っていた。
果たしてちゃんと核は伝えられたのだろうか。黒いものが溜まる。
速攻撤収しようとするも、疲弊しきってたので
一旦他のメンバーの元へ向かうと
既に飲み始めていた。そこで人から色々な感想を聞く。

うん。へえー。
うん?あれ??まじで(照)??
うーん、、、
おう!?

ぷち。

うーーーん(嬉)。

ぷち。


わっしょおおおーーーーいい(壊)!!!!!!!!!!


気が付くと
予想を超える感触の良さに
メンバー一同わっしょいわっしょいしていた。
さっきのイライラは完全に忘れております。
誉められると伸びる子です。
お菓子をくれる人にはついていってしまいます。
だがその感触を現実で後押ししてくれるかのように
フロアに再び戻ると後に繋がるような話がいくつか
降ってきた。うぽぽ?

「なんだ!!この誰に言っても酒を奢ってくれそうな雰囲気は!!」
*某氏談

とゆーことで一体どこから運ばれてくるのか
わからない酒を延々と飲み続け(たまに他人の)
ハイになり過ぎたメンバーと共に
俺は酔い潰れそうな身体を壁に預けると、
ここ一年ずっと伸ばし続けていた前髪をかきあげ
ぐるぐる廻る視界で天井を見上げた。天井も廻る。


この時、かきあげる事で視界から
一瞬でフェードアウトしていった前髪。

これが、、、
この酔った日常の何気ない一瞥が、、
僕と僕の前髪との最後の対面になる。

(再生)

2時頃になると
この日のライブビデオを見る為もあって
うちらはリーダーの家へと撤収した。

一時間後、気付くと
LUCY(竹の子)とJUNK(痴漢ドワーフ)に
激しい抵抗虚しく何故か髪を切られていた。
裁判にも勝てるレベルで必死に抵抗したにもかかわらずだ。

「ビデオ見て思ったんだけど
もう少し顔が見えた方がいいから前髪切ろう。」

そう。
それはそんな大それた発言ではない。
気軽な一言だから俺は頷いただけだ。

だが
なぜ数十分に渡り前髪だけ
執拗に切り続けているのであろうか。
そしてなぜPAのイサオさんはビデオを撮っているのだろうか。

鏡など勿論ないので俺は
恐る恐るみんなに尋ねる。
「、、あのー、この髪型ってバイト受かりそうですか(汗)!?」
「うんうん!!絶対受かるよ!!前よりいいって!!」


〜五分後〜


「うんうん!!気が狂ってる人みたいでいいね!!」
「うん!!狂ってるね!!」


え?今何て言った(汗)?


俺の今までの人生経験によると、
狂ってそうってポイントは面接で
役に立つとは到底思えない気がしなくもない。
だがしかし、目の前で、
たった今俺の目の前でハサミをギラギラした目で
振りかざすこの人達全てが気狂いであったとしたら
俺の質問に意味はない。

悪魔の囁く言葉は安堵感をもたらすが幸福をもたらすものではない。

なぜみんなめちゃくちゃ笑顔なのであろう(何故か俺も)。

後にJUNK氏は「とても悪魔儀式的な断髪式だった。」
と語ったそうだが、
その儀式の裏側で生贄として捧げられた子羊がいた事に関して
彼女達が気付いていたかどうかは謎である。

数十分後、相変わらず前髪だけを延々と切り続け
彼女達は満面の笑みで
「よかったね!!良くなったよ!!うんうん!!」
という言葉と共に、
やっと悪魔的儀式の終わりを子羊に告げた。

(停止)

酔いも冷め、朝起きると
髪をかき上げる必要もなく目に直接天井が放り込まれてきた。
数時間前の出来事を思い出す。
後ろ髪の長さはそのままに前髪2cm。
前髪だけ2cm。
1cmが2個しかない。

