Saulys

最近仕事が忙しくてなかなか更新できずにいます。

本当は書きたいことが山ほどあるのですが・・・と沈みがちな気持ちを明るくしてくれる本が飛び込んできました。


ヤングトゥリープレスから出版された「チュルリョーニスの時代」です。チュルリョーニス(Ciurlionis, 1875-1911)研究の第一人者であるリトアニアの音楽学者
ヴィタウタス・ランズベルギス(Landsbergis, 1932- )が著した「M. K. Čiurlionis: Time and Content」の邦訳版である。とても日本語になるとは思っていなかったので、まだ信じられない。


4903605035チュルリョーニスの時代
佐藤泰一 村田郁夫(リトアニア語による日本版への新章)
ヤングトゥリープレス 2009-01-09

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この日本語版にジョナス・メカス(Jonas Mekas, 1922- )が「リトアニアはチュルリョーニスである」という序文を寄せている。

チュルリョーニス













わたしは信じている。あらゆる国、あらゆる民族が独自の精神をもっていると。
それを運命と呼んでもいい。
それは歌、舞踊、言葉、民芸品をとおして顕れ、また特定の個人をとおして顕れる。
そのような個人は、不可解な決定的な瞬間に、
民族精神の真髄、凝縮を体現するために現れる。



さらに、この序文の中でメカスは、チュルリョーニスとともにランズベルギスをリトアニアを体現する使徒として挙げている。この独立運動に身を投じた音楽学者は、ソ連軍の戦車に取り囲まれながらも、彼にしかできない方法で戦い続けた――ピアノを弾き続けたのである。彼が弾いていたのが、チュルリョーニスのプレリュードだった。

城のおとぎ話



このページを訪れてくれる方にはあらためて言うまでもないだろうが、チュルリョーニスはリトアニアの国民的英雄である。


やがて、小さなリトアニアは独立を果たし、大きなソ連邦は一年も持たずに跡形もなく消え去った。



まだ少しめくっただけなので、書評など書けないが、これから少しずつ読んでいくつもりです。チュルリョーニスの音楽や絵画を知らない方や、リトアニアに関心の無い人には読むのが辛いだろうが、少しでもこの本を読んでそれらを知ってくださる方が増えてほしい。




Noktiurnas(夜想曲)in F sharp minor VL178


MIDIで良かったら、こちらも聴いてください。
知られざるMIDI



巻末には、楽譜、音楽作品目録、ディスコグラフィー、今までに開催されたリトアニア国外での展覧会概要などが付いている。



リトアニアの独立から、ソ連邦の消滅に関しては、「自壊する帝国」が入手しやすく読みやすい。

4101331723自壊する帝国 (新潮文庫)
佐藤 優
新潮社 2008-10-28

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