この記事においては、
上智大と早慶との人気企業への就職の違いを、
2014卒のデータを元にして考察します。
就職者数の規模の違いも考慮に入れます。
2015卒のデータが公開されたので追記しました。
就職の強さを比較しようとするとき、
何をもって良い企業と定義するかは問題になります。
この記事ではダイヤモンドの2014年人気企業ランキングを利用します。
人気企業ランキング上位の企業への就職者数の違いによって、
上智大と早慶を比較していきます。


早慶上智の人気企業ランキング上位への就職者数

1位住友商事☆ 早稲田27 慶應28 上智7

2位三菱商事☆ 早稲田40 慶應48 上智10

3位伊藤忠商事☆ 早稲田23 慶應27 上智6

4位三菱東京UFJ銀行 早稲田111 慶應117 上智24

5位丸紅 早稲田28 慶應36 上智4

6位東京海上日動火災保険★ 早稲田53 慶應52 上智5

7位三菱UFJ信託銀行 早稲田29 慶應39 上智6

8位三井住友銀行 早稲田90 慶應74 上智15

9位みずほフィナンシャルグループ 早稲田100 慶應143 上智15

10位三井物産★ 早稲田23 慶應35 上智2

11位豊田通商☆ 早稲田7 慶應13 上智3

12位双日☆ 早稲田6 慶應5 上智2

13位サントリーグループ★ 早稲田14 慶應13 上智1

14位全日本空輸☆ 早稲田21 慶應18 上智14

15位東日本旅客鉄道★
 早稲田34 慶應12 上智2

★=率で考えても上智が早慶に倍以上の差をつけられる企業
☆=率で考えれば上智が早慶のどちらかを上回る企業

注意点

学部卒と大学院卒を合計した数字です。
サントリーグループの数には、
サントリーシステムテクノロジーなどの子会社は含めていません。
上智大の就職者数は1878人です。
早稲田大の就職者数は8670人で上智大の4.6倍程度になります。
慶應大の就職者数は5319人で上智大の2.8倍程度です。
仮にある企業への就職者数が、早稲田10 慶應7 上智2であるとしても、
率で考えれば、大差ないことになります。
しかし、早稲田の就職者数が上智の9.2倍以上かつ
慶應の就職者数が上智の5.6倍以上であるならば、
率で考えても、早慶が倍以上の結果を出していることになります。

考察

率で考えても早慶の半分程度以下になる企業は、
東京海上日動火災保険、三井物産、サントリーグループ、東日本旅客鉄道の4企業です。

率で考えれば早慶のどちらかを上回るという企業は、
住友商事、三菱商事、伊藤忠商事、豊田通商、双日、全日本空輸です。
基本的に、学生数が非常に多い早稲田大に対して上回っていることが多いです。
率で慶應大を上回っているのは、双日と全日本空輸の2企業です。

全体として見れば、あまり早慶と差はありませんね。
住友商事や三菱商事では率で早稲田大を上回っていますが、
三井物産では率でも2倍以上の差を付けられているのは興味深いですね。
採用方針や学生の志向が関わっているのでしょうか。
全日本空輸への率で上智大が上回っているのは、
女子学生の割合の影響もありそうです。
慶應大の全日本空輸への就職者18人のうち、女子は13人です。
上智大では14人全てが女子です。

上智大の人気企業への就職は良くも悪くもあまり早慶と変わらないようです。
率で考えて大きい差をつけられている企業は少ないです。
また、率で考えても早稲田大を上回る企業もあまり多くありません。
少数精鋭で、早稲田大を大きく上回るということもないようです。

住友商事や三菱商事では、上智大が率で早稲田大を上回っていますが、
どちらも1.2倍以下の差です。

上智大が率で早稲田大に1.5倍以上の差をつけることが出来ているのは、
双日と全日本空輸のみです。

早稲田大が上智大に対して率で2倍以上の差をつける企業が4つあり、
上智大が早稲田大に対して率で1.5倍以上の差をつける企業は2つのみである、
という点を重視すれば、ある程度の差は見いだせるかもしれませんが。
そこまで大きい差でもないでしょう。


上智大学 刊行物・就職(内定先)

慶應大2013年度3名就職者3名以上の就職先


早稲田大2013年度主な内定先


ダイヤモンド2014年人気企業ランキングはページが更新されてしまいました。


この記事は、2015年3月17日現在の情報に基づいて書かれています。


追記 2015.5.30


上智大学は男女ごとの就職者数を示して公開しているため、

一般職での採用を除外して考えることも容易です。

もっとも、女子学生で総合職として採用される場合も少なくないのですが。

例えば、上智大から住友商事に就職しているのは男子が5人で女子が2人です。

男子が一般職で就職しているとは考えにくいため、

総合職として少なくとも五人が住友商事に就職していることが分かります。

男女ごとの就職者数が気になる方は、

リンク先のデータをを見ることをお勧めします。


上智大学の男子の就職については以下の記事で扱っています。

上智大学男子上位就職先ランキング


追記 2015卒早慶上智人気企業への就職の違い


ダイヤモンドは、男女文理総合のランキングを出していないため、

みんなの就職活動日記によるランキングを利用することにしました。


1位電通★ 早稲田21 慶應31 上智2


2位全日本空輸 早稲田25 慶應19 上智9


3位伊藤忠商事 早稲田20 慶應22 上智5


4位JTBグループ 早稲田23 慶應6 上智7


5位博報堂・博報堂DYメディアパートナーズ 早稲田16 慶應25 上智2


6位サントリーグループ 早稲田19 慶應15 上智4


7位ニトリ 早稲田25 慶應6 上智5


8位資生堂 早稲田5 慶應3 上智2


8位三菱東京UFJ銀行 早稲田126 慶應116 上智40


10位日本航空 早稲田35 慶應23 上智12


11位三井住友銀行 早稲田97 慶應92 上智21


12位オリエンタルランド★ 早稲田9 慶應6 上智0


13位花王 早稲田10 慶應10 上智3


14位東京海上日動火災保険 早稲田77 慶應78 上智16


15位みずほフィナンシャルグループ 早稲田103 慶應155 上智22


★=率で考えても上智が早慶に倍以上の差をつけられる企業


サントリーグループは、サントリーホールディングスとサントリー食品インターナショナルの合計


電通や博報堂などの広告関係の企業においては、

早慶と上智の差が比較的大きくなっています。

また、上智大からはオリエンタルランドへは一人も就職していないようです。

その他の就職先においては、率で見れば、

早稲田大と上智大との間に大きな差はないように見えます。

慶應大と比較すると、主に金融系の企業への就職者の率において差があります。

大学全体での率で考えるという手法も、

男女比や学部構成などによって影響を受けるため、

進学先の選定をするために就職先を比較したいのであれば、

学部単位で比較することが望ましいでしょう。

早慶と、特に上智は分かりやすい形で情報公開をしているので、

詳細な比較が可能です。

それにしても三菱商事やNHKなどよりも、

ニトリやJTBグループが上位に来るという事実は、

少し意外な気がしますね。


みん就2016卒就職人気企業ランキング