ポケットを叩くとビスケットが2つ。もう一つ叩くとビスケットが4つ。
僕はいくら自分の頭を叩いてみれど、前髪は1cmが2つのままであった。

その後、何故かメンバー全員でその断髪ビデオを仲良く鑑賞。

その日どこかへ向かう途中
LUCY(竹の子)は長州力の入場テーマ曲を口ずさんでいた。
しかも無意識に。


uniuniikuradon at 14:30|PermalinkComments(2)clip!みんみんダークサイド 

2006年12月23日

ズーチクズーチク pt1(出会い系編)

katana


僕は色々バンドを遊びも含めてやってたりする。
その中に僕がドラムを叩いてるバンドがある。
「ポストロックをやろう。」
という話で集まった若者の集団だ。
俺以外はみんな二十歳くらいの奴らで
最近の基本編成はドラム(俺)、ベース、ピアニカ、サックスと刀だ。

あれ、、ギターとかキーボードは??と俺も思う。
最初はいた。。。はずなのだがいつの間にかメンバーは変わってゆき
一回僕が練習を休んだ時、変わりにサックス奏者が入ったという噂を聞いた。

そのバンドのスタジオでの模様を平仮名で表現してみよう。

どんどこどこどこど ←ドラムね
でんでででで、でんでで
で、、で、、、
っぴぎゃぎゃああああああああああああああ!!!!!!!!←ピアニカの音
ぷーぷーっどっどふ、、、、、
、、、、ぴ、、
、、
ぴぎゃああああああああ!!!!!!!←ピアニカの音
ぴいいいいいぴいいいぎゃああああああ!!!!←ピアニカの音


、、、あのう、、、
、、、よろしいでしょうか?
ポストロックってこんなんでしたっけ、、、、(汗)!?
もう年を取り過ぎてしまったのだろうか、
最近若者の考えてる事がわからない。
何を言ってるのかすらわからない。
どう考えてもhanatarashとかそっち系にしか俺には聞こえてならない。
そして、どう考えてもピアニカの音量が一番デカイ。
俺のドラムの音より全然デカイ。
テープをいくら聞き返してもピアニカの音しか聞こえない。
俺いらなくね??
ちなみに書いてある通り「ぴぎゃああ!!!」って音はピアニカが
アンプから出してる音である。
先日まで彼のパートはバイオリンだったはずなのだが
いつのまにピアニカになったのだろう。不思議なこともあるものだ。
そして問題はサックス奏者である。
僕の貧困な頭で想像するサックス奏者とはサックスを吹く人であった。
だが彼は遅れてスタジオに入ってくるなり(俺は初対面)、
いきなり刀を鞘から抜いて絶叫しだしたのだ。
とりあえず僕らはそれに合わせて音を出してゆく。
なんか音止めたら刺されそうだし。

なぜ僕の目の前に刀を振り回して暴れてる人がいるんだろう。
世界の絶望の一歩手前で儚くも愛を語るような音楽がやりたかった。
だから僕はポストロック的なアプローチに想いを託そうと思ったのだ。
だが、目の前に現実として絶望がある。
違った意味で。
それはタナトスに惹かれるナルシストが妄想するような甘い類の退廃ではない。
寿司屋のカウンターで武蔵丸のお尻が目の前にずどんと置かれたかのように
眼前に飛び込んでくるぶっとい現実なのである。

練習が終わりスタジオを出ると偶然彼の部活の先輩に遭遇した。
彼は「やべえ〜、サックス練習しないでバンドやってるとこ先輩に見つかっちゃったよ〜(恐)。」
といって、プルプル怯えている。
落ち着け。どう考えても部活の先輩より刀を振り回す君の方が俺は全然怖い。
あのーそういえば俺まだ名前知らないんですけど?

その後、彼は警察や風俗ビルの前、ラーメン屋の中でも
隙をついては刀を鞘から抜きはじめ
僕だけでなくあらゆる人々を心の底からビビらせ続けるのであった。

あのーそういえば俺まだ名前知らないんすけど?

つづく

uniuniikuradon at 11:41|PermalinkComments(6)clip!ズーチクズーチク