この記事においては、
大阪大学の就職先と、情報公開度について考察します。
大阪大学は、大学全体のサイトの進路情報分かりにくいですが、
学部ごとのサイトでは細かいところまで公開しています。
法学部法学科と文学部については、
上位就職先ランキングも作成しました。
大阪大学のウェブサイトにおける、
主な就職先の公開の仕方は驚くほど不明瞭です。
学部も学科も男女も人数も示さずに、
主な就職先として見栄えの良い就職先を並べています。
業界ごとに区分されていますが、
例えば情報・通信業界の就職先としては、

エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、エヌ・ティ・ティ・データ、
エヌ・ティ・ティ・ドコモ、KDDI、ソフトバンクグループ、西日本電信電話、
日本電信電話、日本ユニシスグループ

といった就職先のみが示されています。

大阪大学 就職(進路)データ

大学全体のサイトではまともな情報を公開せずに、
学部ごとのサイトで公開するという大学が少なくありませんが、
大阪大学もその種の大学の1つです。
例えば、大阪大学法学部のサイトにおいては、
就職者数1人の就職先までしっかりと公開されています。
具体例としては、法学部国際公共政策学科の就職先の1つとして、
株式会社ぷらす・あるふぁが掲載されています。
ぷらす・あるふぁは2007年設立・従業員数22名の企業のようです。
このような小規模な就職先まで公開しているのは、
親切な姿勢と言えるのではないでしょうか。
また、人数を示して公開しているため、
上位就職先ランキングの作成も可能です。

2014卒大阪大学法学部法学科上位就職先

順位 就職先(人数)
1位 三井住友銀行(5)
2位 関西電力(4)
3位 裁判所(3)
3位 NTT西日本(3)
3位 みずほ銀行(3)
6位 法務局(2)
6位 近畿財務局(2)
6位 広島市役所(2)
6位 トヨタ自動車(2)
6位 中国電力(2)
6位 阪神電気鉄道(2)
6位 伊藤忠商事(2)

中々見栄えの良い並びですね。
採用規模が多いため上位にランクインしがちなメガバンクですが、
三菱東京UFJ銀行がランクインしていません。
関西電力や中国電力などの電力会社や、阪神電気鉄道などのランクインは、
安定を重視する傾向を示しているように思われます。
日本経済の先行きの不透明さを考えれば、
近年の就活生が安定志向になるのも不思議な事ではありません。
そう考えると、電力会社などの比較的安定的な企業がランクインしていることは、
学生の希望通りの就職が実現しているとも捉えられそうです。
市役所でランクインしたのが広島市役所という点は意外と言えるかもしれません。
広島市役所以外では、
伊勢市役所、岸和田市役所、神戸市役所、大洲市役所にそれぞれ1人就職しています。
就職者の総計は114人なので、19人に1人が市役所に就職したことになります。
東北大学法学部と比べると、市役所への就職者の割合はやや低いですね。

東北大学法学部については以下の記事で扱っています。
東北大学文系の就職先

大阪大学法学部 卒業後の進路

法学部のみでなく、文学部のサイトでも就職先が公開されていますが、
文学部においては過去3年の就職先という形になっています。

大阪大学文学部上位就職先

順位就職先(人数)
1位大阪府教員(8)
2位大阪大学(5)
3位池田泉州銀行(4)
3位ニトリ(4)
3位NHK(4)
3位シティ・コム(4)
3位兵庫県教員(4)
8位三井住友銀行(3)
8位ゆうちょ銀行(3)
8位日本生命保険(3)
8位中国電力(3)
8位香川県庁(3)

教員などの公務員が多いという結果はイメージ通りと言えるのではないでしょうか。
金融系の企業は採用数の規模が大きいので上位に来るのが自然です。
しかし、池田泉州銀行がメガバンクよりも上位にランクインした点は、
意外な結果と捉える人もいるかもしれません。
地元志向を示しているのでしょうか。
NHKや中国電力といった企業が上位にランクインしているのは、
大阪大学文学部の特徴と言えそうです。
1994年創立のシティ・コムのような、
比較的新しい企業も上位にランクインしています。
保守的な選択をする学生ばかりではないということでしょうか。

大阪大学文学部 就職実績

学部サイトの情報公開の姿勢は素晴らしいですね。
1人のみの就職先まで公開しているため、非常に透明度が高いと言えそうです。