平成26年度の科研費配分においては、
分野ごとに大学別の新規採択累計数が公開されています。
この記事においては、
新規採択累計数を基準として経済学の研究が強い大学について考察します。
2015.12追記 平成27年度の結果を追記しました。

理論経済学

平成26年度

1位大阪大
2位東大
3位早稲田大★
4位一橋大
5位京大
6位東北大
7位関西大★
8位横浜国立大
9位筑波大 9位神戸大 9位国際大★ 9位立命館大★

平成27年度

1位大阪大
2位東大
3位一橋大 3位早稲田大★
5位京大
6位筑波大 6位神戸大 6位立命館大★ 6位関西大★
10位東北大

経済学説・経済思想

平成26年度

1位東北大
2位横浜国立大2位早稲田大★
4位埼玉大  4位一橋大 4位名古屋大 4位京大
4位高知大  4位中央大★4位大月短期大

平成27年度

1位東北大 1位埼玉大 1位横浜国立大
4位一橋大 4位京大
6位北海道大 6位名古屋大 6位高知大 6位中央大★
6位早稲田大★ 6位関西大★

経済統計

平成26年度

1位筑波大  1位東大
3位一橋大
4位大阪大  4位神戸大
6位横浜国立大 
7位京大   7位早稲田大★
9位北海道大 9位千葉大 9位広島大

平成27年度

1位筑波大  
2位一橋大
3位東大 3位横浜国立大
5位大阪大 5位早稲田大★
7位千葉大 7位京大 7位神戸大
10位政策研究大学院大学

経済政策

平成26年度

1位大阪大
2位一橋大
3位東大
4位神戸大
5位京大
6位東北大
7位慶應大★
8位早稲田大★
9位名古屋大
10位筑波大

平成27年度

1位一橋大
2位大阪大 2位神戸大
4位東大
5位京大
6位東北大
7位早稲田大★
8位政策研究大学院大学
9位慶應大★
10位独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

財務・公共経済

平成26年度

1位一橋大
2位政策研究大学院大
3位神戸大
4位東大   4位早稲田★
6位大阪大
7位名古屋大 7位立命館大★
9位慶應大★
10位日本貿易振興機構アジア経済研究所

平成27年度

1位一橋大
2位政策研究大学院大
3位東大 3位大阪大
5位神戸大
6位早稲田★
7位名古屋大
8位慶應大★
9位立命館大★ 9位国立社会保障・人口問題研究所

金融・ファイナンス

平成26年度

1位早稲田大★
2位神戸大
3位大阪大
4位名古屋大
5位東大
6位京都産業大★6位立命館大★
8位一橋大   8位青山学院大★
10位京大   10位慶應大★ 10位法政大★

平成27年度

1位早稲田大★
2位神戸大
3位大阪大
4位京都産業大★
5位一橋大
6位青山学院大★ 6位立命館大★
8位東大
9位名古屋大 9位九州大 9位慶應大★ 9位日本大★

経済史

平成26年度

1位東大
2位一橋大
3位東北大  3位京都大
5位九州大
6位大阪大  6位首都大
8位慶應大★ 8位立教大★
10位埼玉大 10位横浜国立大 10位名古屋市立大 10位駿河台大★
10位同志社大★

平成27年度

1位東大
2位東北大 2位京大
4位大阪大 4位首都大
6位横浜国立大 6位立教大★
8位一橋大 8位九州大 8位慶應大★

全てでランクインしている大学

一橋大のみ

考察

一橋大は全ての分野で強いようです。
慶應大は経済に強いイメージがありますが、
科研費の採択数を基準とするとさほど強くないようです。
7つの分野の内5つで早稲田大に負けています。
(平成27年度では7つの分野の内6つで負けています)
しかし、私大では立命館大と並んで早稲田大に次ぐ位置にあると言えそうです。
旧三商大である神戸大も強いです。
また、横浜国立大も健闘しています。
国立大は、大体イメージ通りの並びとなっているのではないでしょうか。
意外なランクインと思われるのは、
経済史で10位にランクインした駿河台大や、
経済学説・経済思想で4位にランクインした大月短期大でしょうか。
分野を細かく分けてみれば、
一般的にはそれほど研究が強いと思われていないような大学が強いこともあります。
このことは、研究力を大学名から推測するのではなく、
分野ごとの違いを考慮に入れる必要性を示していると言えます。
今回のランキングの基準となっている科研費採択数も、
絶対の基準ではありませんし、過度の単純化は避けるべきでしょう。
それでも、一つの指標としては役に立つものであると言えると思います。

平成26年度科研費配分額

平成27年度科学研究費助成事業の配分について