平成28年度の科研費配分額についてのランキングを作成しました。
例年同様、旧帝大・東工大・筑波大・神戸大・早慶・広島大が上位を占めていますが、筑波大学が40億円台に乗り東工大との差を縮めたという点と、早稲田大学が医学部を有する広島大を抜き12位にランクインした点が印象的です。また、トップ25に医学部を有していない立命館大・東京農工大がランクインしているところを見ると、トップ25において医学部偏重傾向が緩和されたように見えます。
医学部の無い首都圏国立大学やMARCH関関同立などの科研費についても触れました。
1000万未満の額は切り捨てとしました。

順位 大学名(科研費配分額)
1位 東京大学(216億7000万)
2位 京都大学(137億5000万)
3位 大阪大学(106億9000万)
4位 東北大学(99億7000万)
5位 名古屋大学(76億8000万)
6位 九州大学(71億5000万)
7位 北海道大学(58億)
8位 東京工業大学(45億4000万)
9位 筑波大学(40億7000万)
10位 慶應義塾大学(32億3000万)
11位 神戸大学(28億1000万)
12位 早稲田大学(27億2000万)
13位 広島大学(26億2000万)
14位 金沢大学(23億2000万)
15位 岡山大学(23億1000万)
16位 千葉大学(22億6000万)
17位 東京医科歯科大学(18億)
18位 熊本大学(17億4000万)
19位 新潟大学(17億2000万)
20位 長崎大学(14億3000万)
21位 徳島大学(14億2000万)
22位 愛媛大学(12億7000万)
23位 首都大学大学東京(11億9000万)
24位 立命館大学(11億6000万)
25位 東京農工大学(11億2000万)

旧帝国大学と東工大の並びと金額は例年同様ですが、筑波大が40億円の壁を越えて東工大に近づきました。また、早稲田大・立命館大・東京農工大など医学部を有していない大学がランクアップしている例が散見されます。立命館大が24位にランクインし、早慶に次ぐ科研費を持つ私大であることを認識している人は世間ではあまりいないかもしれません。医学部を有する日大や、高い受験偏差値を誇る東京理科大に勝っている点は注目に値すると言えるでしょう。

全体の傾向としては、昨年とほぼ同割合の配分額の39.6%が生物系に与えられているため、依然として医学部の強い大学は科研費ランキングにおいては有利になっています。平成28年度においては、医学部がない大学で25位以内に入ったのは、東工大・早稲田大・首都大・立命館大・東京農工大のみです。
ちなみに、理工系は31.9%、人文社会系は11.6%、総合系が16.8%となっています。
配分割合が二番目に多い理工系を生物系と合計すると71.5%になり、残りの三割未満の金額を人文社会系と総合系が分かち合うことになります。さすがに理工系学部無しでのトップ25ランクインはありませんでした。文系学部において東大京大に次ぐ受験難易度を誇る一橋大の配分額は6億9000万円です。

上智理科大MARCH関関同立の科研費

立命館大学 11億6000万(総合ランキング24位)

東京理科大学 9億9000万

同志社大学 9億2000万

明治大学 6億6000万
関西学院大学 6億6000万(↑)

関西大学 5億3000万 (↓)

中央大学 4億2000万
上智大学 3億7000万(↑)

法政大学 3億7000万  (↓)

立教大学 3億6000万

青山学院大学 2億5000万


昨年とほぼ全く同じ並びですが、関西学院大と関西大、上智大と法政大の順位がそれぞれ入れ替わりました。同志社大・理科大・関西学院大は昨年度比べて約2億円ほど配分額を増加させました。同志社大や関西学院大を見る、とミッション系私大でも同ランク大と比べて多くの科研費を獲得することもあることが分かります。それと対照的に、東京の上智大・立教大・青山学院大は苦戦しているように見えます。


他の私大で科研費が多いのは、日本大学(9億9000万)・順天堂大(8億6000万)・近畿大学(7億)・東海大(6億7000万)あたりでしょうか。


医学部の無い首都圏主要国立大学

東京農工大学 11億2000万(総合ランキング25位)

横浜国立大学 10億2000万

一橋大学 6億9000万

電気通信大学 5億9000万

東京外国語大学 3億7000万

東京海洋大学 3億3000万

東京学芸大学 2億5000万

お茶の水女子大 2億3000万

理工系学部を持っていない一橋大が電気通信大よりも多くの科研費を確保している点が印象的です。一般的な傾向として、医学部のない国立大の科研費はそれほど多くないという印象を受けます。電気通信大学や東京海洋大学の科研費が東京理科大より少ない点や、東京外国語大学の科研費が立教大と同程度という点は、意外に思う人もいるのではないでしょうか。横浜国立大学は比較的健闘していますが、それでも東京理科大と同程度です。国立大学法人の在り方が見直され始めている中で、これらの首都圏国立大がどのような役割を担うことになるのか注目に値します。


平成28年度科学研究費助成事業の配分について