高等教育局主要事項―平成27年度概算要求において、
平成28年度国立大学法人運営交付金における3つの重点支援枠について、
触れられています。
この記事においては、3つの重点支援枠について考察してみます。
重点支援①

主として、地域に貢献する取組とともに、専門分野の特性に配慮しつつ、
強み・特色のある分野で
世界・全国的な教育・研究を推進する取組を中核とする国立大学を支援

色々と詰め込み過ぎて何が言いたいのかよく分からない文になっていますが、
要するに地域に貢献することを重視した支援なのでしょう。
事実上、予算が切り下げられる区分になることも予想されそうです。

北海道教育大学 室蘭工業大学 小樽商科大学 帯広畜産大学
旭川医科大学 北見工業大学 弘前大学 岩手大学
宮城教育大学 秋田大学 山形大学 福島大学
茨城大学 宇都宮大学 群馬大学 埼玉大学
横浜国立大学 新潟大学 長岡技術科学大学 上越教育大学
富山大学 福井大学 山梨大学 信州大学
岐阜大学 静岡大学 浜松医科大学 愛知教育大学
名古屋工業大学 豊橋技術科学大学 三重大学 滋賀大学
滋賀医科大学 京都教育大学 京都工芸繊維大学 大阪教育大学
兵庫教育大学 奈良教育大学 和歌山大学 鳥取大学
島根大学 山口大学 徳島大学 鳴門教育大学
香川大学 愛媛大学 高知大学 福岡教育大学
佐賀大学 長崎大学 熊本大学 大分大学
宮崎大学 鹿児島大学 琉球大学

横浜国立大学がこの区分に分類されているのは意外と思う人もいるでしょう。
また、新潟大学・長崎大学・熊本大学などの旧六医科大学も入っていますね。
旧六医科大学という括りは、
あまり意味を持たなくなっていると言えるのかもしれません。
ちなみに東京の大学は一つも入っていません。
東京で地域に貢献する大学があってもよいと思うのですが。


重点支援②

主として、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で地域というより
世界全国的な教育・研究を推進する取組を中核とする国立大学を支援

「地域というより世界全国的な」という表現は、
より高度なという意味合いなのでしょう。
そう考えると、重点支援①よりは潤沢な予算を期待出来そうです。

筑波技術大学 東京医科歯科大学 東京外国語大学 東京学芸大学
東京芸術大学 東京海洋大学 お茶の水女子大学 電気通信大学
奈良女子大学 九州工業大学 鹿屋体育大学 政策研究大学院大学
総合研究大学院大学 北陸先端科学技術大学院大学 奈良先端科学技術大学院大学


東京の大学が多いという結果になっています。
電気通信大学が、名古屋工業大学と比べて高度な研究をしている印象はありませんが、
東京という立地が有利に働いているのでしょうか。
奈良女子大学や鹿屋体育大学が入っている点は、意外と言えそうです。


重点支援③

主として、卓越した成果を創出している海外大学と伍して、
全学的に卓越した教育研究、社会実装を推進する取組を中核とする
国立大学を支援

最も多くの予算を期待出来そうな書きぶりですね。
「全学的に」という表現も盛り込まれていますが、
特定の分野のみが強い大学は除外されるということなのでしょうか。

北海道大学 東北大学 筑波大学 千葉大学
東京大学 東京農工大学 一橋大学 金沢大学
名古屋大学 京都大学 大阪大学 神戸大学
岡山大学 広島大学 九州大学

一橋大学と東京農工大学以外は、科研費総配分額上位大学が並んでいます。
千葉大・金沢大・岡山大学などの旧六医科大は、
医学部が強い印象がありますが、「全学的」に卓越していると評価されたようです。
それにしても、スーパーグローバル大学トップ型の東京医科歯科大学が入らずに、
一橋大や東京農工大学が入るという結果は、
意外なものと言えるのではないでしょうか。
一橋大や神戸大は、スーパーグローバル大学タイプBで落選していましたが、
重点支援③に入れられています。
最も優遇される国立大学の括りは現段階ではまだ未確定であり、
今後固まっていくことになると思われます。

高等教育局主要事業―平成28年度概算要求―
3つの区分はp.13に出てきます。