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プログラムって何だろう・・・

子供の頃、親に買ってもらった「学研の図鑑」の一冊に機械の仕組みを詳しく紹介したものがあった。普段うかがい知れない工場の中の、そのまた機械の中で工業製品や食べ物が一個一個作られる様子が詳細な透視図で描かれていて、夢中で見た記憶がある。


プログラムのからくりを解く ルート検索や料金計算はどうやっているの? [サイエンス・アイ新書]

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また、教育テレビでも「工場にある機械はこういう仕組みになってます」と子供向けの科学・工学番組が流れていて、小学校の時に先生が授業時間で見せてくれた。機械は蓋を開けてみれば分かるが、コンピュータの場合はどうするのだろう。「プログラムのからくりを解く」はそんな疑問に答えてくれる本である。

コンピュータの「仕組み」は、プログラムである。また回想になって恐縮だが、私が中学生だった80年代、最初のパソコンブームがやって来た。私の同級生にもパソコンに凝っている奴が現れ、彼の部屋で初めてパソコンなるものを見た。まだインターネットも無い時代である。私は彼に質問をした。
「パソコンって何をやるの?」
「計算とか、○○とか・・・」
そして、彼は自作の「米印だか☆印だかを表示するプログラム」というものを見せてくれた。悪いので口には出さなかったが、こんなに大きな機械で電卓にも出来るような計算とお遊びか、と呆れてしまった。自分は一生こんなものをやることはあるまいと思いながら、同級生の家を後にした。

それから十年以上が経ち、元号も変わり、ウィンドウズ95の発売を待ちわびる人々が秋葉原で行列を作り、報道されていた。職場にもパソコンがやって来て、業務はそれ無しでは回らなくなり、程なくして自宅にもやって来た。このブログも当然パソコンを使って書いている。時折疑問に感じることがある。中学生の時に見たパソコンやプログラムと、今のインターネットを見ているパソコンとは、同じ「パソコン」なのだろうか。ちゃんと繋がっているのだろうか。絶対に繋がってるはずなのだが、それを確かめ、空白の十年を埋めるためにこの本を持って記憶の航海に出た。




同じような疑問を感じていた方にお薦めします。今や、何をするのにもキチンとしたソフトが用意されていて、しかも無料のものも多いので、自分がプログラムを組む必要など絶対に無いが、凡そこの世の便利な生活の陰にはプログラムがあるのだということをこの本は教えてくれる。

この本を読めば、プログラムというものが一つ一つ愚直に、しかし論理的に物事を進めて行く「プロセス」であることに気付かされる。当たり前のことだが、目に見えないものなので誰しも忘れてしまっているような気がする。昔、同級生が書いたプログラムにも一行ずつ実行すべき「プロセス」が書いてあった。

論理的な考えを学ぶために数学が必要であるとか、課程(プロセス)が大事だとか、学生の頃は何とも思っていなかったような言葉が、今更ながら胸に響いてきた。

前回の「理工系のネット検索術100」もためになったが、今回も面白かった。今の子供たちは小さな頃から「便利なパソコン」に慣れ親しんでいる。その子たちに読んでもらうために、中学校や高校の図書館でこの本を買ってもらえないだろうか。


アルファブロガー、小飼弾さんの記事から。
書評 - プログラムのからくりを解く



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