2015年のTimes Higher Education世界大学ランキングにおける、
日本の大学の順位と評価基準について考察します。
Citaitonsの評価基準が変更されたことが日本の大学に不利に働いたようです。
2014年の記事に追記する形になっています。
| 順位 | 大学名 (世界順位) |
|---|---|
| 1 | 東大(43) |
| 2 | 京大(88) |
| 3 | 東北大(201-250) |
| 3 |
東工大(201-250) |
| 5 | 大阪大(251-300) |
| 6 | 名古屋大(301-350) |
| 7 |
北海道大(401-500) |
| 8 | 九州大(401-500) |
| 8 |
東京医科歯科大(401-500) |
| 8 |
首都大学東京(401-500) |
| 8 |
筑波大(401-500) |
| 12 | 広島大(501-600) |
| 12 | 金沢大(501-600) |
| 12 | 慶應大(501-600) |
| 12 | 大阪市立大(501-600) |
| 12 | 東京農工大(501-600) |
| 17 | 千葉大(601-800) |
| 17 | 愛媛大(601-800) |
| 17 | 岐阜大(601-800) |
| 17 | 順天堂大(601-800) |
| 17 | 近畿大(601-800) |
| 17 | 神戸大(601-800) |
| 17 | 熊本大(601-800) |
| 17 | 九州工業大(601-800) |
| 17 | 長崎大(601-800) |
| 17 | 新潟大(601-800) |
| 17 | 岡山大(601-800) |
| 17 | 大阪府立大(601-800) |
| 17 | 埼玉大(601-800) |
| 17 | 信州大(601-800) |
| 17 | 昭和大(601-800) |
| 17 | 東海大(601-800) |
| 17 | 徳島大(601-800) |
| 17 | 東京海洋大(601-800) |
| 17 | 東京理科大(601-800) |
| 17 | 鳥取大(601-800) |
| 17 | 豊橋技術科学大(601-800) |
| 17 | 早稲田大(601-800) |
| 17 | 横浜市立大(601-800) |
| 17 | 横浜国立大(601-800) |
同一順位での並びはアルファベット順です。
全体的に日本の大学は順位を落としているようです。
1位の東大も、北京大(42)やシンガポール国立大(26)に負けていますね。
北京大のindustry incomeが100.0であるのに対して、
東大は50.0に留まっています。この点も響いているのでしょうか。
シンガポールの大学は、International outlookでの評価が高いです。
東大が30.8であるのに対して、シンガポール国立大は96.2となっています。
日本の大学の並び自体は良く見かけるような並びに見えます。
注目に値するのは、早稲田大が大きく順位を落としている点や、
神戸大が近畿大と並んでいる点などでしょうか。
早稲田大の順位の急降下は、
Citationsの評価基準変更の影響によるものかもしれません。
変更により、国内での被引用は評価されにくくなったようです。
2015-2016における早稲田大のCitationsは29.4、
2014-2015においては、早稲田大のCitationsは55.5です。
非常に分かりやすい変化をしていますね。
日本の上位大学のCitationsの昨年から今年においての変化をまとめてみます。
Citations基準変更の日本の大学への影響
以下に示すのは、昨年から今年にかけてのCitationsのスコアの変化です。
東大74.7→60.9
京大57.0→46.6
東北大49.6→49.4
東工大48.1→42.2
大阪大51.1→37.4
名古屋大59.9→40.1
北海道大32.2→29.3
九州大33.6→31.8
東京医科歯科大51.1→36.6
首都大 100.0→72.2
筑波大51.1→33.7
全ての大学で、評価が落ちていますね。
評価基準の変化が不利に働いたと考えるのが自然な考え方でしょう。
東北大などの変化の度合いが小さい大学は、
英語でのpublicationが強い大学とも捉えられますし、
国内での被引用がそれほど強くない大学とも捉えられます。
当然分野によっての違いも大きいでしょうし、
文系の研究が強い大学ほど落ちるのではないかという発想をする方もいると思います。
しかし、医科歯科大のような大学もかなり評価を落としていますね。
この手のランキングの数字は慎重に考える必要があります。
確かに日本の大学は大きく順位を下げましたが、
その原因の1つは評価基準の変化にあるのではないでしょうか。
評価基準
The basic methodology for this year’s rankings is similar to that employed since the 2011-12 tables, but we have made important changes to the underlying data.
いくつかの重要な変更が加えられました。
しかし、評価基準の重み自体は2014年から変更されていません。
Citationsにおいては、重要な変化があったようです。
In previous years we have further normalised citation data within countries, with the aim of reducing the impact of measuring citations of English language publications. The change to Scopus as a data source has allowed us to reduce the level to which we do this. This year, we have blended equal measures of a country-adjusted and non-country-adjusted raw measure of citations scores. This reflects a more rigorous approach to international comparison of research publications.
標準化の仕方を変更したようですね。
英語でのpublicationのみを計ることの影響を緩和するための措置が弱まったようです。
今までは国内での引用データも参照するという措置がとられていました。
THEはデータソースの変化を理由に、
緩和措置のレベルを下げることが出来ると考えたようですが、
結果として英語圏以外の大学に不利な影響を与えたようにも見えます。
Time Hihger Education世界大学ランキング2014
23位:東京大学
59位:京都大学
141位:東京工業大学
157位:大阪大学
165位:東北大学
226~250位:名古屋大学、首都大学東京
276~300位:東京医科歯科大学
301~350位:筑波大学
351~400位:北海道大学、九州大学、早稲田大学
評価基準
International outlook: People, research 7.5%
外国人の学生の割合、外国人の教員の割合、
論文の共著者に外国人を含む割合が、それぞれ2.5%の重みを与えられています。
Resarch: Volume, income, reputation 30%
大学の研究に対する評価が18%
教員数と購買力平価、分野の差を考慮に入れた研究収入が6%
大学の規模と分野の差を考慮に入れた、査読論文数が6%の重みを与えられています。
Citations: Resarch influence 30%
分野の違いを考慮に入れた論文の被引用数という指標です。
Industory income: innovation 2.5%
産業を助けるようなイノベーションを生むかという指標です。
Teaching: The learning enviroment 30%
教育に関する調査の結果が15%
教員に対する学生数が4.5%
学士と博士との割合が2.25%
学部生と院生との割合が6%
教員数に対する大学の収入が2.25%の重みを与えられています。
コメント
慶應義塾大学が400位以内にランクインしていないのは意外な結果と言えるかもしれません。
基本的にこの手のランキングでは、医学部の存在は有利に働くのですが、
被引用数の評価が分野の違いを考慮に入れた結果でしょうか。
首都大学東京はかなり高い位置にランクインしていますね。
このランキングにおいては、
教育環境が比較的重く評価されているようなので、
首都大学東京はその点で優れているとみなされていると考えられます。
または、分野を考慮に入れた際の被引用数が優れている可能性もあります。
The Times Higher Education World University Rankings 2014-2015