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メトネル(Medtner, 1880-1951)はとりわけドイツ系であることが強調されるが、たとえ、プロテスタントの信仰を持っていたとしても、日常的にロシア語を話していたのだから、ロシア人として扱ってもよいのではないか。

確かに、両親とも先祖はドイツ人であるので、「ドイツ系」であることは間違いではない。名前も「Medtner(Metner)」とロシア人らしくない。だが、多くのドイツ人が長い年月の中で現在のロシア、ウクライナなどの地域に多く移住していたことは確かで、既に大きくロシア社会を形成する一員となっていた。

第一次大戦とロシア革命後の混乱を避け、メトネル一家はドイツに亡命する。さらに、フランスを経て、イギリスに移り住み、そこでロシア正教に改宗し、ロンドン郊外の墓地に眠っている。20世紀は革命と戦争の世紀で、多くの難民が発生したが、その典型をこの作曲家の生涯に見出すことが出来る。それでもまだ、惨めな晩年でなかったことが幸いと言うべきか。

ソナタ ヘ短調 Op.5 は、彼が書いた最初のピアノ・ソナタである。第一楽章に伸びやかな「アンナの主題」が登場し、終楽章で見事な祝福の歓喜に包まれる。これは彼自身のその後の人生を象徴しているし、また嵐も予感させる内容となっている。まだアンナは兄エミーリの妻だった。

メトネル

アムランの演奏でどうぞ。
Medtner: Complete Piano Sonatas

試聴リンク
ディスク1のトラック1から4

高橋健一郎さんが翻訳をされています。
ベールイのメトネル論