Center for World University Rankingsにおける、
評価基準と日本の大学の順位について考察します。
CWURの特徴の一つは、早慶が大阪大や東北大よりも上位に来ている点です。
CWUR日本の大学順位

順位 大学名
(世界順位)
1 東大(13)
2 京大(17)
3 慶應大(34)
4 早稲田大(38)
5 大阪大(45)
6 東北大(73)
7 九州大(100)
8 東工大(109)
9 名古屋大(125)
10 北海道大(178)
11 岡山大(245)
12 筑波大(262)
13 広島大(290)
14 神戸大(320)
15 東京医科歯科大(392)

評価基準


1) Quality of Education, measured by the number of a university's alumni who have won major international awards, prizes, and medals relative to the university's size [25%]

大学の規模を考慮に入れた上で、

卒業生がどれだけ国際的な賞を得ているかという指標です。


2) Alumni Employment, measured by the number of a university's alumni who have held CEO positions at the world's top companies relative to the university's size [25%]

大学の規模を考慮に入れた上で、

卒業生がどれだけ世界トップ企業のCEOの座を得ているかという指標です。


3) Quality of Faculty, measured by the number of academics who have won major international awards, prizes, and medals [25%]

研究者がどれだけ主要な国際的な賞やメダルなどを得ているかという指標です。


4) Publications, measured by the number of research papers appearing in reputable journals [5%]

評判の高い雑誌にどれだけ研究論文が現れているかという指標です。


5) Influence, measured by the number of research papers appearing in highly-influential journals [5%]

影響力の大きい雑誌にどれだけ研究論文が現れているかという指標です。


6) Citations, measured by the number of highly-cited research papers [5%]

高被引用文献の数という指標です。


7) Broad Impact, measured by the university's h-index [5%]

論文数と被引用数から、

研究への相対的貢献度を示すことを意図したh指数という指標です。


8) Patents, measured by the number of international patent filings [5%]

国際的な特許出願数という指標です。

考察

並んでいる顔ぶれ自体は、
ほとんどの世界大学ランキングで馴染みのあるものとなっています。
しかし、早慶が大阪大や東北大を上回っている点は特徴的です。
他のランキングでは、
早慶は筑波大や広島大の辺りにランクインしていることが多いでしょう。

評価基準を考える際には、大学の規模が考慮に入れられているものと、
考慮に入れられていないものがある点に注意する必要がありそうです。
比較的、卒業生の活躍に重きを置いたランキングであるように思われます。
早慶大が有利となっている指標は、Alumni Employment
です。
規模を差し引いて考えても、地方帝国大などより早慶が勝っているという点は、
以外に思う人も少なくないかもしれません。
東大は
Alumni Employmentでも国内トップで世界3位となっています。
ハーバードとスタンフォードに次ぐ位置に立っているのはさすがですね。

それにしても、
Alumni Employment
慶應大が世界5位、早稲田大が世界8位というのは意外ですね。
私も含めた多くの人にとっては、
地方帝国大に優っていることよりも、そちらのほうが驚きでしょう。
ケンブリッジ大学が10位、オックスフォード大学が13位となっています。
早慶がオックスブリッジを上回るというのは、俄かには信じがたいですね。

この手のランキングは評価基準の塩梅によって大きく変化するので、
評価項目ごとのランキングを見たほうが面白いかもしれませんね。

Quality of Educationの東大、京大、名古屋大、東北大という並びは、
意外性のないものですが、
Quality of Facultyでは、京大、東大、名古屋大という並びになり、
京大が東大を上回っている点は注目に値するでしょう。
この指標以外では、全ての指標で東大が京大を上回っています。

ちなみに、早慶以外の私大でランクインしているのは以下の通りです。

465位順天堂大 473位日本大 481位東京理科大 555位東京女子医大
622位東海大  713位札幌医科大 722位自治医科大 727位東邦大
731位北里大  737位近畿大 771位久留米大 775位慈恵医科大
800位昭和大  862位福岡大 863位浜松医科大 908位帝京大
926位立命館大

上智、同志社、MARCHなどはランク外です。
医学部のない私大でランクイン出来たのは、
早稲田大、東京理科大、立命館大のみです。
医学の存在の大きさが改めて感じられますね。


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